2015年8月6日木曜日

原爆投下や太平洋戦争に関して思うところ

非難覚悟で書きます。

この時期、広島・長崎に原爆が投下されたことがクローズアップされ、第二次世界大戦(というより太平洋戦争)の特集が組まれます。

多くは、戦争の悲惨さ、日本国民がひどい目に逢った、という内容を伝えるものです(日本人が占領地で現地人を悲惨な目に逢わせたことはあまり報道されない)。

しかし、米軍が広島・長崎に原爆を落としたのは、米軍の合理的な発想から考えればおかしくなかったようだ。この側面は見落とされがち。


  • 1944年のサイパン、フィリピン陥落、45年春の沖縄占領を経て、日本軍の敗戦は確実となった。
  • ただし、上記の地を米軍が占領する際、想像以上の日本軍の「抵抗」に合って、本来犠牲にならなくてもよかった米兵が多数犠牲になってしまった。
  • 特に沖縄戦の時は女・子供からも「抵抗」に合って、もうこんな戦いは嫌だと米兵は思っている(のちに米兵はベトナムではもっとひどい目に逢うのですが、ベトナム戦争と沖縄戦では経緯が違いますが)
  • 沖縄戦が終わっても、日本は「本土決戦」と言って、鹿児島・宮崎に軍を終結させている。
  • これ以上、米軍が日本軍と戦って犠牲者を出したくない
  • 日本軍を米軍の犠牲を出さずに一気に降伏させる方法はないのか
  • グズグズして、ソ連軍が日本に参戦すると自分たち(米軍)の手柄が半減しかねない 

これが原爆投下の米軍側の思考回路だったようです(もっとも最終判断はトルーマンの政治的判断ですが)

日本は原爆が落とされた経緯や背景を顧みることより(なぜ原爆を落とされたのか、そこから何を学ぶべきか等)、「こんなひどい目に逢いました。だから戦争・原爆反対です」という議論に偏重してしまう。

もちろん、広島や長崎の人・その家族・子孫の方には大変つらい経験だったと思います。

しかし、日本人一般として、考えなければならないのは、「原爆反対」ばかりを唱えるよりも、現実的で冷静な客観的情勢判断の下に意思決定を下す、ということも同じくらいに考えたほうがいいと思う。

すぐに情緒的になってしまう点は、人間が感情の生き物であるため、ある程度やむを得ないことだと思いますが、それと同じぐらい「勘定的」になることも考えたほうがいいだろう。
(大本営は自分たちのメンツや首が怖かったようですが)

私も会ったこともありませんが、祖父がガダルカナル島に向かう輸送船が米軍機に沈められて、戦死したと聞きました(お墓詣りはしています)。この戦いもあまり意義が大きいものとは思えません(というより単なる消耗戦だった)。
このような非戦略的な戦いのために自分の祖父が犠牲になった、とわかると、つらいものがあります。

戦争は悲惨だったと思いますが、必要以上に悲惨なものにしてしまった点も見落としてはいけないと思います(そもそも初めから勝てない戦争を仕掛けたのが悪かったのですが)。

常にしっかりした議論の場ができるような国になってほしいものです。

もちろん、私も核兵器の使用や戦争そのものには反対です。言いたいのは、では、過去の過ちから何を学ぶべきか、を考えよう、という点です。要するに敗戦の学習効果が足りないのでは、と。



4 件のコメント:

  1. いつもブログ楽しみに見てます。自分もゴンちゃんの意見に同感です。原爆投下はやむを得なかったと思います。

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    1. コメントありがとうございます。
      今後ともよろしくお願いします。

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  2. 毎日楽しくブログを拝見しております。自分の好きな領域のコラムなのでコメントします。
    アメリカが原爆を投下した最大の理由は「ソ連参戦前に日本を敗戦に追い込むため」でしょう。しかし、人間は理由を機械的に順位付けて行動する訳ではありませんから、その当時の人間に理由を聞いてもはっきりとは分からないと思います。

    私もブログ主さん同様、「原爆は悲惨、戦争反対」では思考停止状態だと思います。また「安保法制反対・自衛隊違憲」も同様でしょう。このような考えは、まわり回って戦争を起こすことになると思います。

    ただし、私が1945年に戻れるのならば、「日本人が白人だったら原爆投下をしましたか?」とトルーマンに聞いてみたいですね。

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    1. 確か、オリバーストーンの調査では、ソ連参戦をアメリカは恐れていたといっていたように記憶しています。
      日本人は素直に意見を受け入れるよう教育されているので、マスコミが一方的に報道すると、何となくそう感じるのでしょうね。
      私は従軍慰安婦問題がほとんどでっち上げだったことに強い憤りを感じているのですが、そんなマスコミの言うことをうのみにする人々に「同じマスコミが言っているのになあ」と残念で仕方ありません。

      国会議員がちょっと口を滑らせると、猛烈に批判するくせに、政治家にちょっと何か言われると「報道の自由・表現の自由の侵害だ」とか言っていますね。

      この辺の矛盾に気づいてほしいなあ。

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