2014年6月27日金曜日

サッカーワールドカップ

ツイッターではサッカーのつぶやきが4割ぐらいあるので、ブログでもちょっとだけ。今更言っても後の祭りなんですけどね。

1次リーグ日程が終了しました。
日本はあえなく1分け2敗で予選敗退。
期待感が大きかったので失望も大きい、株に例えると、「市場予想」を大幅に下回る決算で株価急落、といった感じか。

しかし、昨年のコンフェデレーションズカップ以降の、「それなりの」対戦相手との結果では、やっぱりダメだったので、今回の結果は妥当と言える。言い換えると、コンフェデから何の上積みもなかったといえるのではないか?
「市場予想」が過大で、結果はまあ、妥当・・・。アナリストやエコノミストの予想が外れる株の世界と同じ。


コンフェデレーションズカップ以降の日本代表の対戦成績

戦績は20戦、1082分け、38得点、39失点となっている。これは、各国が「2軍」だった東アジア杯の戦績(斜線字)を含めたものである。

ちなみに、2013年の9月にW出場国でもあるガーナとホームで親善試合をして、勝利を収めているが、これには、内田のチームメイトのボアティング、本田の現在のチームメイトであるムンタリ・エッシェン等の一流選手は不参加となっている。

一方、ホームの親善試合で「噛みつき事件」で有名となったウルグアイと親善試合を行っているが、当然のごとく?2-4で敗れている。この時には、フォルランに2点、スアレスに1点を許している。

よく代表が強くなるためには強豪国とアウエーで戦ってこそ・・・と言われる。そこで、コンフェデ杯、アウエー(直前のアメリカ合宿を含めた中立を含む)に限って、戦績を再計算してみよう。

この場合、9試合のうち、351分けとなり、15得点20失点となる。
1試合当たり1.6点のゴールと2.2点の失点である。

ブラジル戦ではネイマールに、メキシコ戦ではエルナンデス(マンチェスターユナイテッドの選手)、オランダ戦ではロッペンとファンデルファールトなど各国のキープレーヤーに得点を許している(イタリア戦ではバロテッリにPKを許している)。

ただ、W杯本番に近づくにつれ、よくなっているようだったので、「イケる!!」と思ったのかもしれない。

しかし、W杯本番では、3試合で6失点は「想定の範囲内」だったが、3試合で2得点は「想定の範囲外」だったという事になる。あと12点取れたけど取れなかった・・・。あの時外していなければ・・・等々ありましたね。

日本がよく戦ったオランダやベルギー、コスタリカと言った面々が、1次リーグを突破しているのを見ると、歯がゆいですね。やっぱり練習試合と本番は違うのでしょう。


(今更)個人的な意見を言わせてもらえれば、やっぱりザッケローニの指揮官としての手腕がイマイチだったような気がします。セルビア、ベラルーシ戦の後、解任でもよかったかもしれない。彼は結局、課題の守備をまとめきれなかった。

最後になって、遠藤を山口に変えた辺りは、「やっと」と思ったが(遠藤の守備力がないのはとっくにわかっていた。)、「守備の連係」というのは最後まで改善されずじまいだったのではないか。

よく選手の談話で、「マークがずれた」「連携をしっかりやっていかなければならない」と」いうのがあり、解説者でも「誰がカバーやマークに行くのかはっきりしたほうがいい」というコメントが聞かれたが、最後までこれは改善しなかった。

普段の試合からキープレーヤーにことごとく得点されているが、本番でもキープレーヤー1人に試合を決められてしまった(コートジボワールとコロンビア戦)。キープレーヤー対策が出来ていたのか疑問だ。

ザッケローニは、チームを熟成させる意図から、主要メンバーをほとんど固定する方針を取っていた。しかし、守備に関しては、ご覧のとおり連係ミスがらみの失点があまりにも多すぎた。
選手からは、チームの統一感があるようなコメントが多かったが、本当にチーム間の意思が疎通出来ていたか疑問である。

ザック本人は予選リーグ突破を目標にしていたと思うが(しかし戦い方はそんな感じがしなかったが)、ある選手は「優勝」と堂々と言っている(中にはマスコミに乗せられて言わされた口もあったけど)。優勝を目指すのと予選突破を目指すのでは、マインドが全然違ってくる。

選手は負けてもザッケローニを擁護したが、考えると勝利に厳しかった指揮官はそんなことはなかった。

日韓ワールドカップの時、岡田監督はカズと北澤を本番直前にメンバーから外した。彼は南アフリカ大会でも、直前に中村俊輔をレギュラーから外した。日本代表のアイドルだったカズと俊輔を主力外としたのだ。コンディションが良くなかったからだ。

