前回の記事と大きく変わりませんが、2月1日の雇用統計発表後の終値にしています。最初の1ヶ月で1年分の値上がり目標を達成してしまったので、ちょっとびっくりしています。調整局面が来るのか、横ばい推移するのか、正直わかりませんが、今年いっぱいは日米とも金融緩和が予定されているので、大きな落ち込みを想定していない、すなわち、強気、で見ています。国債の金利と株式益回りの差が依然大きいので、PERの拡大局面であると思います。
アメリカの10年物国債金利はやっと?2%台を回復しました。リーマンショック後、イールドカーブが前年比アップしたのは、久しぶりだと思います(今の金利-昨年同時期の金利差がプラス幅で拡大している。景気回復、インフレ期待がちょっとだけ上がった)。
ドルインデックスは、このところずっと80台を行ったり来たりしていますので、円独歩安のような気がします。急激に円安に振れたのでちょっとびっくりしています。当面は75円でも100円でもこれまで通り投資を継続していくつもりです。
今月の売買状況
売り:なし
買い:プロクターアンドギャンブル(PG;買い増し)、ジョンソンエンドジョンソン(JNJ;買い増し)、キンダー・モーガン(KMI;買い増し)、セブン銀行(新規)
去年の投資予算の残りを使い切りました。大統領選直後にもっといっぱい買っておくべきでした。1月は繰越予算を全軍出撃させました。
PG(パンパース等家庭用品)はライバルである、ユニリーバの決算が良かったので、消費環境の改善を期待して決算前に買いました。決算が予想外に良かったので、いいタイミングでした。PG復活の兆しが見えたかな?1月だけで株価は11%も上昇してしまいました。株主になって3年ほどたちますが、こんなのは初めてです。
JNJ(ベビーパウダー、バンドエイド、コンタクトレンズ、整形外科用インプラントからバイオ薬までヘルスケアコングロマリット)は今年こそ、ノーマルな成長路線に復帰することを期待して買いましたが、13年度の業績ガイダンスは保守的でした。多分期中で上方修正する、と期待しています。医薬品の新薬が好調なことと、リコール問題で揺れた大衆薬部門の再販による売上高回復期待があります。インプラントの賠償問題が残りますが、CEOも若返ったので、フレッシュなJNJを期待しています。
結局、シェール関連銘柄は現時点でKMI(天然ガス等パイプライン運営)に集約しました。配当利回り4%で年間15%近い増配が見込めるのは魅力です。KMIは昨年買収したエル・パソのGPにもなっていますが、同社からのIncentive Distribution Rights(MLPのGPに対し、運営するMLPが目標利益を超えた場合に、GPがもらえるインセンティブ配当収入)が今後見込まれるので、向こう数年は10%~15%の増配は期待してよいと個人的には思います。
シェールガス関連でいえば、ガスの相場が暴落していて、儲からないのではないか、という懸念があります。アメリカでは天然ガスのうちドライガスとリキッドガスと俗に言われている2種類が存在します。取り出したガスに水分が多く含まれていればリキッドガス、水分が乏しければドライガスという風に分けられます。
リキッドガスは天然ガスの主要成分であるメタンを取り除くと、天然ガス液(Natural Gas Liquid;NGL)になります。このNGLは化学産業の原材料(エタン等)や天然ガソリン(ガソリンへの添加成分)などに分解されるので、リキッドガス=ガス+化学原材料+コンデンセート等に分解して販売することが出来ます。ガスで儲からなくても、そのほかにも収入源があります。従いまして、リキッドガスが多く出るガス田は採算をクリアしているはずです(ペンシルバニア州にあるマーセラス堆積地等はリキッドガスが多いと言われている)。
ドライガス田はNGLが無い分採算的に厳しく、生産量が落ちているはずです。
ちなみに、日経新聞で毎日騒いでいるLNG(Liquid Natural
Gas;液化天然ガス)は、天然ガスを冷やして人工的に液状化したものを指しますので、NGLとは違います。この辺ややこしいですね。天然ガスは取り出したら気体なので、海を隔てて長距離を運ぶのに適していません。
そこで、わざわざ液化して、タンカーで運ぶことを日本人が考えただけです。液化するのに巨大な設備投資が必要なので、気体のまま購入するのに加工賃が嵩むことになります(輸入後、液体から再度気体に戻すのにも加工費が必要になる)。そのことをすっ飛ばして、シェールガスは他の国から買う天然ガスよりずっと安い、と盛んに書きまくっている同紙の姿勢は何を意味するのでしょうかねえ?(専門家の試算によると、北米で輸出用のLNG施設を新設すると、シェールガスをLNGにして日本に輸入しても、通常の天然ガスよりちょっと安い程度だった)。
