2014年11月29日土曜日

11月の投資状況


今月も円安様様です。
115円を超えたら警戒区域、と思っていましたが、超えてしまいましたね。
為替レートは来年のアメリカの短期金利切り上げを織り込んでいると思いますが、国債の方はどういうわけか2.19%とまったく逆方向に振れているので、ちょっとよくわかりません。

市場参加者はみな、アメリカ金利が上がると考えているのでしょうが、日欧の国債よりも金利が高いので米国債を買っている、あるいは、原油相場の劇的な下げで、インフレ懸念がないから安心して国債を買っている、と説明されていますが、市場参加者の思惑がバラけているので、不気味です。

イールドカーブがフラット化しているのはあまり良い兆候とは言えませんね。
自分のポートフォリオは金利に弱い構成になっているので、2015年「も」ドルベースの株価パフォーマンスは望み薄かもしれません。

今月の売買

買い:Chevron(買い増し) まさか原油相場が70ドルを割るとは。しかし、当面悪材料が出尽くしたような気がします。アメリカの東部はまた寒いようなので、需要は出てきそうな気がします。安くなれば中国やインドと言った原油の純輸入国にも有利になるので、落ち着くところに落ち着くのかなと。


売り:Thomson Reuter(部分売り) Chevronと配当利回りが3.7%で並んだので、こっちの妙味が薄れたから。来年には全面売却を検討中。金融関連銘柄ということで保有していましたが、別途金融株を買い増し(Black RockMasterCard)できたので、再構築中。

今月の配当

ここまで為替依存型になるとは想定していませんでした(笑)。
もうすぐ2010年末時点の3倍に達する可能性が出てきました。しかし、1ドル118円はさすがに高すぎるので、揺り戻しがあるかもしれませんね。

増配はDow Chemicalです。+13.5%の増配です。

Dowには、日本でもソニーで有名になった、あのサード・ポイントのダニエル・ローブがモノ言っています。コモディティ化した石油化学部門を売却しろ、というものと、サード・ポイントが選出した2名を社外取締役に入れろ、というものです。

Dow社は、事業売却の規模を従来の計画から増加させ、そして、当該社外取締役2名を加えると約束しました(ただし、Dowから選んだ2名も追加で取締役に加える、つまり合計4名を社外取締役として加えるということで妥協した)。

さらに、今回の増配です。株主のプレッシャーを受けていますね。私も今年Dowが増配しなかった点はやや不満だったので、「いいぞ、ダニエル」って感じでした。
原油価格の急落で、来年の業績がちょっと不透明ですね。

既にクリスマスラリーは始まっているように思いますが、12月も強気でS&P500は締めくくりそうですね。買い出動しようか、しまいか。
欲しい銘柄はまあまあの価格、今欲しくない銘柄は結構安い、そんな感じですね。

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2014年11月26日水曜日

年末にかけての投資雑感


これから年末にかけて、いわゆるクリスマス・ラリーが始まるかもしれない(アメリカ市場です)。

日本、欧州、中国と立て続けに金融緩和シフトを行っている点と、アメリカのGDPは四半期ベースの年率換算の3%越えが板についてきた。

一方、欲しい銘柄の株価はFairly Valued という状況であり、手を出しづらい。

(もっともIBM辺りは、よさそうな材料もチラホラ出始めている)

更に、12月の下旬から1月にかけて、楽天証券では特定口座がアメリカ株にも開かれることになっている。

しかし、1月になると来年のNISA口座枠が使える(お金もちょっと貯まる)。

来年になると必ず利上げ論争がまた始まる。

中期的な配当と目先の株価とどちらを取るべきか、アホな考えかもしれないが、まあまあ悩んでいます。

年間受取配当額を税前で計算している一方、直近3か月でいくらキャッシュの配当を受け取ったのかも気にしている(それが次の投資資金に直結しますので)。

1月になったらソッコーで買いに走るというのがメインシナリオ、11月下旬から12月にかけてえいやっで、買ってしまうのがサブシナリオ。ただ年末は出費も多いので、メインシナリオかなあ。

