2019年6月11日火曜日

弱気相場で知っておくべきこと 4つのルール その2 By Ken Fisher








その1に続いて、残りの部分です。

あと、Fisher Investmentsが言っている重要なことは、


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  • いわゆる、経済上の「リセッション」(GDP成長率が2四半期連続でマイナスになる)ことと、弱気相場は別である。
  • 強気相場、弱気相場の境目はGDPに関係なく、市場のセンチメントやファンダメンタルズなどによって発生する。

→これはその通りです。雇用統計の数値が改善すれば(例えば▲20万人が▲5万人になったとか)、リセッションでも株価は上がります。リセッションに入っていなくても、企業収益の見通しが全くの期待外れだったら、株価は下がるでしょう。

弱気相場がいつから始まるのかは、わからない、と言ってもいくつかのヒントがあります。そのヒントを下のように言っています。

  1. 弱い企業収益
  2. 長短金利の逆イールド(注:すでに現在進行形です)
  3. 企業売上高伸び率のマイナス

それと、Ken Fisher氏はいつも、John Templetonの名言「強気相場は悲観に始まり、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」というのを取り上げて、相場がいまどの段階にいるのかを解説します。

そのなかで、弱気相場の始まりは「幸福感の中で消えていく」、つまり、「幸福感」が弱気相場を導くのではないか、と言っています。その「幸福感」の見つけ方としては


  1. 負債比率の高いバイアウト活動が目立つ(PEファンドの買収で非常に高いレバレッジで実行するケースが目立つ。リーマンショック前は結構ありましたね)
  2. 企業の負債比率も高まる(PEファンドに対抗して、M&Aを実行するが、借入金への依存度が高まるとか、設備投資資金を負債で調達しやすくなったりするなど)
  3. IPO価格でオーバープライス案件が目立つ

などと言っています(現状は幸福感ハンパないですね)。

ただし、強気相場の中で、突然株価が10%~20%程度崩れるのは弱気相場ではなく、「調整」であり、これを弱気相場と勘違いするな、と警告を発しています。

結局、
弱気相場を言い当てるのはむつかしい。

投資をディフェンシブにする(市場から資金を引き揚げる)のは、あまりお勧めしない。なぜなら、

  • ①弱気相場は2年未満、強気相場は5年以上、
  • ②大きな上昇局面は弱気相場から強気相場への過渡期に発生し、一番おいしいところが取れない、
  • ③強気相場の中での調整局面では慌てない、
  • ④弱気相場の特性をよく理解して、次の強気相場の準備をするのが望ましい、
  • ⑤決して感情的にパニックになってはいけない

こんなところでしょうか。Ken Fisher氏は、原則マーケットに居続けて、コアの投資はIndex、サテライト的に個別銘柄、という感じの投資手法が主体です。

彼らの分析は事実に基づいており、投資実績とともに信頼性はあると思います。

また、基本的には米国株主体なので、株式相場は過去も未来も長期的には上昇すると考えています(日本と違って)

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3 件のコメント:

  1. 大変勉強になります。ひとつお伺いしたいのですが、
    >>株式相場は過去も未来も長期的には上昇すると考えています(日本と違って)
    とあるのは、日本の経済的な現状がもはや崩壊するしかないほど悪化している(しかも打てる手段が事実上存在しない)為だと考えてよいでしょうか?

    返信削除
    返信
    1. 拙文で申し訳ありません。
      主語はKen Fisherで、彼はアメリカ株は基本的に、右肩上がりなので、ずっと相場に居続けることが最良の策、と考えています。
      日本に関しては、過去はバブル崩壊後はレンジバウンドしているという事実があり、人々は将来に関しても悲観的である、という一般論を申し上げたまでです。

      削除
    2. ありがとうございます。Ken Fisher氏に限らず、日本株の将来を悲観的に捉えている金融関係の方が多いように感じます。(Jim Rogers氏など)
      個人的には任天堂などごく一部の銘柄を除いて、大半の日本株は「下落する以外の道がない」と考えています。長期間+大レンジの下落のあとは中規模のリバウンドが待っているとは思いますが。
      駄文失礼しました。

      削除