2016年5月14日土曜日

配当貴族銘柄の紹介 Cardinal Health (CAH) 31年連続増配 S&P Dividend Aristocrats #39

Cardinal HealthCAH;カーディナルヘルス)は米国の3大医薬品卸会社の一角を占めています。広いアメリカの医薬品・医療機器のホールセールをカバーしていますので、売上高ベースでは巨額になります($100B、約11兆円)。


では財務を

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さすがにアメリカでも、日本でも卸売り事業者はマージンが薄いですね。

また、日本でもアメリカでも業界は大手に集約されたといってもよく、現在川上方面のM&Aが盛んです。つまりメーカーの買収ですね。これによってマージンを高める戦略がメインのようです。

CAHも最近、ジョンソンエンドジョンソンのコーディス部門(医療機器:カテーテル・ステント等血管系の医療機器メーカー)を買収しています。

日本のアルフレッサHDもエーザイの医薬品製造子会社であるサンノーバというのを買収しています。

メーカーに加え、CAHはジェネリック薬の地域卸の買収にもいそしんでおり、米ドラッグストア大手のCVSケアマーク社と合弁でGE薬の共同購買会社を設立した。

(一方、Walgreenなども他社と合弁を組んだので、CAHは同社とこの分野では取引がなくなったらしい)

借入金の水準が大きくなっているのは、相次ぐM&Aと卸という特性上運転資金が必要になる点が考えられるが、ちょっと多いような気がしますね。

利益・配当の伸びなどもまあまあで、借入金がやや気になるものの、医薬品卸という事業の堅実性から考えると、大丈夫なのかな。

業界トレンド等私見

アメリカの医療業界の理解している範囲内の大きな動きは今後の日本にも参考になるかもしれない(厚労省も外国の真似ばっかりしていますので)。

高齢化が進む。オバマケアにより、医療保険はほぼすべての人にカバーされるようになる。

医療にかかる人が増加する。一方、医療保険の財源はそれほど増やせない。

したがって、医療保険の使い道のメリハリをつけなければならない。

医療従事者には一層の効率性が求められる。病院は合従連衡(M&A)がますます進む、あるいは共同購買などで仕入れコストの抑制に励む。

納入する側のメーカーも対抗して、大型化していく(医療機器などは頻繁にM&Aをやっている)。

オバマケアなどによる低所得層向け保険の国費化はジェネリック薬の益々の利用拡大が予想される。
アメリカのGE薬の購入窓口はドラッグストアで、彼らが効率性を求めて購買力を高める。
勢い、医薬品卸もこの分野に対応せざるを得ないし、彼らのマージンもますます細くなる。

医薬品卸は自らのマージン確保のために、さらに地域卸を買収するか、PB商品レベルのもの(ガーゼとか)は内製化することによりマージンを確保していくようになる。

こういったトレンドにあるように考えています。

医薬ではありませんが、理化学機器の卸でメーカーを買収してものすごい勢いで成長している、サーモフィッシャーサイエンスイティックなどは卸の成長戦略モデルとしては良い見本だと思います。

私は日本株で、サーモフィッシャーのミニチュア版?のような会社であるアズワン(7476に投資しています。

もちろん理化学機器と医薬品卸では違いますので(医薬品卸はMRではなくMS:マーケティングスペシャリストと呼ばれ、薬の説明ができる営業マンが必要)、収益構造なども違ってきますが、参考までに。

意見・感想など
  • 医薬卸は同じような財務内容に見えます。したがって、投資するならCAHのような配当コミットメントがしっかりしている会社がいいですね。
  • ちなみに業界トレンドは悪くなさそうです。
  • ただし、コンプライアンス面は少し注意したほうがいいかもしれません(過去に規制薬物の取り扱いで米麻薬当局と裁判で和解したりしている)。


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2 件のコメント:

  1. いつも参考になる記事をありがとうございます。配当貴族シリーズは毎回楽しみに読ませていただいております。米国株では配当貴族銘柄に投資したいとは、いつも思いますが、そういう銘柄はすでに高値圏にあって、現状での利回りはいまいち低いのが玉にキズですね~。アズワン私も持ってます。仕事でも利用してますしね。もう少し、webカタログを工夫したらいいんじゃないかなあ、などと思います。あの分厚いカタログから目当ての製品さがすのは、いつもうんざりです・・・でも、研究用消耗品卸ではデファクトスタンダードなのかもしれませんね。

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  2. tessndeelさん、コメントありがとうございます。
    >米国株では配当貴族銘柄に投資したいとは、いつも思いますが、そういう銘柄はすでに高値圏にあって、現状での利回りはいまいち低いのが玉にキズですね

    そうなんですね。調整局面で、迷わず「これっ」て買える銘柄は日ごろからWatchしておかないと、その時になって考えても遅い、というのもあるので、気長に投資チャンスを待つことにします。

    アズワンのWebカタログは工夫の余地があるのですか。会社はIRで「アマゾンとは違う」と胸を張っていたので、ちょっと残念な事実でした。

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