と迷っていると株価がズンズン上がって、買いを見送った銘柄も今までいっぱいありました・・・。

たとえば、ヒューレット・パッカードは株価が2年ほど前に約12ドルだった時に買っとけばなあ(この時は、もっとも買いたくない銘柄だけど、ひょっとしてもっとも買っとくべき銘柄かも、という趣旨の記事を書いた記憶がある。今同社の株価は約37ドルと3倍に)。


見る目がないですねえ。自分がもっとも避けている銘柄が実は買いだったりするんですね。灯台下暗し、自分が弱気になっているときが最大の買い場、当時もそんなこと書いていたなあ。進歩もない。

ヒューレット・パッカードの株価チャート


よくありそうな話なんですけど、悔しいなあ。
IBMを追加で買ってみるかな。

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2014年11月24日月曜日

「リスクを取らないリスク」堀古英司著 を読んで

リスクを取らないリスク
リスクを取らないリスク
著者:堀古英司
価格:1,566円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る
日本でアメリカ株に投資していて、堀古氏を知らない人は少ないだろう。

彼は現在、ニューヨークでホリコ・キャピタルというヘッジファンドのファンドマネージャーです。

彼の経歴は、関西学院大学を経て、東京銀行に就職し、外為ディーラーとしてNYへ行き、そのままあちらで脱サラしたそうです。

年齢や同じ関西人であることなど似ているし、彼の相場予想は、おおむね当たっている(しかし、金投資はどうなったんでしょうね。あとロイターのインタビューで1ドル150円を預言?していましたが、これはちょっと言い過ぎでは?)ので、楽天証券のセミナーでは必ず聞くようにしています。

そんな彼の著作なので、読んでみました。

 

この本を読むにあたって、彼は日本の銀行出身者とはいえ、今は株式投資家ですので、本質的に株主の意見が前面に出ていますので、それを多少割り引いて読んだ方がいいかもしれません。

しかし、その目線は、平均的なアメリカ人投資家のそれと大差がないので、日本に徹底的に詳しいアメリカ人投資家の言い分、ととらえても支障がないでしょう。

 

前半部分は楽天の講演会に出席していれば、おおむね似たような内容です。日本の金融経済運営者はいつも経済活性化のためにやるべきことと真逆のことを行うのが情けない、といった感じです。

そのような政策にはリスクも付きまとうが、リスクとリターン(良い点と悪い点)を天秤にかけて、それでもポジティブな結果が見込めるのならリスクを取るべきだと主張しています。

具体的に、彼は2010年頃から盛んに、日銀を批判していました。FRBの国債買いに対抗しないと、円高になる。円高になると日本は不況になる。不況になると失業者が増えるし、自殺者も増える。アメリカは日本に失業を輸出しているし(製造業の拠点が海外に移ってしまった)、日銀はサボっていると批判していました。

この時、国内では、日銀が金融緩和することのリスクばかり論じられていましたが、金融緩和をしない結果何が起こると予想されるのか、の議論はほとんど無視されるという偏った議論しかできない日本を嘆いていました(消費税増税議論も同じような感じですね。上げるとどうなるのかの議論はあまりされない)。

 

以下は彼の持論的な部分の概要になります。彼は、前提として、①人間は弱いものである、②人間はリスクを回避したがるものである、と見ています。

人間は楽をしたがる生き物で、限界をブレークスルーすることに躊躇してしまうのが本質であるというものです。

人間はリスクを回避したがるもの、というのは失敗を恐れる生き物である、とも言い換えることができるように個人的には思います。失敗を恐れるがあまり、「無難」な選択をしがちであると。

 

しかし、世の中は資本主義社会です。資本主義社会の中で成功した人は例外なく、失敗を恐れずブレークスルーができた人のはずです。ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブスをはじめ、松下幸之助もそうでしょう。