KMIは最近、英国・オランダのシェル石油とLNGの輸出基地の建設を提携しましたね。アメリカが日本に天然ガスの輸出を許可するのか、見ものですね。個人的にはロシアからパイプラインを使ったほうが安上がりではないか、と思っていますが、日経新聞は盛んにアメリカからの輸入をバックアップしていますね。
KMIにはドライガス田も、リキッドガス田もあり、強弱入り混じっている状況です。しかし、それでもなお、石油や石油関連製品あるいはターミナル貯蔵庫などMid-Stream Assetsが分散化されていて、(さらに先物の予約等のデリバティブも使っていて、価格のボラティリティに対し)リスクヘッジを行っています。
但し、天然ガスが豊富にあるということで、今後、価格上昇はそれほど望み薄かもしれませんが、それなら電力エネルギーだ、天然ガス車だ(私の街でも一部天然ガスを原料とするバスが走っています。これは環境PRのためですけど、アメリカの場合そろばん勘定でガスを使用するでしょうね)、と使い道はたくさんありますので、パイプラインはなくならないし、まだ必要とされると思います。アメリカが天然ガスを重用してCO2削減で環境だ、なんて言い出すと(一応オバマは言っていますが)、世の中ほんと変わるものだと実感しますね。
セブン銀行は、もっと早く買っていればよかった、とずっと思っていた後悔銘柄の一つだったのですが、思い切ってこの段階でエントリーしました。東証1部指定替えの頃から参入を考えていました。ずるずると株価が上昇してしまい、後悔していました。地銀ATMアウトソーシング分野はまだ伸びるでしょうし、インフレターゲット政策は金融機関が一番恩恵を受けるはずです(流通するマネーが増えれば)。
予想受取配当金増加率推移
今月の増配発表
増配の発表があると、一番うれしいですね。今月は4社です。
アボットラボラトリーズ&アブビー:5.9%増配です。40年連続増配だと思います。会社分割直前に発表された2社の配当を合計すると5.9%の増配となります。増配ペースが少し落ちていますね。
KMI:0.01ドル、1セント引き上げました(四半期ベース)。年間ではBudgetとして、まだ0.09ドルの引き上げ余地が残っています。
フォード:0.05ドル(四半期ベース)から0.1ドルと倍増に引き上げました。欧州のリストラコストなどが残っている中での決断で、よく引き上げたと思います。強気の姿勢を示したかったのでしょう。
JT:期末配当を30円から35円に引き上げました。年間で60円から70円のインパクト(計算では+5円分のみ算入)。
ドル/円が86円台から92円台まで円安になったこともあり、1ヶ月で+11%と好調に推移しました。
Yield on costが6.15%とついに6%台に突入しました。外国債券並みになりましたね(株式には償還期限がありませんが)。いまいち疑問符のつく、変な商品設計の外国債券(信託報酬や販売手数料がかなり高い)とIBM、マクドナルド、ジョンソンエンドジョンソン、NTT、キヤノン等ブルーチップで固めたDividend
Growth Stockで、どちらに信頼感がおけるか、よく考えましょう。
2月に向けて
さすがに玉切れなので、おとなしくしていると思います。
これまでの楽観雰囲気から少し変わるかもしれません。
最後に
相互リンク先の資産運用相談員のkaoruさんから何度もおすすめブログにご指定いただきました。ありがとうございます。これはものすごいインパクトがあります。
このブログはGoogle系ですので、通常の参照元はGoogle searchが圧倒的に多いのですが、この数か月はkaoruさんのブログがGoogleを差し置いてダントツ1位となっています。
また、日経ヴェリタス等でブログや私の投資法を何度か紹介をいただきました。その時と比較して、Kaoruさんに紹介していただくとブログのページビューは急増するので、その影響力に脱帽いたします。
つまり、
Kaoruさんのブログ>Google、かつ、Kaoruさんのブログ>日経ヴェリタス、なのです。これはブログの運営上ものすごいことだと思います。
人気の秘訣は手短に、さわやかに、なるほど、と思うことを継続的に書いていらっしゃるからだと思います。私の方は長々と毒舌満開で書いているのに、何がマッチするのかしばし不思議に思いますが…。
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