2012年1月30日月曜日

貿易赤字、円安、ドル高

先週、日本が30年ぶりに貿易赤字になって、この赤字が持続するかも、という憶測を元に円安に振れました。
そのとたん、例によってマスコミは「日本も双子の赤字」とか、いよいよ「国債暴落」とか、「悪い円安」とか、恐怖を煽り立てました。

まあ、しかし、赤字の内容を精査しないといけないと思いますが、輸入のエネルギー増加は多分その通りだと思いますが、輸出の方はそもそも

  1. 価格:円高で売上代金が目減り(値上げ追いつかず、多分ドルよりウオン)
  2. 数量:新興国経済のスローダウンで輸出数量も減速
  3. 移転:海外にさようなら
  4. 競争力:海外に価格・技術・デザイン・マーケティングを含めた総合力で劣後(だから値上げできない。花王とか工業用化学品は円高分の値上げをしている)

といった要因が考えられるでしょう。これらが相互に絡み合っているのでなかなか特定しにくいかもしれませんが。

円安になれば、円ベースの手取り収入は増加しますし、原材料が値上がりしても、マージンが同じなら、残った粗利額は大きくなるので、やっぱり黒字要因になります。
したがって

「待望の円安到来か」

ぐらいの景気いい見出しが欲しかったですね。

もっとも、前回のFOMCでアメリカのFRBは当面金利を上げないだろうという観測がさらに強化され、さらにQE3という「切り札」を温存することに成功しています。したがって、日米金利差は向こう2年前後このままですから、85円を超えた円安は期待しないほうがいいように個人的には思います(個人的には円安になると、ものすごく恩恵を受けます。個人的な平均ドル円の変換レートの簿価の総平均は84円ぐらいなのです)。

一方、ユーロ圏は事実上のQEユーロ???に入っており(イタリアの国債を担保にして1%の融資をしてやるとヨーロッパ中央銀行が言ったやつ。5から7%の債券を担保に1%の融資を引き出す「錬金術」のようなばら撒き)、ユーロ安は当面継続しそうです。

ドル高

これは円安の裏返しとお思いでしょうが、さにあらず。対ユーロや新興国通貨に対して、ドル高が進んでいます。現在米国の決算発表が相次いでいます。
私の持ち株会社でも、現状のドル高が継続すると、EPS(一株当たり当期利益で米国の株式評価でもっとも注目される指標)の成長率が1から3%減速すると警告を発する企業が相次いでいます(IBM、ジョンソンエンドジョンソン、プロクターアンドギャンブル、アボットラボラトリーズなど米国外売上高が50%超の多国籍企業)。

日本企業が今まで辛酸をなめた円高不況と同じパターンが米国にやってくるかも?

  1. 上述の通り、ユーロはジム・ロジャーズに言わせると「Just Printing the Money」の錬金術ゾーンにあるかもしれません(相対的なドル高)。
  2. 新興国は利上げが一段落しつつある(したがって投資通貨として魅力が減退)。
  3. 米国の経済成長率が加速化してきましたので、ファンダメンタル的にドルが強い状態。

ただし、切り札QE3を持っているので、どこかでズドーンといくかもしれません(その場合は押し出されるように円高じゃないのかなあ?)。

プロクターアンドギャンブルの決算で、先進国での売上高が芳しくなかった(他社に先駆けて値上げしたこともあるが)。北米も数量が伸びなかった。

アメリカ経済の回復は、もうちょっと様子を見る必要があるかもしれません。買い控えしていた家やクルマは回復傾向にありますが(というか今までの落ち込みが凄すぎた)、あっちの人ですら最寄品の値上げに抵抗している感じがあり、企業もQE2で受けた原材料高をカバーできる価格転嫁には、現時点では苦戦しています(P&GJNJだけで判断できないが、コルゲートやクラフトフーヅも同様らしい)。

企業収益は上記の安定業績企業はやや踊り場状態です。金融とか工業とかは業績のアップサイドの余地が残っていそうですが、「アメリカ企業」と一括りで評価しないほうがよいでしょう。

