2014年12月27日土曜日

12月の投資状況


1日早いですが、これにて締めさせていただきます。

今月、原油価格の暴落で、もっとも被害を受けたのは、JT・日本たばこ産業株だったりして。ロシアでたばこシェアトップのJTはルーブル安の影響を受けると懸念されて株価は暴落してしまいました。それが全体のPFの足を引っ張った可能性があります。

JTの社長もルーブル安の影響を認めています(注:タバコのルーブル建ての売上高・利益を心配しているのではなく、為替による会計上の業績を懸念していますので悪しからず)。


(注:この記事はロシアでのたばこ市場の減少を懸念していますが、それはロシア政府の政策的な禁煙対策によるもので、たばこの出荷量が減っても、たばこを値上げしますので、最終利益はむしろ増えるというのがたばこ会社の収益構造であることを知らないのだと思います。小泉社長は為替による悪影響にしか言及していませんよね)

さて、アメリカは第三四半期のGDP+5%とエンジン全開モードに入ってきましたね。しかし、長期金利は2.25%でインフレも全然懸念がなく、なんか変な感じがします。もうQEが終わったんですけど。

シェール革命による原油・天然ガスの輸入減少(貿易収支の改善)、欧州の投資家の米国債買い(自分の国の国債より「高利回り」)などが考えられます。
米ドルは、昨年末より12%も上昇しました。

そして日本。しっかりと事実を計量的に分析しているエコノミストの論文などでは、ゆっくりとジワジワと景気回復の芽が出ていますね。中間層の実質賃金の上昇は後なんですよ。今は雇用のすそ野が広がって、失業率の減少が先なんですね。これ以上安い賃金で働き手がいなくなれば賃上げというのが一般的。

アメリカでは、雇用統計の発表時に、失業率と雇用の増減が注目されますが、よく聞いていると、残業時間や賃金の増減なども分析されていて、それによって、景気の将来動向を予想するようなことが「普通に」行われています(CNBCを聞いていればこんな話ばっかり)。

自分のPFですが、S&P50013+ドル高円安14.5+配当?=約30% と説明できるでしょうか? 実際には米国株が7.8%とダウ平均よりも悪く、日本株は+23%とTOPIXに圧勝という意外な結果でした。

米国株は個別銘柄の直撃弾が多すぎました(PMIBMCVXFordHSBC等)。

今月の売買
売り:なし
買い:MasterCardMA) 買い増し。10月の調整時期に買いそびれた分を12月の中ごろに買いました。ちょっと割高圏内のような気もしますが。

配当関係


月初に、Kinder Morganの合併関係の処理(KMRの株がKMIに交換される)が実施された関係上、KMIの新規購入、KMRの売却という形で処理しています。
したがって、今月もアップ要因は円安という事になります。これで月10万ちょっとの配当になります。

今月の増配

Enbridge Inc +33
キヤノン   +23% (65→85円) 正確には期末配当だけ85円に引き上げると発表されていますが、計算上は来期の中間配当も85円になるとみなしています。

両社ともちょっと予想外でしたね。増配率が。

Enbridgeは配当性向も引き上げました。カナダの資産を同社のインカムファンド(カナダ版MLPのようなものと理解)に“Drop Down”していくそうなので、将来予定していた増資額を抑制できるのだそうです。すなわち希薄化しない分配当に回す、というような解釈をしています。

KMIが株式会社形態一本で勝負する、と言って株価が上がったことに対抗したのかな?
キヤノンは、正直来年売却を考えていましたが、こうも配当を引き上げられると、後ろ髪をひかれる思いになりますね。1単元だし、持っておこうかな。


今年はこれが最後です。来年も引き続き、よろしくお願いいたします。

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2014年12月23日火曜日

原油相場の暴落とエネルギー株投資、Chevron(CVX)の過去株価推移

原油相場が暴落し、私の保有するCVXは確実にIBMとともに今年の、「ダウの負け犬」候補となるいでしょう。
さて、では実際に、過去の原油価格の暴落と石油株の関係を同社の例で見てみましょう。
CVXの株価長期推移 

