外国株は難しい、ということをしばし耳にします。もちろん外国株といっても中国株もベトナム株もロシア株も南アフリカ株も外国株なので、ひとくくりに言えない部分があります。
私も経験上、少しの英国株、カナダ株以外はアメリカ株で、英国・カナダも基本、アングロサクソンなので、アメリカ株しか経験が無い、と言ってもよいかも知れません(中国株は2社ほど投資したことがあるが、イマイチだったので撤退して、それ以降はない)。
したがって、メインではアメリカ株が難しいのか? という点に絞って私見を言わせていただきたいと思います。
結論は、長期投資を考えた場合、多分、少なくとも日本株よりは易しいと思います。現在のバリュエーションなら、IBMやマクドナルド株を10年持てば、損する確率は極めて小さいのではないか、と思います。(個人的には7年で株価が倍ぐらいを期待しています。年率計算すれば10%程度)
なぜならば、
1. 国の経済運営が株価をかなり意識していること
2. 経営者も株価を引き上げること(株主還元を含む)に執着していること。短期的な利益と長期的な企業価値をバランスよく考えているように思う(勿論全社ではない)。
3. 企業の経営戦略もシンプルで分かりやすいし、経営者の変化への対応も早い。
4. 世界(先進国)で一番とは言いませんが、株式市場は効率的に運営されていること(私見では英国が一番ではないか)。
5. 投資家の層が厚いこと(効率的と裏腹になりますが)。バフェットを始めカリスマ投資家の存在。日本だとケイレツ系の投信会社とかが主流では?
6. そして何より、長期投資Buy & Holdに適した企業がゴロゴロしていること(リーマンショックを経て、バリュエーション的に少なくとも10年程度は保有しても大丈夫だと思う)。
7. したがって、株価は右肩上がりになりやすい素地がある上に、事実、現地通貨ベースでは、(10年~15年程度の踊り場があるとはいえ)株価は歴史的に右肩上がりです。ご存じの通りダウ平均は史上最高値で推移していますね。
8. こういった下地があり、株式情報が非常に発達している(情報の質はまだらですけどね)こと。
アメリカでもバブルがあったし、株価崩壊もあったじゃないか?という意見。確かに。しかし、あの国は歴史から学ぶ面は日本より多いと思います。金融政策は過去失敗を繰り返していますが、都度軌道修正をして、今日に至っていますので、日本の官僚組織の無誤謬などはあまりなく、日本よりはずっと信頼できると思う。
そして何より、個別のアメリカ企業の経営状態は相対的に健全で、持続的な成長(注:一株利益を指す)をずっと遂げています。これが根本的に株価の上昇要因となっていることを是非理解してください。良い企業、良い市場、良い金融政策、これがアメリカ株投資は難しくない、という根っこにあります(注:「良い」という言葉は比較感、相対的なものです)。
日本株より難しい、あるいは不利な点
1. ある程度英語力が必要(なくても出来るが、あった方が良いに決まっている)
2. 相場の時間が日本と真逆であること(夜にトレードしなければならない)
3. 手数料が高いこと(マネックス証券辺りだとかなり安い)
4. 為替リスクがあること
でしょうか。
ネガティブな要素のうち、英語力は、多分、日本の大学を卒業されていれば、基本は問題が無いはずだと思います。語彙力は都度ビルドアップしていけばいいと思う。ヒアリングは出来るに越したことはないが、リーディングで十分カバーできる。しゃべる必要性は皆無と言っていいと思う。
大企業なら、日本法人のHPでは、日本語で決算の和訳がアップされているケースが多い。
大半の人は、(いまさら)英語で株をやる、というめんどうくささがもっともアメリカ株を避ける要因のように思います。