とはいっても結局、自分の投資戦略に影響を及ぼしませんが・・・。とりあえず週末の雇用統計を見守りましょう。「ソフトパッチ」になるかもしれませんね。昨年の「ハードパッチ」はやめて欲しいなあ。

(注:リーマンショック直後の2008年第4四半期はすべての落ち込みが激しすぎたため、その後の米国の経済指標が歪んでいるのではないか、という説があります。失業率や雇用統計を例にとっても、季節調整を行った数値を発表しているとのことですが、上記の落ち込みの激しさを考慮に入れない数式になっているので、少し回復しても、第四四半期の数値が実態以上によく見える現象がある、という英文記事を読んだことがあります。みんなが楽観気味なので、昨年の第4四半期の数値は少し慎重に見たほうがいいかもしれません。あくまで私見ですけど)


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2012年1月23日月曜日

投資の初心者と投資のプロ

非常にしばしば目にする言葉に「投資の初心者」という言葉があります。
そして、多くの方が、初心者に対し、あれこれ確率的なロジック(アセットアロケーションと称して、投資を幕の内弁当化させてしまうあれ)で、攻め立てます。

(その一方で、「ウォール街のランダムウォーカー」を賞賛する。あの本には株式インデックスが最強と書いてあるのに、債券ファンドを勧める人のロジックが私にはわからない)

しかし、興味深いことに「投資の初心者」の反対側にいる「投資のエキスパート」(または投資のプロ?)と思いますが、その「投資のプロ」はいろんなところで批判されています(アクティブファンドのリターンがさっぱりダメというのはその典型)。

さらに、投資の初心者に親切に解説する人ほど、実際には投資とは無縁(あるいは自分の投資成績を公表しないFPや単なる評論家)の人が多かったりする。

これから投資を始めたいと言う人は、投資を良く知らない人か、あまり良い成績を残していない人、あるいは口だけの「プロ」から「投資とは」を聞いている、そんな感じです。

しかし、実際良く見てみると、「本物の投資のプロ」は様々な失敗を犯しています。その失敗を糧に長期的に相場と対峙していると成功するようです。少なくともある程度長期で継続している人は、それなりに成功している確率が高い(バイアンド・ホールドでもデイトレードでもひとつの自分のあった方法を長期的に実行している人は、比較的よい成績を残しているように思う。単に印象ですが)。

(毎年市場平均に連戦連勝しなければ勝者だと勘違いしないようにしたい。1-0で5連勝するより、0-1で4連敗した後、10-0で1勝すればそれでいいのだと個人的には思う)

私がよく読む投資本では、実際に投資を行っている人か投資アドバイザーとしてよい実績を残している人ばかり(投資でよい実績を残す=比較的強気相場の長かったアメリカ人になりがち)ですが、彼らは大抵、大小様々な失敗を犯します。
逆に、実際に自分でポジションを持っている人の言うことは多少間違っていても、次も参考にしてしまいます。
私もまだ傷口は小さいですが、銘柄の選択ミスやタイミングで結構ミスっています。


最近読んだ本で、「マーケットの魔術師 オーストラリア編」という本があります。そこに出てきた、「ウイザード」の言葉で印象に残ったものをご紹介。



「マーケットで1年過ごすと、すべてがわかったような気になる。でも、2年たつと1年目は何もわかっていなかったことに気づく。そして5年たつと、2年目、3年目、4年目は何もわかっていなかったことに気づく。そして19年たった今、この10年間はほとんど何もわかっていなかったことに気づく。大事なことは学ぶことをやめてはいけないということで、そのためには常に自分の知識の枠組みを押し広げていく努力をすべきです。」
いや~、仕事とまったく同じですね(そりゃ投資を仕事にしている人の感想ですから、当然ですけど・・・)。

個別銘柄の分析、投資スキル、ETFや投信の研究調査、すべてやるからにはそれなりの努力は必要だということでしょうね。私は幸い、銘柄調査は嫌いではないのでそれほど苦になりませんが。

同じ本で読んだ面白かった箇所をもうひとつご紹介。少し長いですがお付き合いを。

「カナダの原住民の部族が、今年の冬はどれぐらい寒くなるのかを部族長に聞きに行きました。まきをどれくらい用意したらいいのか知りたかったのです。部族長は今年はとても寒い冬になるといったので、みんな冬に備えてまきを集め始めました。

