2015年3月8日日曜日

「お金は歴史で儲けなさい」加谷珪一著を読んで









以来、加谷氏の著作は2冊目です。

 

個人的に、「~しなさい」というタイトルの本は読む気がしないのですが、タイトルは著者ではなく出版社側が決めるのだとか、聞いたことがあったので、買ってみました。

 

お金は「歴史」で儲けなさい
お金は「歴史」で儲けなさい
著者:加谷珪一
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株式相場を歴史的観点から見て再現性を予想する、というのは、ケン・フィッシャーがアメリカ相場(および世界相場)で行っている手法です。ケンによると、100%完璧ではないものの、70%~80%程度は歴史から学べるそうです。

私も、ケンの著作を複数読んでいますし、ブログでも比較的取り上げている方です。







もう一冊ケン・フィッシャーの本で

チャートで見る株式市場200年の歴史





という本があります。

 

更に、

バリュー株トレーディング ビタリー・カッェネルソン


という本があり、これも歴史的なPERの動きを見ながら相場の底を当てるような投資法を書いています(ただし、彼は3年ほど前、今の相場はまだレンジ相場で強気になるためにはもう一段下がらないとだめだ、と言って、結果的に外している)。

 

したがって、株式相場の移り変わりや歴史的背景を見ながら、将来を占うには一定の意味があると思います。

 

加谷氏は日本の株式相場を1880年ごろからさかのぼって調査・分析した、という点は非常に評価されるべきかもしれません。

この分析によると、日本の株式相場は、19世紀後半から、年率7%で上昇しているという結果になっています。

そして、そういった時代も含めて、株式相場の大波は、15年~20年ごとに移り変わっていくので、バブル崩壊から25年も経過した現在は異例に長いため、「次の波」が来てもおかしくないだろう、という結果になっています。

(一応、断っておくと、武者さんの論文よりずっと説得力がありましたよ)

 

戦争が起こった場合の相場への影響、国家は戦費をどこまで負担できるのかとかは非常に参考になりました。

インフレが起こると、どういった資産を持つべきか、過去の日独で起こったインフレから何が学べるのかなど、なかなか今の時代にあった分析がされています(預金封鎖の話も記載されています。加谷氏がこの本を書いていたのは、2014年の11月か12月なのでNHKよりもずっと先)。

 

ただし、

これからはインフレ時代だ、という前提で話が進められているが、私個人的には、まだまだ懐疑的である点(将来のインフレの前提条件に、シェール革命によるドル高や経常赤字転落などの前提があるが、まだ紆余曲折があると思う。もちろん個人的にはインフレ、ドル高、日本の経常赤字はウエルカムだ)。

最終的に加谷氏が推奨する投資先がアメリカのグローバルカンパニーだった点(すでに投資しているじゃない)。散々、よい分析の後に、何に投資するべきか、という結論になっているのですが、それがJNJやマイクロソフトやウォルマートだった。。。

 

これから投資を考えている人(あまり焦らずにやった方がいいと思いますけど)には、新鮮な内容が多いと思いますが、このブログの常連さんには、結論はすでに実行しているので、多少拍子抜けするかと思いますが、途中の分析は一読の価値があるのではないか、と思います。
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1 件のコメント:

  1. こんにちわ。こちらの本を読み、著者のblogも拝見しています。

    急激なインフレのきた時に、どの資産から上がるのか、という循環図がとても印象に残っています。
    株の順番は意外でした。

    このような本をご紹介いただきありがとう御座いました。

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