そういった人に褒美を与えるのが資本主義で、それがあまり機能しない日本の現状を嘆いているという感じです。

世の中格差社会になっていくのは、リスクを取ってブレークスルーをした頑張った人にご褒美を与えるシステムになっているので、何もせずに(リスクを取らずに)じっとしていれば、ますます格差が広がってしまう、と警笛を鳴らしています。

基本的にはサラリーマン向けに、ではどのようにリスクを取っていくか、についても著書では述べられていますが、ここでは割愛します。

 

個人的な感想は、ほぼ全面的に同意する内容です。

堀古氏がこの本を読んでほしい人は、リスクを取りたがらない人だと思います。しかし、そういった人はこういった本を読まさなそうですし、著作で共鳴して、俺も頑張ろう、という人は思ったほど出てこなさそうに思います。

一方、私の様に、彼と同じように米国株に投資しており、あちらの考え方も理解している身からすれば、ある程度予想された内容かもしれません。

こんな人なら読む価値がある、と思うのは、
これからアメリカ株を始めようと考えている人、最近始めた人→堀古氏は楽天のセミナーや寄稿で頻繁に出て着るくる米国通の人です。彼の相場の見方は参考になるので、彼を知る上ではよい読み物。


新聞をよく読むことが社会や経済の勉強だ、と思っている人→ご一読されると、日本の新聞がいかに狭い社会の中で記事を書いているかを思い知るかもしれません。



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2014年11月21日金曜日

ブログタイトルを少し変更

ブログタイトルを

「配当金を雪だるま式に増やす投資日記」~Dividend Snowball Investing~


に改めました。

リンクいただいている方は、できればご面倒ですが、修正をお願いいたします。

これを書いたときは、いつかはSeeking Alphaに日本のDividend Paying Stockの記事をアップデートしたい、と思っていたのですが、結局、Bloggerで開設してから丸4年間、かけずじまいでした。
(Seeking Alphaに掲載できるような日本株も少ない。KDDIなんていいかな、と考えたこともあるが、一銘柄にアメリカ人が書いている量も半端じゃないので時間もない)。


よりストレートなタイトルにしたということです。
今後ともよろしくお願いします。

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2014年11月14日金曜日

NISA口座での配当目的でのアメリカ株投資について






ちょっと前、知人とNISA口座の件で話をしました(後日内容をご紹介できるかもしれませんが)。

その人から、「NISAで外国株投資をすると、配当金課税のうち、海外で課税される分は非課税が効かなくなる。」とアドバイスを受けました。


私は、NISA口座については基礎的な知識しかなかったので、そんな事とはつゆ知らず、普通に米国株を買ってしまいました。枠は7月でスッカラカンです(おかげで為替差益がすごいです)。


したがって、「配当目的で外国株を使うのは、効率がよくないのでは?」 という話になりました。

その時は、『そんな、日米租税条約でお互い免除しましょう、と言っているものが、NISA如きの低レベルの取り決めが優越するのは、法律の立てつけとしておかしいのではないか?』と思いました。


気になって、調べてみると、残念ながら、マネックス証券のサイトに確かに記載されていました。




:以下抜粋

外国証券投資による利子や配当金は、まず外国で課税されさらに日本国内でも課税されることから二重に課税されることになります。この二重課税を排除するため、外国で課された税額を日本の所得税や住民税から控除する規定が設けられており、この規定を「外国税額控除」といいます。
外国税額控除の適用は、確定申告をして総合課税または申告分離課税を選択した場合に限られます。
ただし、非課税取引(NISA)については確定申告をすることができず外国税額控除の適用を受けることができません

抜粋終わり:


え~っ、なんでやねん、って感じがしましたが、知らないこっちが悪かった。

しかし、どれぐらいのインパクトがあるのだろう、としつこく食い下がって、具体的に分析してみました。




上の図は、NISA1年分を想定して、日米株の税制を考えながら比較したものです。米国株に投資すると、両替手数料がかかるじゃないか、というご意見がありますが、そこは今回割愛させていただきます。数字は単なるシミュレーションですので、細かいことは税理士にご確認ください。