夜のトレードである点は、長期を前提とすれば、指値した後は寝るだけだと思いますので、あまり問題ないのかな、と思います。文字通り、寝ている間に資産が増えます(当然減ることもある)。
為替リスクは日本企業に投資しても同じことでしょう、結局。私は今回、米株の上昇率の方が円高の進行率よりも高かったので、全体ではプラスで推移していました。一方、TOPIXや日経平均は沈みっぱなしでしたね。急激な円高になって、企業財務に与える影響にニュートラルになるまで2年~3年はかかるので、日本株の方が被害は大きそうですね。
ポジティブ、ネガティブ以上に、何のために株式投資をしているのか、という根っこのところを考えたうえで、こんな人にはアメリカ株の方が有利と思う点を。
1. 持続的に成長する企業に長期でどっしり投資したい(Dow30種やS&P500の上位企業等ブルーチップ)
2. 財務が完璧に近い企業(つまりいい会社)に投資したい(やはりブルーチップ)
3. やっぱり勝ち馬に乗りたい(これはグーグルやアップルといったテクノロジー系も含まれる)
4. これから世界を制覇しそうな企業への成長株投資(かつてのマイクロソフトや現在のFaceBookのイメージ)
5. グローバルな目線で考える習慣を身につけたい(注:アングロサクソンが世界経済を牛耳っているという事実)
6. 株に投資する以上、経営者は株主の方を向いてくれなきゃいやという人(配偶者からは常にアイラブユーを言ってほしいと思っているような人。この感覚、非常に重要だと思います。)
こんなことを思って株式投資をしたい人は、そこにはターゲットとする会社がゴロゴロしています。
電機や自動車の部品・部材を作る企業は優秀な会社が多いのが日本の特徴だが、アップルの営業利益率は30%もあるのに、その下請けで何か作って、営業利益率5%前後に終わって、「日本の技術が無ければiPhoneは作れないんだぞ」と言ってみてもやっぱりさびしい。
株式投資の中心地がアメリカであり、投資マネーを動かすファンドマネージャーの数と運用資産総額は圧倒的に英米人が牛耳っていると思いますので、その論理で株式投資をやった方が楽でしょう。
立川です。
返信削除gonchanさんのパクリで資産の5%位を米国株に投入していますが、英語に弱い私でも1.2.6.はその通りだなと感じます。もう少し金額を引き上げてウェイトを高くしようと検討中です。
是非ウエイトを引き上げてください!!
削除こんにちは!初めましてm(_ _)m
返信削除いつもブログの更新を楽しみにしています!投資を始めたばかりの28才です。
最初投資を始めた時より『株や投資する会社』について掘り下げて考える様になりました☆まだまだ、まだまだ、まだまだ…ですが(^-^;
オススメされている本も熟読します( ´艸`)
これからもブログ楽しみにしてます!
☆沙羅☆
コメントありがとうございます。
削除もし、私が28歳の時(1996年)にマクドナルド株を買っていると、ドルベースで株価が4倍になっています(円ベースだと3.8倍程度。別途配当は5倍以上になっているはず)。そのぐらいで株式投資の面白さに気づけばよかったと思ったりもします。
よくご存じの会社から調べられることをお勧めします。ダウ平均採用銘柄の企業は実はよく見なれた商品や企業名のはずですよ。
gonchan0810様
削除返信ありがとうございます!本当に初心者も初心者ですので、アドバイスしていただけて、とても嬉しいです!☆
これからもブログ楽しみにしてます!勉強させて頂きます☆彡
☆沙羅☆
はじめまして、こんにちは
返信削除カズです。
確かに米国株は魅力的なのですが、投資に自信がない僕としては株式るいとうみたいに小額からドルコスト平均法を利用して投資出来ると心理的に投資し易いのですがそんなサービスはないですよね?
