非常にしばしば目にする言葉に「投資の初心者」という言葉があります。
そして、多くの方が、初心者に対し、あれこれ確率的なロジック(アセットアロケーションと称して、投資を幕の内弁当化させてしまうあれ)で、攻め立てます。
(その一方で、「ウォール街のランダムウォーカー」を賞賛する。あの本には株式インデックスが最強と書いてあるのに、債券ファンドを勧める人のロジックが私にはわからない)
しかし、興味深いことに「投資の初心者」の反対側にいる「投資のエキスパート」(または投資のプロ?)と思いますが、その「投資のプロ」はいろんなところで批判されています(アクティブファンドのリターンがさっぱりダメというのはその典型)。
さらに、投資の初心者に親切に解説する人ほど、実際には投資とは無縁(あるいは自分の投資成績を公表しないFPや単なる評論家)の人が多かったりする。
これから投資を始めたいと言う人は、投資を良く知らない人か、あまり良い成績を残していない人、あるいは口だけの「プロ」から「投資とは」を聞いている、そんな感じです。
しかし、実際良く見てみると、「本物の投資のプロ」は様々な失敗を犯しています。その失敗を糧に長期的に相場と対峙していると成功するようです。少なくともある程度長期で継続している人は、それなりに成功している確率が高い(バイアンド・ホールドでもデイトレードでもひとつの自分のあった方法を長期的に実行している人は、比較的よい成績を残しているように思う。単に印象ですが)。
(毎年市場平均に連戦連勝しなければ勝者だと勘違いしないようにしたい。1-0で5連勝するより、0-1で4連敗した後、10-0で1勝すればそれでいいのだと個人的には思う)
私がよく読む投資本では、実際に投資を行っている人か投資アドバイザーとしてよい実績を残している人ばかり(投資でよい実績を残す=比較的強気相場の長かったアメリカ人になりがち)ですが、彼らは大抵、大小様々な失敗を犯します。
逆に、実際に自分でポジションを持っている人の言うことは多少間違っていても、次も参考にしてしまいます。
私もまだ傷口は小さいですが、銘柄の選択ミスやタイミングで結構ミスっています。
最近読んだ本で、「マーケットの魔術師 オーストラリア編」という本があります。そこに出てきた、「ウイザード」の言葉で印象に残ったものをご紹介。
「マーケットで1年過ごすと、すべてがわかったような気になる。でも、2年たつと1年目は何もわかっていなかったことに気づく。そして5年たつと、2年目、3年目、4年目は何もわかっていなかったことに気づく。そして19年たった今、この10年間はほとんど何もわかっていなかったことに気づく。大事なことは学ぶことをやめてはいけないということで、そのためには常に自分の知識の枠組みを押し広げていく努力をすべきです。」
いや~、仕事とまったく同じですね(そりゃ投資を仕事にしている人の感想ですから、当然ですけど・・・)。
個別銘柄の分析、投資スキル、ETFや投信の研究調査、すべてやるからにはそれなりの努力は必要だということでしょうね。私は幸い、銘柄調査は嫌いではないのでそれほど苦になりませんが。
同じ本で読んだ面白かった箇所をもうひとつご紹介。少し長いですがお付き合いを。
「カナダの原住民の部族が、今年の冬はどれぐらい寒くなるのかを部族長に聞きに行きました。まきをどれくらい用意したらいいのか知りたかったのです。部族長は今年はとても寒い冬になるといったので、みんな冬に備えてまきを集め始めました。翌週、一族はもう一度、寒い冬になるのかどうかを聞きに行くと、部族長はまた、寒くなると思うと答えました。みんなはまた外に出て、さらにまきを集めました。このころ部族長は地元の気象学者に自分の寒くなると思うという感覚が正しいかどうかを聞きにいくことにしました。気象学者は今年の冬はとても寒くなるといいました。また一週間が過ぎ、冬が近づいてきました。一族は再び部族長のところに行き、三度目の質問をしました。そして、三度目も部族長は寒い冬になると答えました。みんな再びまきを集めに行きました。そのころ部族長はまた気象学者を訪ねて、どのくらい寒くなるのかと質問しました。気象学者は観測市場もっとも寒い冬になるのではないかと答えました。部族長は、なぜそれほどまでに断言できるのかと聞くと、答えは『原住民が出来る限りまきを集めようとしているときは、寒い冬になるんです。』」
投資の初心者と投資のプロは紙一重かもしれません。やりきること、信じきることも非常に重要な要素になるかもしれません。
私自身は、(個別株の)投資経験は未だ4年目で、たいした経験もありませんし、失敗を個これからも積み重ねると思います。しかし、失敗から学んで行きたいと思います。
確かに!
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