現状

100万円の元本で、ともに配当利回り3%で投資できたとします。すると、米国株は、税前配当金のうち、まず米国所得税率10%が控除され、その後日本の税率20.315%が控除され、結局税引き後の配当金は21,515円と計算されます。

3000円は外国税額控除として確定申告で取り返します(還付後は24,515円)。


日本株は、そのまま23,906円と計算されました。

(これだと確定申告すれば、米国株のほうが有利になってしまうのだが、合っているのかな?ここまで深く考えて投資していませんでした)


NISA-1

NISAでこれを運用した場合の結果を示しています。この場合、外国株の3000円は確定申告できない、ということになってしまい、日本株のほうが3000円取分は多いことになります。


しかし、配当利回りが同じ前提で物事を比較する(比較するなら当然条件をそろえる必要性があるので、考え方としては正しい)必要性は実務上、なさそうな気がします。アメリカ企業のほうが、昔から配当性向は日本企業より上です。


NISA-

ここでは、もっと具体的に、では日米いくらの配当利回り差だと、外国税額控除がなくとも、条件がイーブンになるのだろうか? と思い、比較してみました。日本株の配当利回りが3%だと米国株は3.35%でほぼイーブンになります。


NISA-

日米の代表的なインデックスで比較してみました。S&P500のほうが配当利回りは0.35%ほど高いので、仮にインデックスに投資した場合(実際のインデックスファンドの配当には詳しくないので、単なる指数の比較にとどめます)、S&P500のほうが受取配当金は上と出ました。


NISA-

具体的な銘柄比較に落とし込みました。AT&TNTTなら、結構お似合いの比較になるでしょう(いずれも私の保有銘柄ですが)。AT&Tの配当利回りは、ここ数年ずっと5%を上回っています。J-REIT以上の利回りです。

NTTは最近株主還元に積極的になりつつありますが、それでも2.73%程度しかありません。


圧倒的にAT&Tに軍配が上がります。


また、5年という時間軸で、どちらの配当成長率が高いのか、とか、事業の成長率が高いのか、なども比較検討になるでしょう。


為替については、中立的な解説になっていますが、投資元本は円高になれば、どちらもダメージを確実に受けるでしょう。日経平均が「ドル円為替連動型」である点を考慮すべきでしょう。


ドル建ての配当金については、円高になると、価値が下がってしまいます。ただし、再投資を考えている場合、そこに気を取られる必要性を、個人的には感じません。


私見では、まあ、気にする必要性はあまりないなあ、という結論になりました。よっぽど候補銘柄の事業性や将来性が類似していて、配当利回りや配当成長性も似ていれば、日本株にするかもしれませんが、そこはやはり株主コミットメント意識の強い米国株が一枚上手なのだろうなあ、というのがありますね。

結局は、制度の数字よりも、どんな銘柄をどんな目的で買うか、その銘柄がどれだけ信頼できそうかって観点のほうが上位に来るなあ、という分析結果となりました。ホッとしましたね(笑)。


たぶんアメリカ株に慣れていれば、直感的に、アメリカ株の配当性向>日本株の配当性向って図式がピンときますし(PERもアメリカ株が低い傾向があるので、全体の配当利回りはアメリカ株が高くなりがち)、中にはアメリカ株のほうが業績のトラックレコードも含め信頼性がる、という人もいますし、要は全体感として(あくまで全体ですよ)アメリカ株のほうが投資対象として魅力的なのですよ、それに行きつきましたね。






他社日米配当利回り比較


P&G 2.9% キンバリー・クラーク3.0%、ジョンソンエンドジョンソン2.6%
花王 1.5% ユニ・チャーム 0.61%、アステラス製薬 1.65%


コカコーラ 2.9%  ケロッグ3.1%     キャンベルスープ.2.9%
 
キリンHD  2.6%  日清食品HD 1.24% キッコーマン 0.7%


ユニオンパシフィック 1.6% CSX 1.7%  →ともに鉄道会社
JR東日本 1.34%    阪急阪神HD 0.9%


CFが安定していそうな業界の代表的企業の配当利回りの日米比較を簡単にしてみました。
(連続増配するかしないかは、ちょっと無視しましたけど)




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2014年11月11日火曜日

消費税増税選挙の意義?