翌週、一族はもう一度、寒い冬になるのかどうかを聞きに行くと、部族長はまた、寒くなると思うと答えました。みんなはまた外に出て、さらにまきを集めました。このころ部族長は地元の気象学者に自分の寒くなると思うという感覚が正しいかどうかを聞きにいくことにしました。気象学者は今年の冬はとても寒くなるといいました。

また一週間が過ぎ、冬が近づいてきました。一族は再び部族長のところに行き、三度目の質問をしました。そして、三度目も部族長は寒い冬になると答えました。みんな再びまきを集めに行きました。

そのころ部族長はまた気象学者を訪ねて、どのくらい寒くなるのかと質問しました。

気象学者は観測市場もっとも寒い冬になるのではないかと答えました。部族長は、なぜそれほどまでに断言できるのかと聞くと、答えは『原住民が出来る限りまきを集めようとしているときは、寒い冬になるんです。』」
投資の初心者と投資のプロは紙一重かもしれません。やりきること、信じきることも非常に重要な要素になるかもしれません。


私自身は、(個別株の)投資経験は未だ4年目で、たいした経験もありませんし、失敗を個これからも積み重ねると思います。しかし、失敗から学んで行きたいと思います。

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2012年1月21日土曜日

中国の成長と中国株投資


個人的には中国を一歩引いた目で見ているのですが、先日たまたまクレディスイスの「Global Wealth Report 2011」という冊子を眺めていると、中国人の富の蓄積のスピードに目を見張った。

これがその抜粋ですが、2000年から2010年あるいは2011年のザックリ10年間で約3倍に膨れ上がっています。ちなみにWealthとはクレディスイスの定義では、金融資産+不動産-負債とのことで、個人の純資産に相当するようです。(ちなみに日本はconstant exchange rate ベースで同期間中▲10%)



上記はストックベースの富の話。今度はフローベースでの富の測定を行ってみたところ、何とフローでも直近約10年間で3倍に伸びていました。





上海市のサラリーマン・あるいはウーマン(でいいのかな?)の平均賃金のオフィシャル数値(したがって、非公表の収入等を入れるとこれ以上の可能性が高い)も約3倍、年率約11%で成長しています。
と言う方のブログのデータに上海市統計局の生データを1年足して作成)



いや~、我々の株式投資もこのような「複利効果」を得てみたいものですねえ~
1980年からの31年間は平均14.7%、2000年からでも平均11.7%の「強気相場」。

毎年、自分の給与が10%も増えるって、日本では毎年会社で出世しているような錯覚を覚えてしまいますね。

なんて暢気なことを言っていても仕方がないですが、今後も実質GDP7~8%にインフレ率が4~5%と仮定した場合、やはり賃金も2桁成長すると考えるのが、恐らく過去の先進国の例を取れば妥当なのかもしれません(最近のアメリカはそうでもなさそうだ)。

日経ビジネス「中国ビジネス2011」に掲載されているボストンコンサルティンググループが分析した世帯別所得水準の推移予想においても、2020年には中間層が激増すると言われています(P&Gとかはこのあたりの予測を軸に積極的に新興国展開を行っている)。





そして、仮に元高となればUSドルベースの富の換算額は跳ね上がるかもしれません(が、元高になると名目の富の伸びも抑制されると言うのが日本の円高の教訓なので、そうは簡単に行かないかもしれませんね)。


しかし、過去5年で全く給与が上がらなかった人も23%に上るそうです。



で中国に投資するのか、と言うことですが、保守的な私はなかなか踏み切れないでいる、と言うのが本音です。

1:バブル崩壊説:う~ん、わからん。地方政府が土地使用権を売却してお金を手に入れる「錬金術」がいつまでも続くわけがない。とは思う。いかなるバブルも崩壊前は「今回は別」と言って、別にはならなかった。歴史的に証明されている(オランダチューリップバブルから日本のバブル、アメリカのITバブルと最近の世界的な住宅バブル)。しかし、そんなにレバレッジが大きいわけでもなさそうだし、株価は既に割安圏内。やっぱりわからん。

