2018年7月22日日曜日

Johnson and Johnson のコラボレーション戦略と日本企業の貢献?



ご存知、ジョンソンエンドジョンソンです。同社は56年だったか(もう忘れた)連続増配を更新する優良株です。


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最近の同社は医薬品部門が好調で全社業績をけん引しています。私がJNJ株を買ったときは医療機器部門と医薬品部門の売上高が拮抗していたし、今のCEOも医療機器部門の出身でしたが、今ではすっかり医薬品部門がリードしています。

2010年では医療機器部門が全体の売上高の約40%、医薬品部門は約36%でした。

2017年には同35%と47%と逆転しています。足元2018年の第2Qでは医薬品部門の売上高が全社売上高のほぼ半分に迫っています。

この間、医療機器部門の売上高は年率平均で1.1%しか成長していませんが、医薬品部門は年率7.1%の高水準で成長し、連結で3.1%の売上高成長のJNJをけん引していると言えます。

この好調さを裏付けるのが、コラボレーション戦略(共同開発研究)です。今でこそ、日本企業はこぞって、他社とのコラボ戦略云々、と言っていますが、JNJはずいぶん前から取り組んでいて、医薬品部門で花開いています。


青線は有名な大手グローバル製薬メーカーで、赤線は日本企業(及びその海外子会社を含む)です。

様々な分野(免疫系、神経系、循環器系、がんなど)で様々な企業と提携・開発を組んでいます。

日本企業では田辺三菱、武田、日本新薬などの名前が見つかります。ある製品は日本企業が創薬し、JNJが海外販売を行う(日本企業は特許料をもらうなど)、ある製品は共同で治験を行い、米国内はJNJが販売、米国以外は提携先が販売(確かXARELTOはこのパターンで米国外はドイツのバイエル製薬)など棲み分けが進んでいます。

また、IMBRUVICAは当初ファーマサイクリックス社が創薬したものを、JNJが共同で治験を行い(臨床試験は莫大な費用が掛かるので、その費用をある程度肩代わりする代わりに、承認が下りて販売する際には、JNJに販売を任せ、創薬企業は特許料をもらうような提携が多い)、販売を担当する、というパターンだったのですが、AbbVieがファーマサイクリックス社を買収してしまいました。

JNJの強みは、全世界(特に世界最大の米国市場)での販売網(MRネットワークとでもいうのでしょうか)とFDAへの承認手続きのノウハウ(申請対策やナントカ委員会への政治力を含む)などです。

「売れる薬のタネ」さえあれば、あとは仕上げることができる組織力、とでも言いましょうか。 おいしい食材さえあれば、包丁さばきは一流、というべきか。

とにかく、創薬というタネ切れのメガファーマの切り札である「組織力」を最大限駆使しています。

創薬力が弱っていても、「タネ探し」はかなり力を入れていると思います。この辺は商社か百貨店のバイヤーのような人に相当するソーシング担当者がいるのでしょうかね。

面白いコラボレーションに、日本のドクターシーラボ社のスキンケア商品をJNJのネットワークを通じて東南アジアで展開しているようです。確かJNJがシーラボ社に出資して話題となりました(これは医薬品部門ではなく、コンシューマー部門ですが)。

しかし、JNJもいつまでも3つの事業が並列して継続できるのか、わかりません。

医薬品事業以外はほとんど成長していない、と投資家から指摘されており、アボットラボラトリーのような会社分割も全くないとも言えないでしょう。

私は、今後ともJNJ株にしがみつく予定です。分散投資する場合、ヘルスケア部門では「とりあえずJNJで間違いなし」だと思っています。そんな存在です。

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