ほうれ、消費税増税が延期になる可能性が高まったという思惑が市場に流れただけで、株価が暴騰したではないか。

ところで、仮に解散総選挙で、消費税増税+2%をどうするか、が争点となった場合、有権者は何を基準に投票するのだろうか?敵は誰なのだ?

確かに前回の選挙で国民は安倍自民を支持したけど、円高デフレ脱却を支持したのであって、消費税率10%を直接的に支持したとは思えない。この辺がややこしいところ。

自民党内で、「今すぐ増税賛成議員」には、安倍さんが小泉さんの郵政民営化総選挙のように「公認剥奪」でもするのだろうか?彼らの選挙区に新しく、「今すぐ増税反対」の立場の立候補者をぶつけるのか?

 
まあ、郵政民営化反対で公認をはく奪された議員を呼び戻した実績がある安倍さんが自民内で票割れを起こすようなことはないでしょうね。

たとえば、まさか福岡で(今すぐ増税賛成を叫び続けた)麻生太郎さんが落選するとは思えない。
吉田茂の孫の麻生さんが自民を脱退することもあり得ない(自民党の定年制で今引退するとも思えないなあ)。

もう終わっている民主党は、確か増税賛成の立場を崩せないので、賛成を貫くのかな? 野田氏は未だに自分の政策(デフレ・増税)が正しいと確か以前新浦安駅で演説していたらしい。

だったら図式はわかりやすい。が、ニューヨーク・ヤンキース 対 楽天・イーグルス並の実力差の戦いになり、民主党はその存在にトドメを差されるでしょう。

したがって、有権者から見れば、解散してもしなくても国会議員の顔ぶれがあまり変わらないことが予想されるような気がする(自民が議席を伸ばすのか?)。

国会議員から見れば、すでに法律で決まっているものをひっくり返すために民意を問うという意義があるようだけど、正直、国民に電子アンケートでもとってくれれば、選挙なんかせずに、すぐに済むような気もしますけど。

自民党議員は演説カーで何を言うのだろう?
「前回、引き上げるとお約束した?、消費税増税を延期することをご理解いただきたい」

まさか。

街角から「2度と上げるというな」と言われて終わりだろう。

増税延期
増税中止
税率を5%に戻せ

の3通りで争点ができるとややこしい。ただし安倍さんもさすがに「中止」や「5%に戻す」はなさそうかも。

財務省から見れば、選挙の争点が、「消費税率が10%になるかならないか」ではなく、「いつ10%にするのか」になれば、近い将来の消費税率10%に国民の太鼓判をもらったことになるので、長い目で見た場合、実は彼らも勝利を得たことになるのではないでしょうか?

阿部さん、解散カードをちらつかせ、「今すぐ賛成派」を取り崩すのでしょうか。彼らが納得すれば、選挙する必要性がなくなるような気もしました。

株式投資家として、配当金非課税とか、NISA枠を倍増して無期限とかいう政策はないのかな?
(むしろ、消費税増税が厳しくなると、配当金にしわ寄せが来そうな気も)

個人的には増税中止派だけど、持続的な2%のインフレが実現したら、観念せざるを得ないかなあ。実際には2年後ぐらいにアップするんだろうな。

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2014年11月9日日曜日

不動産投資動向 アドバンスレジデンス(3269)業績報告会に出席

昨日開催されました。休日開催ということで参加。
私は現在保有していませんが、子供名義で数口保有しているので、モニタリングのために約2年ぶりに出席。

アドレジは賃貸住宅専門REITで日本最大の資産を持っているので、日本の賃貸住宅市場の今を知るのにもよいと思う。
アドレジ自体の印象としては、以前からと同じだが、コンサバ・手堅い運営を行っているように思われる。

またJ-REITに期待される投資利回り(配当利回り)は5%~6%程度なので、当社の投資目線は一般の個人で行う不動産投資よりずいぶん割高になる。個人だと、表面利回りが10%程度なければ投資に傾かない(最近はそんなこと言っていると何も買えないようだが)はずだが、REITだと67%程度で十分射程範囲ではないだろうか?