2:中国企業への理解不足:過去に投資した先(国営と民営の両方)の経験がイマイチ。情報開示が遅すぎたり(中国中鉄:6月過ぎても前年のアニュアルレポートがHPにない)、経営戦略が行き当たりばったりだったりで、何を考えているのか理解できない。何期も連続して平気でウオールストリートの予想を外す(予想屋さんの精度にも問題がないわけではないが、一応中国系アメリカ人アナリストが多かったりする)。

3:おいしい会社は国が大株主なんでしょ?:2に関連しますが、少し前、英豪リオ・ティントという鉱山会社に、すったもんだの末に第三者割当増資を引き受けることに成功した中国アルミという国営上場企業があります。第三者割当の契約にこぎつけたCEOはその後、共産党か政府の要職に「ご栄転」されました。エネルギー・資源確保には手段を選ばないあちらの状況から考えると「お手柄」だったんですね。お国には。けど一般株主にはどうでもいいじゃん。

生命保険会社や医薬品会社はそのマーケット規模・国家政策や経済の成熟ステージから考えて、面白そうな気がしていますが、当面静観予定。HSBCP&Gのように中国でうまくやっている先進国の「株主至上主義企業」へ素直に便乗しています。


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2012年1月15日日曜日

日本経済新聞「日本株は魅力を取り戻せるのか」を読んだ共感と違和感

日本経済新聞の日曜版、「日本株は魅力を取り戻せるのか」を読んでの感想です。

川北京大教授と信越化学の金川会長の回答です。
新聞社は日本株の低迷とその打開策について、日本生命で運用を行っていた元機関投資家の川北教授と、日本企業を代表する企業経営者とも言える金川千尋氏にインタビューを展開。

川北教授の回答趣旨
  1. 日本株の魅力が乏しいのは投資家の責任である。
  2. 理由は有望な個別株を長期で運用するのではなく、ベンチマークとなる株価指数に買ったか負けたかで決まるような投資手法にある。
  3. 投資家の運用成績が短期志向で長期的なものを考えるスタンスに欠けている。3年程度のタイムスパンが必要だ。
  4. 機関投資家の評価体系に原因があるのではないか?
  5. インデックスという平均的なベンチマークよりももっと上を狙う投資手法を実践して欲しい。投資家はもっと有望な銘柄を発掘してある程度の時間軸で投資していくべきだ。
金川会長の回答趣旨
  1. 株価対策に有効なのは業績を伸ばして市場に評価してもらうしかない。
  2. そのためには世界市場で利益を伸ばすべきだ。
  3. 公開企業として、市場の批判や意見を聞くのがよく、非公開化には興味が無い。
  4. 市場が短期的な収益を求めるので、「100年の大計」が進められないという経営者もいるが、ごまかしだと思う。長期的な成果は毎月毎月の積み重ねだ。今がちゃんとできない経営者は先もダメだし、私が投資家でも信用しない。
  5. まず利益という実績を示す必要がある。投資家の信頼を得るのはそれから。
  6. 政府に成長を頼ることは無いが、成長の邪魔をしないで欲しい(法人税の引き下げ)。
感想
信越化学の金川会長の回答にはもう、全面的に共感します。特に

市場が短期的な収益を求めるので、「100年の大計」が進められないという経営者もいるが、ごまかしだと思う。長期的な成果は毎月毎月の積み重ねだ。今がちゃんとできない経営者は先もダメだ

まず利益という実績を示す必要がある

には120%賛成いたしました(赤字や下線は私がつけたものです)。

一方、新聞社の問いかけなど主催者側(および新聞の読み手)の先入観もあるのだろうが、投資家が短期志向になった、「もともと短期志向が強い外国人」というくだりの川北教授のコメントには違和感がある。

(どうもマスコミには投資家が短期的な利益を追いかける層が大半であるかのような前提が多いが、どういった根拠があるのかにはいつも触れられないでいる。結局彼らのヘッドラインがますます投資家を短期思考にさせているように私には見える)

