各企業の12月期の決算がおおむね出そろいました。全般的には、こんな感じといったところ。あまりサプライズはありませんでした。
株価はマクロ経済を反映しているのでしょうか、ディフェンシブ系が高く、シクリカル系は安くなっていると思います。
P&Gは予想外に収益力が回復しており、株価も年初から+12%の急上昇を見せています。はじめてP&G株を買ったのは約3年前で、ドルベースだと過去3年で約25%の株価上昇率にもかかわらず、この1.5か月でその半分近く上昇していることになります。これはよかった。
通期見通しが市場予測より少ないというだけで、ダウケミカルやフォードは10%近く株価が下落するなど、相変わらずです。この2年ほど我慢し通しの銘柄達。
ハイテク系は今一つですね。IBMなんてよい決算だったのに、決算直後以外ほとんど株価が動いていません。個別銘柄より企業のソフトウエア投資動向などに反応するのでしょうか。
インデックス全体を見れば、PERの絶対値基準ではS&P500の実績ベース約18倍、予想ベース13.8倍、ダウ平均同15.3と12.8倍であり、まあまあの水準だと思います。
配当利回りでみると、ジョンソンエンドジョンソン、マクドナルド辺りは未だ3%超あるので、まだ買える水準ではないかと思います。
地域別では
米国内は堅調、アジアは日本が足を引っ張っているケースが多く軟調、東南アジアは絶好調、欧州がダメ、といった感じです。
経営者の西・南欧州に対する見方は、最悪期を脱し、下半期から回復を期待する、というものですが、欧州地域の業績予想は2012年度並みとする企業が大半でした。目先はまだ流動的なので、予断を許しませんが、ECBがこれ以上利下げしなさそう、という点を見ておく必要性があると思います。
東欧はフィリップモリスの決算を聞く限り、絶好調のようです。ロシア、ウクライナ、トルコあたりは調子が良かった。
米国経済の回復基調が継続しそうであること、欧州経済が底入れしつつあること、中国経済も最悪期を脱していそうなこと、日本の経常収支が悪化していることなどを考えても円安要因なので、目先のアホな政治家の発言やアベノミクスだけが為替の要因ではないと考えた方がよさそうだと思います。もちろんこの先さらに円安が進行するのか否かはわかりませんが…。
言いたいのは、ガラパゴスな見方だけで為替を追いかけるな、という点ですね。
個人的には年後半から、(米国その他の)経済成長率がやや増すのではないか、消費環境もよく、インフレも安定しているのではないか、経営者の現在の業績予想は慎重すぎるのではないか、すなわち株価に追い風ではないか、と勝手に思っています。目先、難癖つけて調整してくれると、シメシメという感じです。
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>>ECBがこれ以上利下げしなさそう
返信削除これに関してはドイツがプチバブル気味なので
ドイツが利上げを望んでいるのが理由であり、
その他のユーロ導入国は利下げを望んでいますよ。
ドラギ総裁もドイツ労組の賃上げ交渉の行方とドイツ国内のCPIが安定してくるのであれば利下げGOで行くはずです。スペインの10年債利回りが5%前半まで落ちてるから欧州はもう大丈夫と言う人がいますがこれはスペイン政府が年金基金など公的資金をほぼスペイン国債購入に当てたやりくりのおかげです。楽観視なんか決してすることは出来ないし、スペインはもう詰んでると言っても過言ではありません。アメリカは今後堅調に推移するでしょうが欧州は年央以降また大荒れしてくるはずですよ。
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コメントありがとございます。
削除ECBが利下げすれば、株価にプラス材料なので、それならそれでいいのではないでしょうか。短期的に株価が調整されても長期的にプラスの材料ならそれほど気にいたしません。
いずれにせよ、年後半から2014年にかけて株価(注:S&P500とダウ平均を指しています)はもう一段上昇すると思っており、その手前で調整するのはむしろ歓迎いたします。
私が今年1年の投資成績でくびになるかもしれないファンドマネージャーならご貴殿の慎重さを兼ね備えないとまずいですが、資産運用の時間軸はたっぷりありますので、今の局面ではまだ強気であります。
cautiously optimistic で臨んでおります。