但し、立地も大都会とその近郊、駅徒歩10分以内、地区年数も比較的浅い、かつ比較的大型物件(10億円以上が目処)など良質物件(と思われる)にフォーカスしている。
したがって、「プチ大家」気分を味わいたい人にうってつけの銘柄。

ただし、「プチ大家」が不動産投資のドロドロしたところをよく把握していないので、やたら入居率とか立地にこだわるので、リターンも低く、経費もかさむ。まあ、仕方ないか。

私は、旧日本レジデンシャル投資法人との合併前から私名義で保有していたので、子供名義と通算するとかれこれ5年以上のホルダー。4500の分配金がすっかり「定期収入」となっている。
子供名義の運用からの配当金は、再投資する場合もありますが、もっぱら消費している。
今年の夏も、小学校6年の娘が、市が開催する団体旅行で北海道に4泊するという企画があり、その旅費4万円を配当金で支払った。そんな活用。

さて前置きが長くなったが、アベノミクスが居住用賃貸不動産市場には、資産の価格面では十二分に反映されており、家賃相場にはこれから反映されるか否か、といった感じだ。







こちらはアドレジポートフォリオ物件の過去4年間の賃貸契約状況の概要である。同社のHPから見ることができます(P15ですね)。

下に細かい字で記載されている注意書きは、上記の物件のデータは、サブリース・家賃保証など賃料が固定されているものや礼金の習慣がない外国人向け物件を除いた119物件が分母となっているようです(全部で約220物件、5500戸)。築年数は平均9.6年とのことで、東京圏内の平均よりちょっといい物件の推移、といった感じでしょうか。

左上から、退出した人の賃料と新しく入居した人の賃料を比較した増減率だそうです。会社側の説明では、第9期(20151月決算)では、ほぼ0%で、第10期(20157月決算)では3月の異動時期をまたぐので、おそらくマイナスから浮上できるだろう、と言っていました。つまりアベノミクスによる家賃への反映は2015年の3月の可能性が高い、消費者物価指数も要注目かもしれません。

左真ん中は、平均入居月数と契約更新率ですね。3年~4年の平均居住年数ですね。まあ、サラリーマンの転勤周期並みってとこか。更新率が安定化してきたという事は、家賃の値下げ合戦が引いてきたのか、アドレジの物件への満足度がそれなりにあるのか、そんなところか。

右上の募集関連経費は、これが不動産大家さんの実態を表していると思います。つまり、礼金よりも募集経費(仲介業者が出す広告費や彼らへの報酬)の方が多くかかっており、礼金が足りない状況を示しています。しかし、礼金をたくさん取ると、だれもそこに住みたがらないので、仕方ないのが現状です。

左下は、NERNet Effective Rentという指標があるらしい。言いたいことは、礼金と募集経費を契約期限である2年で按分したものに家賃を加えて、NERが家賃よりも多ければ経費が掛かりすぎている(家賃が安い)ということを示唆していると思います。

そして、これらを指数化してグラフにしたのが、右下。合併した20111月期を100として、現在どうなったか、ということです。

アドレジは民事再生した日本レジデンシャルを合併しています。その時、確かPBR0.5ぐらいの株価で合併したはずで、負の暖簾をいっぱいもらうことができました。

負の暖簾(のれん)とは、通常M&Aすると、BSの資産価格よりも多くの金額を払って買収するのですが、この時は不動産市況のどん底時期だったので、資産価格よりも大幅にディスカウントして買収できたので、バランスシートの負債・資本部分に暖簾が着いたものです。
つまり、100円のものを120円で買うのが通常のM&Aで、この場合20円が「のれん」、となります。
しかし、100円のものを50円で買うと、50円がBS上の「負ののれん」として自己資本組み入れができます。