ちなみにセブン銀行、ピジョン、P&Gは僕も保有しています。
カズさん、こんにちは。はじめまして。
削除るいとうの米国株版についての知識は持ち合わせておりませんが、
米国株の場合、あっちの証券会社ですと、1株から買えるようになっています(Firstradeなど)。1株30ドル台の株を3株だけ買うとかが可能。
私は全体の1/4程をFirstradeで配当金自動再投資で投資しています。その場合なら、配当で勝手に同じ企業の株を買い付けますので、ドルコスト的に投資していることになるはずです。PM、JNJ、CVX等はこれで文字通りほったらかしにしています。
日本の場合、楽天証券では米国株は最低10株単位のはずです(Googleでも安値株でも10株ってのが融通利かないのですが)。
つまり、日本株より投資がしやすいはずです。
溜まった配当でまた株を自分で選んで買っています。
日本株だと、単位株で買うと100株で50万円ぐらい必要となってしまったりするケースもありますが、あちらではその概念はありません。
但し少し手数用が割高にはなります。
カズさん、こんばんは。
削除米国株のるいとうといえば、DSPP+DRIPの組み合わせになりますね。
一例ですが、
http://www.pg.com/en_US/investors/investing_in_pg/sip.shtml
あたりを参照・研究されては如何かと思います。
ただ、日本人でこの投資方法を実践されている方はそう多くないと思います。事例を集めるのが難しいかもしれません。(何年か前の日経ヴェリタスで取り上げられたのを見た記憶がありますが)
私も投資を始めた2000年あたりは一生懸命調べていましたが、何らかの送金手段が必要になることもあって数銘柄(しかも小額)を投資するにとどまっています。
それでは。
とても参考にないました。
削除ありがとうございます。
自分にあった方法で米国株投資を続けていきたいと思います。
また、なにかあったら質問させて下さい
よろしくお願いします。
はじめまして。
返信削除shoと申します。
私は9年前にNIKEを買って今でも保有しています。
当時のたった10万円分ですが・・・。
でも、その当時は配当に全く関心がなく、成長株という位置付けでこれはずっと持っておこうと思っていました。
最近、貴ブログをはじめとした米国株配当の高さ及び増配や自社株買いでEPSを上げていくことが当たり前の環境であることにようやく気付きました・・・。
これは長期間の投資が報われることを意味していますし、事実もそうであることが日本に比べて圧倒的に多いですね。
ということでここにきて思い切って日本株の多くを売って日米の比率を逆転させています。
アメリカもイケイケでなかなか買いにくいですが、個別で見ると適正価格で留まっているものが多いので、よっぽどの高値ではない限り時間が解決してくれものと思っています。
できるだけひきつけてはいますけどね。特に今日は楽しみです。
shoさん、コメントありがとうございます。
削除私もNIKE株が欲しいのですが、欲張りで株価がもう少し下がってから、と思いながら買いそびれている状態です。
今後ともよろしくお願いします。
いつも、勉強させてもらっています。価値あるブログです。
返信削除私も外国株支持派ではありますが、少々 楽観的過ぎるのではないでしょうか。
確かに、アメリカの方が、株式市場を重視して、右肩上がりを作るように努めていますが、切るときは切る、ダウ構成銘柄も 驚くほど入れ替わっていますし、
GMなどは、一回 紙切れになっています。ダウ平均株価やS&P500の
インデックスファンドをずーと盲目買いするならば、問題ありませんが、
個別銘柄で行く場合、DIVIDEND 様ほどの慧眼がない場合は、
そう簡単でもないでしょう。
また、個別銘柄では、突然のショックで、-10%値下がりすることもあります。
もっとも、
だめな企業は切って、グーグル、アップルなどの新興企業を伸ばすのが、
アメリカ市場全体のダイナミズムを作っているような気がします。
もちろん、長期で配当、EPSを伸ばし続けている超銘柄は 日本には見当たりませんので、小生は、アメリカを重視しますが。
イギリスが本当は好きなのですが、個別銘柄は、アメリカ以上に、難しいです。
銀行株や 国際的な資源株 などの時価総額が大きく、リーマンの後は、小生には、全く読めません。
日本で株式市場が発達しないのは、知的レベルが中途半端に高いのがあだ・原因と思います。日本人は、頭がいいので、株も自分でコントロールしないと気が済まない。○○産業はこれから伸びるとか、短期の当てものに走ってしまいます。
