2013年4月9日火曜日

アベノミクスと向き合う 住宅ローンの借り換え 持ち家と賃借

今借りているローンは、買った時のマンションデベロッパー提携ローンで、変動金利に優遇幅▲1.200%がついている。したがって、1.225%となる。

インフレターゲット2%政策により、インフレ率を2年で2%に持って行くと言っている。いいかえると、インフレ率が2%にならない限り、日銀は利上げをしないはずである(よほどのことが無い限り)。
一方、国債金利は、「クロダには逆らうな」ということで、史上最低金利を更新しているし、しばらく継続しそうだ。そして、今回こそ長期金利は底這いから上昇に向かうはずである。

もし、この前提が正ならば、この際、変動金利を固定化してしまおうか、検討してみることにしました。

楽天銀行の4月の20年固定金利は1.49%である(但し、団体信用生命保険は外掛けで+0.35%程度見ておく必要性がある。実質1.85%ぐらいに考えている)。
事務手数料と登記手数用が出費となる。

現在、変動金利を選択したのは、金利なんてどうせ上がっても今から、2~3%程度だろう、とタカをくくっていたことがありました(変動金利の基準金利って短期プライムレートで、同金利は日銀の政策金利に、ほぼ連動して銀行が決定しているという事実はあまり知られていないようだ。これまでは国債の金利が上がるから、固定金利にしておきなさい、というアドバイスが目立っている)。

イタリアでも長期金利(もっともECBが短期金利を決定しますが)は6%ぐらいになりましたが、ECBは短期金利を低くしておきましたね。

しかし、0.5~0.6%のextraで、先行き20年近い住宅費が固定化出来るのであれば、それに越したことが無い、と考えるようになりました。これまではこのギャップが大きすぎたので、乗り気ではなかった。

黒田総裁は、今回の金融政策は将来、中央銀行が金利の上げ下げで金融政策が実行できる伝統的政策に戻すために必要だ、と言っていました。当面の国債金利は底這いで、今度こそは底打ちではないか、と考えるのが妥当だろう。したがって、長期金利は今がボトム。バーナンキさんがEXITを語り始めるまでは…。

話変わって
本来は、個人の生活設計上の目的で、住居を持ち家とするか賃借とするかを決めるべきだと思いますが、エコノミクスで考えた場合、本当にインフレ率2%が定着するならば、断然持ち家のエコノミクスが改善するのではないだろうか?

住宅の価値がインフレ率だけ上昇するのか、インフレ率-経年減価率程度で推移するのか、わかりません。
理論上、仮にマンションの様な耐火構造で耐用年数40年とすると、建物部分は定額法だと年率2.5%で減価することになる。一応、土地の区分所有部分があるので、マンション一室の経年減価は2%未満になるのではないか?したがって、2%のインフレ率だとマンションの価値は購入時の価格を保持できそうな計算になる。欧米だと、住宅の価値がインフレ率程度上昇している様だ。

自宅の価値が下落しない、というのは、ローンの返済分だけ、資産が増加することを意味しますので、断然所有したほうが、何かとよい計算になると思う。これがアメリカで今起こりつつある現象ですね。住宅価格が底打ち反転しています。皆気分が大きくなって、車を買い換えていますね。

売却した時に、返済したはずのローンがそっくりかえってきます。一方、賃借は返ってこない。

賃借の人は、家族の成長と共に住居を変えることが前提だと思いますので、住居費が変動しますが、その計算は、間取りが一定なら、将来の家賃も今と同じ、という前提で成り立っている。
近隣の3LDKはいくら、2DKはいくらとか。

しかし、2%インフレ率を前提にすると、家賃の上昇が生活設計の前提になってくる。所得も上昇すれば、負担としてはニュートラルではあるが、ローンを抱えた持ち家派と比較すると、家賃>ローン返済額 になるはずである(多くの人は、ローンの負担額を購入時のすみかの家賃程度に設定し、固定を組んでいそうだし)。

老後の住居も問題になってくる。家賃の調達原資を何に求めるのか、やや微妙だが、仮に年金とした場合、年金は物価上昇率の半分の支給上昇率(マクロ経済スライド制)となっているのではなかったか。したがって1%の持ち出しになる。

浮いた住居費で資産運用を行って、老後に取り崩す、というプランもあるかもしれないが、それは持ち家派でも、家賃―ローン返済額のところで、運用は可能ではないか?

前提の置き方で、賃借派が有利になることも、依然ありえるかもしれないが、住居費が将来にわたって固定化出来ること、ローンの返済が住居費の前払いになること(ローン完済後も人生は続きますね)、ローンの支払いが資産形成にもつながることを考えると、少なくとも持ち家がこれまでの様に損する話ではないと思う。

それはこのブログの読者なら、誰でも知っているはずだ(ピーター・リンチさんは、資産運用は株を買う前に、まず家を買え、これが必殺運用法!という趣旨を述べていますよね)。

住居費以外でも社会保険料や消費税の負担増は、既に決まったものとした生活設計は必須だろう。つまり、固定費が上昇する前提で生活設計する必要性がある。一般的なサラリーマンで数十万円の可処分所得の減が大手証券会社の調査で試算されている(新聞でも出てましたね)。

あくまで最終的には、各人のおかれた状況や好みの問題だと思いますけど(そもそも少子化で、世帯数の増加が見込みにくい昨今、簡単に家賃が持続的に上がり続けるとは想像がつかないという思いも一方ではありますけどね)。

こんなことを考えているが、しばらくは長期金利動向とアベノミクスの浸透具合を確認しながらコトを進めることになるだろう。しかし、ここでもアメリカの雇用統計と失業率等は重要なポイントになってきそうだと思っている。アメリカの経済が躓けば、ドルと株を買い(念のために申し上げると、基本的に、結果的に私はいわゆるグローバル企業の株を買っているようです)、順調ならローンの借り換えを真剣に検討する、という具合かなあ?

応援よろしくお願いします!

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