アドレジはこの自己資本(剰余金)を活用して、築年数が古く、含み損のあるよくない物件を売約して、新しい物件を買い替える戦略を取っています(売却損を出しても、配当可能利益はその準備金を取り崩せば、確保できるので、投資家への分配金を引き下げずに済むから、投資家に負担を掛けずに、物件を機動的に洗い替えできる)。

したがって、入居率は改善傾向にあります(と言っても限界があるけど)。
NER指数も100を超えているという事は、まあ、募集経費もおさていて、礼金もしっかりとっていますよ、と言いたいのでしょう。

新規家賃契約指数、というのは新規契約した家賃・共益費収入の坪単価を対象物件の面積に応じて加重平均して指数化したものだそうで、これがプラスに転じることは、新規契約家賃が下げ止まっているのかもしれません(あるいは昨今の電気ガス代の値上げが反映されたのかもしれません)。
アドレジが言いたいことは、アドレジ全体の収益を引き上げるために、新しい物件を取得するばかりではなく、既存物件からも収益を上げているんです、つまり、小売業でいうところの既存店売上高がプラスに転じつつある、そういったことを言っているんです。

したがって、この記事の結論としましては、アベノミクス効果がついに、家賃にまで及びつつある、という事が定量的に確認できたかもしれない、という事でした。
もっとも、首都圏周辺の比較的築浅で、それなりの人が住む物件のことです。
物件取得価格の動向については、まあ、皆さん肌で感じる通り、高いようです。

アドレジは現在の配当利回りが3.4%程度です。同社の物件投資目線は5.5%前後の様です(NOI利回りベース)。したがって、今後もホールドで行きます。市場がパニックにでもなれば、買い増しを検討します。

最後に、「家賃を払っている方が、持ち家より経済的」と言っている「スマート」な人から、「チャリン」と配当金をかすめ取るのがアドレジ投資です。

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2014年11月7日金曜日

GPIF運用論争 郵貯運用、インフレ率、円高円安、消費税増税など つらつらと


ちょっと議論には遅すぎますが。

ずいぶん前から、GPIFの資金を「積極的に活用する」という議論がありました。

たぶん、小泉・竹中政権時代からも話があったように記憶しています。当時のGPIFの専務理事は「上場企業にROE8%」を掲げていたりしていたかと思います(その方は厚労省のいわゆる天下り役員だったと思いますが、志は潔し と思ったりしていました。しかし、その方が退任されてからは元の木阿弥)。

 

つまり、国内債券比率を60%から引き下げる、というものです(引き下げが先日発表された)。

この国内債券への投資には矛盾した議論が噴出していると思います。

 

GPIFとなると、目くじらを立てて、「安全第一」を叫ぶ声が多い(年金資金を株なんかで運用して、年金財政が破たんしたらどうするんだ、というものがもっとも多いような気がします。中には金融機関に対するフィーのばらまきだというよくわからない説もある)。

 

しかし、一方では郵貯の資金を国内債券(日本国債のこと)中心で運用すると、「国債が暴落したら、郵貯が破たんするから危ないので分散投資するべきだ」、という議論が多かった。

 

どっちやねん。一人で同じことを言っている人は、マスコミだけか???

 

GPIFの運用目的は年金。郵貯で預けている人の多くは、現役世代の生活資金や余剰資金あるいは年金を受け取った後の余剰資金あるいは生活資金ではないのか?