外国株だと、土地勘が全くないので、そういう当てもの投機ができないので、やる気が起こらないのだと思います。
アメリカ人は、割り切って、キャピタルなどの長期アクティブ投信や インデックスファンドに任せるので、長期で大きな成果が上がっていると思います。
コメントありがとうございます。
削除全てのアメリカ株がいい、とまでは申し上げておりません。大雑把に日本よりアメリカの方が安心して投資できる環境にある、というのが趣旨です。
個別銘柄で私が買っているものは時価総額でも上位に入る大企業ばかりで、いわゆる主力銘柄です。主力銘柄で持続的にEPSが伸ばせる企業が多いです。
もちろん、GMを始め、経営がおかしくなる企業も中にはありますので、分散には努めているところです。
IBMやマクドナルドも一時期経営がおかしくなったことがあるのは存じ上げています。
いずれにせよ、株式投資が好きな人には、米国市場は投資がしやすい環境になっていると思います。
はじめまして!きびなごと申します。
返信削除いつも楽しく読ませていただいています。
勉強になることばかりで、とても参考にさせていただいています。
僕も、最近アメリカ株をはじめました。
そして、配当金を目的に投資をはじめるには、
アメリカ株は比較的手がけやすいと思います。
理由としては、メリットの1番、5番です。
グローバルに通用するブランド力がある
食品、飲料、日用品などの企業が多いからです。
また、配当利回りや連続増配の点からも魅力です。
日本には、そういった企業がまだまだ少なく、
また、あったとしても指標的に購入しづらい気がします。
きびなごさん、コメントありがとうございます。
返信削除私も最初はシーゲルの本やピーターリンチの本、あるいはバフェットの真似にしかすぎないような投資でしたし、今もそうだと思います。
その後Seeking Alphaという投資情報サイトで連続増配株に対する投資を知り、真似るようになりました。
所詮人真似に過ぎないですが、比較的低リスクで確実性が高い投資手法だと信じております。
要は個人の投資目標にどのように達成させるのか、につきると思います。
互いに頑張って行きましょう。
WBと申します。沢山な読者の一人です。
返信削除投資歴は30年、本格的には20年。書棚を眺めれば、投資本は100冊以上です。
但し、実力はさっぱりです。
米国株は円高が怖くて、2008年のKOが最初でした。その後GE、PG、BRK-B(バフェットの年齢リスクあり)等バフェット関連銘柄を6銘柄程購入していましたが、2011年からはIBM、PM、KMI,MCD等も購入しています。この4銘柄は分析を熟読してお考えを参考にさせて頂きました。(勿論自己責任です)
為替リスクについては各銘柄のROEの高さから長期的にはリスクをカバ-出来ると計算しましたが、年率3.0%程度の円高なら十分カバ-できるとのコメントには成程と納得しています。
達人の皆さん程の成果は望みません、何分の一かの成績であれば十分と考えています。
今後とも宜しくお願い致します。
WBさん、コメントありがとうございます。
削除歴史的には、長期スパンで見れば円高の進行よりも(米国の)株価の上昇率が上回っています。それはインフレ率を上回る企業業績(生産性の改善、技術革新等)がなせる技なのでしょう。
私も今後ともそういった企業に投資していきたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。
初めまして
返信削除外貨mmfが損してる、状態なので、ナスダックの、メルカードリーブラ lt
を買ってみようと、おもっています!!
ブラジルなど、対応してようで、よかったらご教授いただけると、有難いです。
コメントありがとうございます。
削除申し訳ありませんが、ご質問の背景を私は理解していないので、ご期待に応えることができないようです。
こんにちわ。
返信削除AT&Tへの投資を考えているのですが、如何でしょうか。25年ほど前、マンハッタンに住んでいた際、大きなビルがあり親近感があります。
配当金が良いので超長期での保有を考えていますが、株価から見ても余り人気がないようです。どうしてなのでしょうか。
他に、コーラ、マクド等も気になります。
ご自身の投資目的、期間、期待リターンとAT&Tやコカコーラなどの過去の実績リターンと比較されることが良いと思います。
削除「どうでしょうか」とご質問いただいても、ある人には良い銘柄で、ある人には退屈な銘柄に過ぎません。
私はAT&Tもマクドナルドも保有しています。
アメリカ在住で投資をしたいのですが、どのように買えばいいですか。
返信削除日本には住所はありません。