原油相場が暴落し、私の保有するCVXは確実にIBMとともに今年の、「ダウの負け犬」候補となるいでしょう。
さて、では実際に、過去の原油価格の暴落と石油株の関係を同社の例で見てみましょう。
CVXの株価長期推移
これは名目株価の推移です。Yahoo! Financeで取れる1970年1月1日から2014年12月22日までの日足です。1970年1月1日が今の株式分割を考慮した株価で0.66ドルだったのが、約44年で112.03ドル、169倍になっています(スゲー)。IRR計算をざっくりやったら、12%になった(計算あっているかな?)。S&P500は大体7~8%なんですけど。
ただ株価は名目株価でみるより、対数目盛で見るのが正しい。
対数目盛で見ると、オイルショック(75)やブラックマンデー(88)、ITバブル(02)、リーマンショック(09)などの下落がおおむね同じようなインパクトを残しているのがわかりますね。
一方の原油価格の推移
原油価格の推移のデータは1983年ごろからしかなく、まずは石油連盟のHPから拝借したヒストリカルデータをご覧ください。
これを見ると(これも名目原油価格チャートなので、ボラティリティがものすごい)、原油価格が暴落したのは1986年ごろ、1997年から98年のアジア経済危機、ITバブル崩壊後から同時多発テロの頃、リーマンショックとなっています。
この時点のCVXの株価とWTI先物1ヶ月ベースの推移を見てみましょう。何か今後の手がかりがつかめるかも?
1986年に原油価格は急落しています。株価は1986年夏ごろ下落しています。正確には原油価格は、1986年1月10日の31.04ドルから、1986年8月28日の10.77ドルまで、一気に3分の1に下落しました(日本はこの下落に加え、プラザ合意で円高だったので、原油輸入が思いっきり楽になったんだなあ。それがバブルの導火線に・・・)。
この間CVXの株価は、ほぼ3ドル台で推移していました(ただし、同年6月に3.55を付けて、7月15日に2.97ドルへと約17%下落しました)。
この5年間はむしろ、ブラックマンデーの影響の方が大きかったようです。一方の原油はブラックマンデーとはあまり関係がなかったように見えますね。
その後、湾岸戦争勃発で、原油価格は急騰しました。CVXの株価は5年トータルで見たら、3倍以上に上昇しています!!
次に1995年~1999年のCVXとWTIの推移です。この5年間はアジア通貨危機が大きなイベントとしてありました。
原油価格は1997年に始まったアジア通貨危機の頃から1999年まで一貫して下がっています。
97年1月の高値26ドル台から、99年1月に10.6ドルまで下落しました。ドル高もあった時期。今に結構似ているといわれる。
この間CVXの株価は14ドル台から22ドルへと堅調に推移しています。ただし98年の12月に25.27ドルを付けて、99年の2月~3月にかけて22.3ドル程度に14%程度下落しています。
5年トータルで見ると、CVXの株価は11.51から26.17ドルへと2.3倍になりました。
リーマンショックの時です。この時はさすがにCVXの株価も、2008年の5月に82.1ドルを頂点に、09年3月3日に47.43ドルと80%も下落しました。
CVXの株価はこの5年でも36.71ドルから80.3ドルへと2.2倍になりました。
今回は、2014年5月に122.97ドルを付けました。WTIは100ドル台でした。12月に一時101ドル台まで下げましたが、年末なので、空売り屋さんのポジション調整もあって、112ドルまで回復しているようです。
今後はどうなるのだろう?
今までの株価とWTIの推移を見る限り、じっくり構えていてよさそうな気が、個人的にはしています。
たまたま大きな原油下落イベントのあった前後5年間をとってみたら、CVXの株価は倍増していますね。年率12%で上昇していたら6年で2倍になる計算ですので、まあ、そんな感じかもしれません。ただ、肝心な現時点ではその勢いが落ちているのは否めません。もちろん、5年を2009年ごろを起点とすれば、既に達成していますが・・・。
ちなみに増配は、連続27年だったと思いますので、1987年ごろから増配更新中という事になると思います。まあ、当面増配はイケそうです。ただし、8%~10%ではなく、5%ぐらいに下がりそうですが。。。
原油相場が半値になることなんて、結構歴史的にはあるじゃないか。
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