トルシエは直前に正ゴールキーパーを川口から楢崎に変えたり、センターバックを森岡から宮本に変えたりした。

トルシエはあまり人気がなかったが、それでも地元開催で決勝トーナメント進出というノルマを立派にこなした。岡田氏は英雄扱いだ(カズをメンバー外にしたことは今でも言われるが、南アフリカ大会で決勝トーナメント進出の功績の方が輝いている)。

ザッケローニはギリシア戦でやっと香川をベンチスタートとしたが、本田は最後まで使った(それだけベンチメンバ―では心元なかったという事だろう)。

とはいっても、ザッケローニは彼にできることをやったのだと思う。問題は、課題の解決ができない指揮官を最後まで引っ張った協会にあると思う(替えの人選がなかったのかもしれないが…)。

ザッケローニは人格的に「よい人」だったのだろう。しかし、彼がイタリアのインテル、ユベントス、ACミランの監督を歴任したが、どれも23年で解任された理由もわかるような気がする。勝負師として最後が甘かったのだろう(だから日本人的には「いい人」なのかもしれない)。

結局ジーコの失敗を繰り返してしまった。

原専務は攻撃的サッカーを継続するといっている。ボールキープできていれば失点されないという事の様だが、従来から中田英寿も言っているように、ポゼッションと言っても、「ボールをもたされている」時間帯と自分たちが積極的にゴールを攻めているのでは意味合いも違ってくるのではないか?
たとえばコロンビア戦は相手もカウンターを狙っていたので、日本にボールをもたせて、本田等キーマンにボールが収まるところを鋭くボール奪取してカウンターを喫してしまっていた。本田の調子が今一つだったようだが、パス回しだけではなく、キープ力が備わっていないと、ポゼッションに意味がなくなるどころか、相手にパス回しやキープの弱さを読まれて、よいカウンターの糸口を与えるのみとなってしまう。

正直、ファンとしては、防戦一方でも最後に勝利をもたらしてくれればそれでいい。もっとも決定力不足というのは、日本の伝統になってしまったが・・・。

攻守バランスのとれた日本代表の再建を望むばかりです。それと優勝なんてまだ30年早いので、確実に予選突破できる体制を作ってほしいです。勝負に厳しく望んでほしいです。

マスコミは膨大な放映権料を支払っているので、投資回収の意味合いから、いろいろ煽っていますが、ファンとして冷静に見ていきたいですね(これって株式投資と同じかも?)。


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2014年6月19日木曜日

KDDIの株主総会に出席してみました


たまたま休みを取った日に、株主総会をする会社があったので、出席してみました【18日】。

参加者は700人程度でしょうか。品川プリンスホテルの別館で、会場はさすが、と言った感じです。

お土産もないのですが、どなたか「株主総会に行こう」という趣旨でブログを書いていらっしゃる方もいて、総会に行けば会社の違いがある程度わかる、という事をおっしゃっておられたので、行くことが可能であれば、行ってみようと思っていました。

(たぶん、何十社の株主総会に行けば、個社ごとの違いが分かって、投資判断に役立つ、というご主旨だと思います。私は株主総会への参加回数や社数が少ないので、あまり参考になるか、ビミョウです)

KDDI個社の業績に関して言えば、スマートフォンのデータ通信料の伸びと固定回線とのセット販売によるスマートバリュー戦略などが軌道に乗っており、さらにはJ-COMの連結子会社化も寄与し、絶好調という感じです。

大きく増配も実施し(増配自体は12期連続)、株主総会が荒れる理由はどこにもありません。

片道1時間かけて、品川まで出向いて、「シャンシャン総会」で30分程度で終わったら、味気ないなあ、という思いがありました。

一方、ライバルNTTがフレッツ光を卸販売する、と発表し、事実上NTTドコモ(ドコモショップ)でフレッツ光を販売する意向を表明し、スマートバリュー戦略が快晴から晴れのち曇り?あるいは、にわか雨?大雨洪水注意報?といった不透明感もあります。個人的にはこの辺に対する経営陣の考え方に興味がありました。

また、イオンスマホやEモバイルの格安・割安スマホプランなど、過剰機能のスマホから、「身の丈プラン」のようなものが出ないのかなあ、という期待も個人的にはありました。

 

さて、総会そのものは2時間ぐらいを要し、各議案は可決されました(利益処分と役員・監査役の選任程度ですが)。

30分程度で会社側の業績報告は終わって、質疑応答になった。数名の個人株主の方が質問されていました。

中には質問というより、お願いのようなものもあって、ちょっとほほえましかったのですが(自分の住んでいる地域のケーブルテレビ局は料金が高いので、J-COMで買収してほしいとか、ソフトバンクと比較してお土産がないとか出席者が少ないとか)、好調な業績と好調な増配志向のおかげで、悪意的な質問はありませんでした。