私は長期投資の有効性を外国人から教わっている。日本で一番長期投資を呪文のように唱えている澤上さんでさえ、外国で長期投資を学んで日本で実践している。
そして長期投資に向きそうな株に投資するために国境をあまり意識しないようにしている。金川会長も指摘するように、企業が成長するには海外で稼がなければならないと指摘するのと同じように、私のような個人投資家も高いリターンを得るために海外に打って出ているのだ。

さらに、春山昇華さんのブログで毎月末に公開されている株価の定点観測において、おおむね日本株のPERがアメリカ株のPERを上回っている。日本株のほうがアメリカ株(現時点では上海総合指数の中国株よりも)高く評価されている。

お金のこねた
日本株が魅力的ではないという日経新聞のタイトルやその前提は違和感がある。

たとえばマイクロソフト株は過去5年間、株価で見れば同じレンジを言ったりきたりしているだけだ。PERはたったの10倍に過ぎない。

しかし業績のほうは至って堅調だ。ビルゲイツ氏が在籍していた面影は無いものの、このリーマンショック後、タブレットだスマホだと言われている中にあって、売上高で年平均6%、純利益でも10.5%の2桁成長を維持し、毎年2.8%の株数を自社株買いしていることもあり、EPSは13.6%の成長をなお、維持している。
(よってバリュー株インベスターに人気がある)




日本株だけが魅力的ではないという論拠はどこにも無い。名目株価の減少は利益の減少を表しているではないか?

株式投資で銘柄を重視すべきだ、という意見は、まあ賛成できる(しかし、ケン・フィッシャーの調査や経験では銘柄選択よりもセクター選択のほうがより重要だ、という意見もある。バフェットも完璧な銘柄選択が出来たわけでもないし、常にインデックスを上回ったわけでもない)。

しかし、川北氏が挙げた銘柄はコマツやユニ・チャームという機関投資家なら誰でも保有していそうな銘柄で、目新しくも何も無いけど・・・。

日本株に(従来のような)魅力が無い前提はもう少し定量的に考えてみてもいいような気がします。
グロービスMBAコースの「クリティカル・シンキング」ですね。隠れた前提条件とかいう項目があったような気がする。

私の昔のブログ記事で、ざっくりとした簡易な事実を紹介しています。

ニッポン株式会社と株式相場


結局は金川会長のおっしゃる、利益を伸ばすことが株価対策で、政府は余計な邪魔をするな、というのが本論だと思います。
(補助金頼みの業界の明日は・・・)

一方、川北氏のロジックは、1:日本株の低迷は投資家の責任、2:短期的な思考が邪魔をする。そのような思考は外国人の仕業 ということであれば、日本株の低迷は外国人投資家に責任がある、という三段論法が成立しないか?

バブル崩壊後、日本株の外国人持ち株比率は上昇しているので、マクロ的な株主構成変化とまったく論が合わない、と個人的には思う。新聞社の編集が悪いのか、本人が気づいていないのか???

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2012年1月11日水曜日

投資目的について

資産運用に目的を持つことは重要だと思います。何気なく運用しているとしたら、早急に目的を持ったほうがよいと思います。その方が運用を効率的・効果的に出来ると思われるからです

なぜ運用するのか? 答えは各人様々だと思います。1億円を作って悠々自適(1億円で「悠々自適」と言い切れるかやや微妙だが、贅沢しなければやっていけそう)なライフを送るためでも何でもいいと思う。

ちなみに私は定年後のセカンド年金のイメージです。

目的が決まると、目標もおのずから決まってくるのではないでしょうか?
(いくらぐらい必要か、時間軸はどれぐらい必要かとか)

目標が決まると、どうやって達成するのかという戦略を構築する必要があるのではないでしょうか?
(自分の場合、長期保有で配当を積み上げていくのが目的に一番合致するし、性格や時間的制約にもマッチする。ちなみに戦略とは、読んで字のごとく戦いを略するということで、力を何かに集約させることで最大限の効果を引き出させるための方法。そのための選択と集中であると個人的には考えます)

戦略が決まると、具体的にどうやって攻めるのかという戦術・施策が決まります。
(長期でもブレない配当方針を実行できる企業に分散を考えて投資)

