2013年9月14日土曜日

持ち家と賃貸に関する雑感


最近、REINSという不動産取引情報サイトで、自宅の成約事例を検索してみました。


 

すると、ここ半年で、自宅と同じと思われるマンションの取引事例が数件掲載されていました。

私の住むマンションは、500戸を超える大規模物件なので、年に数件は確率的に取引が行われています。

すると、新築で買った値段かそれより少し上の取引単価(1平米辺りの成約単価)で取引がされている模様だ。

勿論、売る人の事情により、売買単価は上下するが、少なくとも3から6ヶ月程度かけてじっくり売却しようと思えば、今でも新築同等で売れることが分かった。チラシで見る売り価格もそんな感じです。

おそらく、契約したのが2006年の春だったため、不動産価格の上昇が加速化し出す一歩手前だったからかもしれない。

この後、首都圏の新築マンションは「新価格」、「新新価格」といって物件価格が上昇して行きました。

しかし、同じマンションを、賃借すると月々20万円前後するが、これは2007年ごろと比較すると23万下落している。つまり、現時点では、物件価格が戻っても、家賃が戻っていない状態です。

付近の公団住宅の同じような間取りで賃借すると、34坪ほど狭く、築年数も古い物件でも17万円+共益費ほどかかる。

不動産価格が安定すれば、持ち家でもそんなに損することはない。ローンの返済は残っているものの、賃借するより割安になっており、たとえ売却しても、これまで貯めた頭金+ローンの元金返済部分は返金されます。

買った時のLTVは約75%で、今は繰り上げ返済もあるので、約40%まで下がってきた。返済期間はほとんど短縮していないので、月々返済額は当初よりかなり下がっている(もっとも借入当初から、元利金と管理費・修繕積立金の合計が20万円を切っていましたが)。

今はこれが13万円程度であり、付近の公団住宅よりも安く上がっています。

帰属家賃20万円-13万円=7万円、あるいは17万円-13万円=4万円はローンを組んで家を買ったことによる効果となっています(実際には、差額の7万円を毎月チマチマ住宅ローンの繰り上げ返済に充当しています)。

仮に損をした、とすれば、これまで自宅に投入した資金(つまり、物件価格の6割相当)を他の投資機会に振り向けると、得られたであろうリターンかもしれません。

しかし、独身ならいざ知らず、家族全体として考えて、経済的な損得だけでも、決めるわけにもいきません。

ローンが残っている、というかもしれないが、家族全員で路頭に迷うような選択でもしない限り、4人が居住するすみかを確保するには、月々10万円程度の出費は最低限かかるのではないでしょうか(東京駅から1時間圏内)。

したがって、住宅ローン残高は法律的には債務ですが、月々10万円ちょっとの居住費は、賃借派でも持ち家派でも、扶養義務者として、道徳的には、「債務」と言えるのではないでしょうか?

万が一、住宅ローンのデフォルトがあったとしても、ローン残高以上を銀行に支払う義務もない(未払い利息があれば別ですが)ため、現金が手元に残るので(私の場合はマンション価格の60%になる)、その金で普通に住居費が賄える(残りは失業保険でなんとか当面やりくりできるだろう)。

したがって、家計が破たんして、ローンをデフォルトしても、家族は路頭に迷わない、ということになりそうだ。

賃貸の人は、失業保険で住居費を賄う必要性がある。

(もっともほかに資産があれば別ですけど)

もちろん、賃貸している人の原資が会社からの家賃補助や、借り上げ社宅だと、この限りにあらずですが、いいんでしょうか? カイシャにそこまで依存して??? カイシャリスクが大きくなる一方(経営が傾けば、企業年金/退職金も当座の住居費もみんなパア)。

もちろん、自立した人なら、キチンと貯めているでしょうが。

 かつて、ソニー生命のライフプランニングを受けた時に、家は買った方がいいという結果が出ていたが(団体信用生命保険の効果もある)、資産を保有してる方が、将来不利になるというデフレ構造はやっぱり不合理であると思う。

賃貸派は定年退職後に、蓄えた資産や年金から住居費を賄う試算だと思いますが、長生きリスク(想定より長生きすると、その分の経費を余計に貯めておかなければならない)や、そもそも論としての年金リスクにより大きく依存することになります。

持ち家の場合だと、それまでにローンの返済を終わっていれば、少なくとも居住費の心配はない。リバースモーゲージという手もあります。また、売却すれば、それまで支払った住居費が返金される(支払い利息は返金されませんけど)。その返戻金を賃貸の家賃に回してもいいはずです。

最も、今後は少子高齢化で、賃貸の方が有利になる点も残されている。フリーレントや敷金なしや、新築にばかり住めば、設備は常に最新鋭の部屋に住める。あっちにもこっちにも住みたいところをいつでも自由に選べる(但し、子供が出来ると、簡単に引っ越しはできなくなると思うけど)。

本当は、経済的に得をするのが賃貸である、という話が多かったように思うが、デフレが解消されると、その前提があやしくなる。

新築は買った瞬間、2割資産価値が下落する、と言われているが、管理がしっかりしているマンションだからなのか、今のところ価値が保存されている(地域での人気は3番目ぐらいですけど)。

忌わしい液状化の悪影響は、私の住んでいるマンションに関しては、ほとんどなさそうだ。

東京オリンピックで湾岸地域の資産価値が上がっても、引っ越す予定もないので、あまり過熱化しないでほしいですけど…。定住を予定している人の住居価値が上がっても、固定資産税が増えて、迷惑なだけ。

家を買って、6年ちょっと経過したが、案ずるより産むが易しのような心境になりました。ソニー生命が言っていたように、ローンを完済すれば、精神的にも経済的にも圧倒的に優位になるというイメージがついてきた(もっとも返済を急いでいませんけど…)。

安定収入に自信があってもなくっても、最低限の住居費は必要なので、無理のない範囲で家を買うことは理にかなっている様に感じるようになりました。やっぱり日銀が悪かったんですね(笑)。
 
 
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