それが原因か否かわかりませんが、議長である社長さんの議事進行もなかなかの手腕に見えました。

さすが京セラとトヨタの血が入っている会社だけあって、しっかり運営されている、という印象でした。個人的には、コアビジネスでしかM&Aをやっていかない手堅い手腕を気に入っております(稲森イズムが浸透しているんでしょうかね?コストにもうるさそうですし)。

白い通信会社は、大博打のような強振がウリで、かっこいいけど株主として見た場合はドキドキハラハラです。

赤い通信社は、未だに規模は小さいとはいえ、野菜通販会社やTVショッピング会社の買収など???のつくようなM&Aでお茶を濁しており(しかし、最近5000億円で自社株買いをして、「お遊び」に使うお金と決別したんじゃないのか?)、大丈夫かなという心配がありました。

 

さて、気になっていた、NTTの卸販売に関しては、総務省に一社独占の弊害の懸念を表明しているとのことです(元々70%のシェアを持つNTTが卸販売で事実上同じ競争上の土俵に上がれば、シェアが増加して、公正な競争にならないといった趣旨だそうです)。

こういった表明がどこまで効くのかわかりませんが、総務省がNTTに注文を付けて、できるだけNTTの参入時期を遅らせるような効果はある程度あるのかもしれません。

(しかし、ドコモの総会で、卸販売の参入を今度はドコモ側からも表明していました)

 

さらに、スマートフォンの「身の丈プラン」(例:高齢者向け簡単スマホや機能制限による低料金化プラン)については、「検討している」らしいです。

私はスマートフォンに乗り換えて、まだ1年も経っていないので、今Eモバイルに乗り換えると、スイッチングコストが膨大で、思案していましたが、待ってみます。

 

NTTKDDIの両社の株主である私個人の意見としては、両社でつぶし合いをせずに、赤字会社の業績立て直しとさらなるM&A(私はTモバイル買収は政府当局に否定されると思う)のため、アメリカ出張に忙しい白い会社の牙城を崩すことに注力していただきたいものです。日本でもロボットごっこに忙しそうで隙があるんじゃないか。

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2014年6月7日土曜日

ケン・フィッシャー「MARKET’S NEVR FORGET, But people do」 を読んで




ケン・フィッシャーという人は、こんな人です。前記事を読んでください。↓


この本(Market Never Forget…)は1年半ほど前に買って、「積読」状態だった本を引っ張り出して読んだ本です。
「たった3つの疑問」を読んで、もう一冊ほど読みたいと思って買いました。
New York Timesのオンラインショップでベストセラーになった、と評判も高かった。しかし、日本語訳は発売されていないと思う。

結論から言えば、「たった3つの疑問」の続編のような本です。前書では、2006年までのデータで書かれていましたが、本著はリーマンショック以降(2010年程度まで)のデータが加味されています。それでも彼の主張は一貫しています。

この本、言いたいことは、

将来何が起きるかは、過去から予言できるものではない。しかし、(株式相場では)過去に起きた事実は、大変参考になる。過去の出来事は今起きている、政治・経済事象に照らし合わせ、そのうえで意思決定すると、よりよい投資の意思決定ができる確率が高まる。

それがわかれば、投資の世界で優位に立てるはずだ。投資とは可能性に賭けるゲームではなく、確率に賭けるゲームなのだ。過去の相場を知ることは、確率を高めることができる
といった感じでしょうか?

出版時期が2011年なので、景気回復局面で、弱気専門家がよく予想するようなことも、過去の歴史に照らし合わせると、そのような予想はほとんど起こっていない。これをデータや当時の新聞や雑誌の記事などから列挙して、証明しています。

但し、彼も自分が100%正しいとは限らないが、投資とは6割程度正しければよい成績を残せるはずと言っています。この本に書いてあることは、過去の事実から考えると7割程度は、当たる確率があるような事象です。


さて、具体的にどんなことが書かれているかと言えば(あくまで私の解釈です)、
  • New Normalは新しくなく、Old Normalだ(不況の後で、同じことが毎回言われている)
  • 「平均」に惑わされるな(あくまで平均で、相場は単年度では激しく変動)
  • 株式相場とは(昔から)ボラタイルなものなのだ(しかし、長期的なリターンは最も高い)
  • 長期にわたる弱気相場なんてない(ベアマーケットラリーなんて存在しない)
  • 負債と赤字の思考(政府債務は経済によい)
  • ずっとアウトパフォームするセクターやカテゴリーはない(分散が大事)
  • 政治と株式相場(大統領選挙と株式相場)
  • 昔から経済はグローバルだったんだ(世界大恐慌時代もグローバルな株式相場だった)
こんな感じでしょうか。全部は書ききれませんが、内容は以下、こんな感じです。


New Normalという概念を覚えていらっしゃるでしょうか? ひどい不景気に見舞われたアメリカは今後、これまでのような力強い経済成長は望むべくもなく、低成長でしか成長しないんだ(なぜなら人口動態が云々・・・他)。 と言ったことが、2009年から2010年にかけて言われていましたね。

さて、今そんなこと言っている人はいるでしょうか?

