2017年6月7日水曜日

気になるYield Carve(長短金利差)のFlat化



「アメリカの長期金利が上がらない」と以前から言っています。これは、サブプライムバブルの2003年~2004年ごろにも言われていました。

当時は、なんと日本と中国がアメリカ国債を買っていた、特に日本は「為替介入」のための円売りドル買い資金で米国債を買っていたのも一因だった、とも言われており、サブプライムがはじけた後、結構問題になったりしました。

今回、住宅も全然過熱化していないので、さすがにこんな短期間で二の舞はないと思いますけど。


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いつも、S&P500のEPSなどを調べているYardeniResearch(よくわからないのですが、分析データが豊富なので活用しています。プルデンシャルやドイツ証券などを渡り歩いたウオール街のベテランの方がやっているリサーチ会社のようです)でYield Carveのデータを調べてみました。

データ期間がちょっと長すぎますが、よくぞここまでデータが取れているな、と感心します。


1959年から、青線が10年物国債金利からフェデラルファンドレートを引いた金利差を示しています。
赤線は調べると、一致指数と記載されてあり、推測ですが、景気動向指数のうち、景気と一致して動くような複数の指数(鉱工業指数など)を表しているのではないかと思います。
ブルーの縦のラインは、米国で「リセッション」と公式に定義されていた時期です。

傾向としてはリセッション前にYield Carveが下がる方向になっています。もっとも97年ごろのように、ほとんど金利差がなくなった後に更に金利差が拡大して(この時、通貨危機が起こった)、ITバブルに突入しました。
(70年代後半はオイルショックなど超インフレ時期、80年代後半はブラックマンデー、90年代半ばはちょっと忘れてしまいました)

リセッション時期に金利差が拡大するのは、短期金利を引き下げたからだと思います。

6月にFFレートは1%を超えるのではないかと思われますので、今の長期金利水準2.1%~2.2%ですから、Yield Carveは100bp程度になりそうです。あんまりいい状態ではないですね。

長期金利が再上昇するためには、インフレ率が上昇することや、FRBのEXIT(FRBが国債を買うのを辞める。9月~12月ごろスタートが市場で織り込まれつつある)ことなどが必要になると思います。

「今回の低金利は各国中央銀行が意図的に国債を買っているので、これまでとは違う」と言う声もあるようですが、逆張り・バリュー系の私は、ジョンテンプルトン卿の「This Time is difference」はいつも同じ結果になる、という格言に従った方が無難であると思っています。

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