戦術・施策が決まると、具体的なアクションが決まります。
(安い時に、決めた株を買うだけ。もっとも売ることもありますけど)

後はやるのみです。

これを行うことで、ブレない軸が出来て、投資に一貫性が出来てきます。

更に重要なことは、「継続は力なり」(昔お世話になった「進研ゼミ」の合言葉)ということで、どっしり長期に構えて継続していくことだと思います。これは私も実践中。「出来るまでやる」ことは大事ですね。

ただし、ダメなまま継続してもダメなので、これまでの投資の問題点・改善点を検証する機会も定期的に設けた方がいいかもしれません。

しっかりした戦略を構築するためには、それなりのリテラシーが必要になります。そもそも株式投資でいくらぐらいリターンが見込めるのかとか、どのような投資手段があるのかとかなど「正しい知識」(これは容易ではない。いろんなことをいろんな人が発言したり、出版したりしている。誰の言っていることが妥当なのかを見極める目も必要)を持っておくことは重要だと思います。

つまり、
目的→目標→戦略→施策(アクションプラン)→実行→Check

何のことはない企業の経営計画策定の道筋と同じことを行えばいいこの一連の作業には自己分析が必要になります(自分は何のためにお金を増やすのか、何が向いているとか、何が出来そうだ、とか将来はどういった機会があってリスクがあるのかとか包括的に考える、自己SWOT分析など)。
企業も自社の分析を行うでしょ(自己分析の場合、分析結果が客観的か否かには議論がある)。

しっかりした経営目的、経営戦略、一貫性のある主張や株主還元のある企業を皆さんも支持しているでしょう? (そういった企業こそ、持続性ある成長をしているはず)投資家も企業経営者から、投資について学ぶことがあると思います。

経営計画というと難しいかもしれませんが、Plan → Do See) →Check と言えばすんなり来るでしょう。

私は何回と転職を繰り返しましたので、似たような分析作業を繰り返し行ったので言えるのかもしれません。自己分析と目的・目標がはっきりしないと、面接では耐えられませんから。
また、企業の経営計画の作成支援するときも、同じようなフレームワークで行っていました。

虎の子の資金を運用するので、うまくやったほうがいいでしょうし、ポートフォリオ運営も企業経営と同じような気がしますし、学べるところは学んだほうが、いいでしょう、という話でした。

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2012年1月9日月曜日

2012年の投資計画

結論から言えば、2011年と基本は同じです。

受取配当金(税引き後は全額再投資予定)+追加資金=年間予算額

追加資金は2011年と同水準。従いまして、たくさん投資したければ配当で稼げ、ということですね。

ちょっと理想が混じっていますが、こんなイメージ



矢印の広さが投資予算の大きさになります。今のところインフレとかは考えていませんので、インフレになるとその分全体に上方修正になると思います(多分)。ただし2013年は源泉徴収税が20%(それと復興税)に復活する見通しですので、12年比微減になると思います。

受取配当金が年間予算額に占める割合は30%近くになっているので、配当金も大きな戦力になってきました。「順調に行けば」、15年後ぐらいには受け取り配当金>追加資金になる算段です。

家計をケチケチリストラして、この追加資金分は確保したいと思います。

銀行口座等から自動引き落としでインデックスを行う方を自動車にたとえるならば、「オートマ型積み立て投資」 というならば、私のやっていることは、「マニュアル型の積み立て投資」、といえるかもしれません。
投資タイミングや投資対象を自分で選択していますが、原理的には積み立て投資ですね。

正確に言うと、DRIP(配当金自動再投資)を設定している資産額が30%弱あります。その部分は「セミオートマ」型といえるかもしれません。もっともDRIPでは追加資金はゼロですが。

上記の図のとおり、年数を重ねると、年間投資予算の大半を配当が賄ってくれます。定年退職したときに、追加資金分が消滅し、配当部分は再投資から消費に変わるだけです。

積み立てた資産を取り崩す必然性は(大病でも患わない限り)不要です。むしろ、取り崩すと配当が減ってしまいます。
(老後に積み上げた資産を取り崩そうという従来のFPアドバイスとはこの点が根本的に違います)