実は、New Normalという概念、1939年の大恐慌後、1959年、1978年、1987年(ブラックマンデーのあと)、2003年と度重なって、アメリカでは言われていたようです。したがって、この本では、皮肉って、Plain-Old Normalと言っています。株価がどのように推移したのか、皆さんお分かりですね。

また、最近はコンピュータの自動取引やデリバティブ、信用取引が盛んで、相場のボラティリティが高くなった、とよく言われます。

しかし、株式相場とは、インターネットやコンピュータが発達する前から、相場変動が激しいボラタイルなもので、今に始まったわけではないということもデータでしっかり分析されています。特に1929年~1945年の方が今よりボラタイルだったようです。

また、2009年、2010年などは、株式相場が上昇しても、「これは弱気相場の中のベアマーケットラリーにすぎない」と言ったことがまことしやかに言われました(2番底が来るぞ、とか)。
しかし、誰が言っているのかに耳を傾けると、債券相場で頑張っている人(例:ビル・グロス)が言ったり、万年弱気派の学者だったり(例:京都の髪を紫に染めた派手な女性学者とかルービニ教授とか)、日銀や財務省出身者で、インフレになったり過去の経済政策が否定されると困る人たち・御用学者・・・等。

しかし、弱気相場はせいぜい2年程度しか続かないのに対し、強気相場は5年以上続くため、それを念頭に入れれば、「調整局面」(株価が急激に10%程度下落して、すぐに再上昇するパターン)はあっても、景気が2番底になったことは第二次大戦後、1回しかなく、株価は一旦反転したら、強気相場に賭ける方が勝率は高い。

1991年にも「2番底」が来るぞ、と言われたようですが、それから5年後、世紀の強気相場(バブルでしたが)がスタートしたことは記憶に新しい。
政治と株式相場では、大統領選挙や大統領就任後の株式リターンのパターン(就任3年目は株価が上がりやすいとか)よく言われるやつですね)と、


共和党候補と民主党候補のどちらが選挙戦を制したか、と株式相場のパターンなどが書かれています(面白いことに、共和党候補が勝つと、その年の相場は良いが、翌年よくない。一方、民主党候補が勝つと、選挙の年はあまりよくないが、翌年は非常に良いリターンの年が多い。したがって、共和党候補が勝ったからと言って、経済フレンドリーな人と決めつけずに、次の年は慎重になった方がいい、とかそんな内容)。

など等です。

この本の効果は?

知っていると、目の前のうるさい「プロの声」を自分の頭の中でうまく処理できるようになるでしょう。そして、機関投資家が買いに入りにくい弱気局面で、より自信を持って、投資に臨めるようになる可能性が高くなります。

 上記のような事象は、過去の米国相場で何回も繰り返し発生しています(それをデータで証明しています)。しかし、人間はその局面になると、過去にあった出来事を思い出せず、同じ過ちを繰り返しているのです。このことをケンは、「Market Never Forget, but people do」と言っているのです。

人間はどうしても足元の出来事の延長線上に未来を見てしまうものなのです(無理もないが)。

この本でも、ケンは盛んにジョン・テンプルトン卿の話を取り上げています。今回は、「The four most expensive words in English language are, “This time is different” とテンプルトン卿は言ったそうです。

しかし、It's never different this time.とケンは言っています。

This time is differentは強気相場のてっぺんでもしばし聞かれます。インターネットバブル崩壊前によく言われましたね。



ケンの英語は、口語的な表現が多いせいか、なかなか難解でした(いつも分かりづらいですけど)。私は本の要旨部分程度しか理解できていないと思いますので、細かく突っ込まれると、わからない部分もあるかと思います。ご容赦を。しかし、皮肉いっぱいの彼の表現は好きです。

彼は、相場で過去に起こったことを基に、「こうなるだろう」 と盛んに、本でもインタビューでも、雑誌記事でも言いますが、彼に言わせると。「みんな信じないんだ」という事になっています。

効率的市場仮説によると、だれもが勝てる投資法やストーリーがあれば、瞬時に市場に織り込まれてしまうので、結局そのような投資法やストーリーは存在しない、という事になっていますが、ケンに言わせると、あっても市場が信用しない(自信過剰もあって、自分の考えに固執する)ようです。
ちなみに、彼はここ20年近く、対市場平均では3年程度しか負けていなかったと思います



私はマクロ相場の羅針盤として、彼についていきたいと思います。


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