これは名目株価の推移です。Yahoo! Financeで取れる197011日から20141222日までの日足です。197011日が今の株式分割を考慮した株価で0.66ドルだったのが、約44年で112.03ドル、169倍になっています(スゲー)。IRR計算をざっくりやったら、12%になった(計算あっているかな?)。S&P500は大体78%なんですけど。

ただ株価は名目株価でみるより、対数目盛で見るのが正しい。

対数目盛で見ると、オイルショック(75)やブラックマンデー(88)、ITバブル(02)、リーマンショック(09)などの下落がおおむね同じようなインパクトを残しているのがわかりますね。

一方の原油価格の推移
原油価格の推移のデータは1983年ごろからしかなく、まずは石油連盟のHPから拝借したヒストリカルデータをご覧ください。

これを見ると(これも名目原油価格チャートなので、ボラティリティがものすごい)、原油価格が暴落したのは1986年ごろ、1997年から98年のアジア経済危機、ITバブル崩壊後から同時多発テロの頃、リーマンショックとなっています。
この時点のCVXの株価とWTI先物1ヶ月ベースの推移を見てみましょう。何か今後の手がかりがつかめるかも?

1986年に原油価格は急落しています。株価は1986年夏ごろ下落しています。正確には原油価格は、1986110日の31.04ドルから、1986828日の10.77ドルまで、一気に3分の1に下落しました(日本はこの下落に加え、プラザ合意で円高だったので、原油輸入が思いっきり楽になったんだなあ。それがバブルの導火線に・・・)。

この間CVXの株価は、ほぼ3ドル台で推移していました(ただし、同年6月に3.55を付けて、715日に2.97ドルへと約17%下落しました)。
この5年間はむしろ、ブラックマンデーの影響の方が大きかったようです。一方の原油はブラックマンデーとはあまり関係がなかったように見えますね。
その後、湾岸戦争勃発で、原油価格は急騰しました。CVXの株価は5年トータルで見たら、3倍以上に上昇しています!!
次に1995年~1999年のCVXWTIの推移です。この5年間はアジア通貨危機が大きなイベントとしてありました。

原油価格は1997年に始まったアジア通貨危機の頃から1999年まで一貫して下がっています。
971月の高値26ドル台から、991月に10.6ドルまで下落しました。ドル高もあった時期。今に結構似ているといわれる。

この間CVXの株価は14ドル台から22ドルへと堅調に推移しています。ただし98年の12月に25.27ドルを付けて、99年の2月~3月にかけて22.3ドル程度に14%程度下落しています。
5年トータルで見ると、CVXの株価は11.51から26.17ドルへと2.3倍になりました。


リーマンショックの時です。この時はさすがにCVXの株価も、2008年の5月に82.1ドルを頂点に、0933日に47.43ドルと80%も下落しました。
CVXの株価はこの5年でも36.71ドルから80.3ドルへと2.2倍になりました。

今回は、20145月に122.97ドルを付けました。WTI100ドル台でした。12月に一時101ドル台まで下げましたが、年末なので、空売り屋さんのポジション調整もあって、112ドルまで回復しているようです。


今後はどうなるのだろう?
今までの株価とWTIの推移を見る限り、じっくり構えていてよさそうな気が、個人的にはしています。


たまたま大きな原油下落イベントのあった前後5年間をとってみたら、CVXの株価は倍増していますね。年率12%で上昇していたら6年で2倍になる計算ですので、まあ、そんな感じかもしれません。ただ、肝心な現時点ではその勢いが落ちているのは否めません。もちろん、5年を2009年ごろを起点とすれば、既に達成していますが・・・。

ちなみに増配は、連続27年だったと思いますので、1987年ごろから増配更新中という事になると思います。まあ、当面増配はイケそうです。ただし、8%~10%ではなく、5%ぐらいに下がりそうですが。。。

原油相場が半値になることなんて、結構歴史的にはあるじゃないか。

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