この間、リーマンショックのような大きな金融危機がまたあれば、新規資金をプラスアルファすることはありえると思いますが、長期計画は基本的にマイペースです。


予想受取配当金増加率(税前)
昨年の+32.2%は出来過ぎで、今年は11%~16%程度の増加を目指す予定です。
ザックリ計算すると

1;予想される増減配で   4%~6% (各銘柄を予想し積上げ)
2;受取配当金の再投資で 2%~3% (配当利回り3%程度の計算)
3;新規資金での新株購入 6%~8% (配当利回り2%~3%程度)
4;為替の影響(円高)   ▲1%~▲2% (3%程度の円高によりドル配当の目減り)

指数の2012年の着地は146153を予想。

配当金の増加部分の約半分は1;増配と2;受取配当金の再投資によるもの、というのが当面のパターンになると思います。追加資金ゼロで年間10%~15%程度の配当増加となるのが理想ですが、この低金利、景気低迷ではかなりしんどいですね(5年~7年で配当金が倍増するペース)。

一応、受け取り配当金総額のLong Termの年率増加予想は10%としています(減る年もあるでしょう)。

ちなみに4;は今年一年間で3%の円高が進行する、と考えているわけではありません。確か学者さんの調査ではニクソンショック以降の円高の進行率を単純に年率換算した場合、ざっくり3%であったことと、この20年程度の日米の長期金利の差も3%弱だったことなどを勘案して、毎年2.5%~3%の円高を覚悟しながら、予想を立てているだけです(今年は1月から円高が加速していますねえ。大丈夫かな?)。

また、現時点でのドル以外の投資対象は現状考えていません(USD建のADRを経由する多国籍株式は考えている)。

肝心の総資産の増加予想は、これはもうプロ野球の優勝予想並の正解確率でして、インデックス(ドルベースのS&P500を想定)を1%でも2%でも上回ること、としておきましょう。理想は追加資金なしベースで+10%です。
10%には根拠はまったく無く、単なる願望です。

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2012年1月7日土曜日

2011年末のポートフォリオ

Top10Holdings 



まず、全27銘柄中、上位10社で61.5%と比較的集中しているのでは?と思います。

最大の特徴は、たばこ会社がPFには3社ありますが、3社(PMMOJT;世界の上場たばこ会社の1位、3位、5位)ともTop10にランクインしており、3社合計で22.2%を占めることです。これを回避すべく、いろんな銘柄に分散していますが、2011年はたばこのようなディフェンシブ銘柄が大幅に上昇しているため、ほとんど買わなかったにもかかわらずPF全体に占める割合は116月末の20%から上昇してしまいました。

引き続きPMが首位。DRIPで数株増加した以外はホールド状態でしたが、株価が30%以上上がったので、PFに占める割合が増加してしまいました。

IBMは昨年、1株も保有していませんでしたが、一気に2位。PMとツートップを形成しています。1位、2位で全体の21%を占めています。この2社の株価がPFのパフォーマンスに影響します。

DOW2010年末時点では、PMとほぼ同じぐらいのウエイトでしたが、2011年末では倍以上の差がついてしまいました。

FordDOWと同じ運命となりました。

REIT-ETFも株価は値下がりしたのですが、フォード、ダウケミカルはもっと暴落して、結局4位のまま。

日本株はどうしても単位株を意識してしまい、楽天では10株、Firstradeだと1株でも買える米国株のほうが柔軟性をもって売買しやすい。

セクター配分



昨年の後半ごろからセクター分散にMSCIインデックスの配分を意識(投信は売却しましたが)。REITはとりあえずFinancial扱いとしてバランスを見ることにしました。最寄品(Consumer Staples)がどうしても大きくなる。
資源・エネルギーは現在Chevron1社なので、もう少し買い増すつもり。日本の総合商社を買うのだったら、BHPビリトンとローソンに分けて買った方がいいと思っている(商社はレバレッジが大きい。レバレッジは配当の敵と考えている)。


PFの上位銘柄は昨年大きく株価が上昇していますので、今年はそれほど期待できそうに無いなあ。

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