2013年10月3日木曜日

東京オリンピックに対する期待

決まりましたね。東京オリンピック。石原前都知事が誘致を表明した時、みんなしらけていましたけど、猪瀬知事になって、失言はあったものの、彼は上手くやりきりましたね。

初めは財政再建だというのに、無駄なカネを使うイベント、と思われていた東京オリンピック誘致ですが、ダメ日本が世界に認められた、という感覚からか? 今はバラ色の残り7年が想定されています。

しかし、前回のオリンピックとは違い、日本は成熟した低成長国家となっていますし、個人消費がGDP60%を占めるため、誘致に使う投資はそのインパクトが小さくなっています。

もちろん、国民の気持ちが高揚して、消費活動にプラスになる可能性も残されていますが、7年も継続するとは思えません。

逆風として、結局、消費税増税は決まってしまいました(見事オリンピック誘致とセットでしたね)。
アメリカの景気回復は依然弱いままです(米国の金利が上がらないと、これ以上の円安も望めない)。
新興国の経済も従来ほどよくありません。
高齢化が本格化して、人口は減少し続けています。

イギリス経済は、2012年のロンドンオリンピックまでにリーマンショック前までの勢いは取り戻せませんでしたね。



そして、日本人が、まんまと? 外国債券の罠にはまった(と言っていいのか?)ブラジルの場合、来年のサッカーワールドカップ、2016年のオリンピックと大型イベントが続きますが、現時点では景気はさっぱりであることは既にご存じの通りかと思います。

シドニーオリンピック前のオーストラリアも、中国経済の成長が少し恩恵をもたらしつつあった可能性があります。

アテネオリンピックの場合、オリンピックが終わったら、あっちこっちボロが出て、結局あのようになってしまいました。ウォ―レン・バフェットは、「潮が引いた後に、誰が裸で泳いでいたかわかる」といいましたが、無防備にはしゃいで、東京オリンピック後に、このような目に逢いたくありません。

少子高齢化(これを食い止めることが、財政再建の本丸であるとわかっているのに、なぜ議論をもっとしないのだ?)やデフレ脱却あるいは産業再編などを「オリンピック」を言い訳にせず、取り組んで欲しいです。

したがって、オリンピックが開催されるから、それまで経済はよくなり続ける、と考えるのは早計であり、冷静な推測が必要な気がいたします。


たった数週間のイベントにあまりにも多くの期待をせず、背伸びをすることなく、冷静に淡々と受け止めて、それでいて、オリンピックを契機に何らかの発展につながれば(例えば、相当難易度が高そうですが、コスモポリタンな雰囲気に慣れたおかげれ、移民受け入れに少しは寛容なムードになるとか)、それが本当の意味で成功かな、と思いました。

要するに、「それはそれ、これはこれ」 と地に足ついた政策実行を望みます。

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