しかし、郵貯のほうはかなり大雑把に言って、運用原資は定期貯金がメインなので生活資金の余剰資金と言ってもよいと思う。

余剰資金と言えば、老後のため、家を買うため、学費のためなどが使用目的として考えられる。

 

つまり、GPIFも郵貯も運用目的の性格は基本的に同じだと思う(郵貯は任意の人の金融機関だけれどその存在は国民的と言っていいと思う)。しかし、片方では「国債に投資しないとヤバい」とあおり、もう片方では「国債に投資しているとヤバい」と煽る。

 

日本国債が暴落するのかしないのか、ということは私にはわかりません。たぶんしないと思う。財務省は「万が一暴落したら」、というワーストケースを(恣意的に)言っていると理解している。

 

ここで金融政策のブレがないことが重要ではないか、と経済学者でもない私が言うと笑い話かもしれませんが。

 

デフレ脱却を目指すのが、「安倍政権」なのか「日本全体」なのか。黒田さんの次の日銀総裁が先祖がえりのようなデフレ政策を採用する可能性がないのか(日銀法の改正)、財政再建が先かデフレ脱却が先か、、、。

総理大臣が「デフレ脱却が第一」、と言っているそばから副総理(財務大臣のあの方)は「増税第一」(消費税増税)、と言っていますから、聞いているほうは(私個人は)どこまで「本気」なのかわかりません(副総理のほうが総理より態度が傲慢で、そっちが本音だろ、と勘繰っているだけですが)。

 

デフレ脱却が第一なら、消費税増税を延期(できれば中止)すべきだと思います。そう宣言すれば、日銀緩和第二弾は不要だったと思う。みな安心して消費するでしょう。

 

インフレと関わりますが、仮に為替(ドル円レート)を安定化させたいのなら、米国インフレ率に連動したインフレ率を目指さないと、理論上は無理です(もっとも短期的には、円高になったり円安になったりしますが)。

金利もしたがってある程度上昇を受け入れなければなりません。

そうなれば、おのずと国債の比率をどうすべきか、という議論もスムースにできると思います。

円高も円安も嫌で、インフレもデフレも嫌で、金利は低金利がいい、要するに今のままがいい→そりゃ無理です。副作用なくして難病を治す薬をくれと言っているようなもの。

 

本気でインフレ率2%を目指すのなら、GPIFのポートフォリオ入れ替えは正しい判断だと思います。デフレでいいのなら、従来のままでいいと思います(GPIFはもう変更を発表しちゃったけど)。

インフレ率2%、名目GDP3%から4%とした場合、長期金利は確か学者さんは4%前後が理論上妥当と言っていましたので、今の低金利の国債の保有継続では、貨幣価値の維持ができなくなるので、結局年金財政の毀損を招きます。

 (郵貯銀に「積極運用」を進めているわけではない)

インフレになると、「日本は財政が最悪なので、国債が暴落すれば、国家予算が破たんする」。

イタリアやギリシアの国債金利がどうなったのかを見ても、どこまで悲観するのか、って気もしますけど。

PIGSの国債なんて、それこそヘッジファンドの空売り天国だったんじゃなかったのかな。

ハイパーインフレが発生する要因は、過去を見てみると、需要側ではなく供給側にあった。つまり、戦争で生産設備が破壊され、その後物資の供給が追い付かず、インフレになったというもの。第一次大戦後のドイツや第二次大戦後の日本が先進国では発生しています。需要側の要因ではなく供給側の要因だった。

 

ギリシアですら発生していないのに、日本で発生するとは思えない。ましてや消費税を2%上げなかったら国債金利がハイパーに暴騰するという結論には無理があると思います。

また、過去の日本の経済成長を見ても、バブル期の一時期を除き、インフレ率がプラスの時にGDPは確実に成長していました。賃金の上昇が遅れてやってくるので、何となく損した気分になるのでしょうが、一方では失業率も低く抑えられ、政治で最も大事な雇用は守られていました(雇用への価値観も当時は終身雇用だったということもありますけど)。生活保護者も少なかった。

 

日本の国の経済が成長できれば、税収が自然に上昇するので、消費税を増税して、景気悪化を招いて税収の増収を抑えるのとどちらが「国民フレンドリー」な政策なのかって気がします(当然私見は前者です)。

 

いろんなケースを比較せずに、単に消費税増税が真の財政再建だといっている時点で財務省とその族議員(自民税調)やその「ポチ」メディアのポジショントークって見え見えですよ。大体自民税調の野田氏ってのは、かつて小沢一郎とつるんでた人で、自民党を任意で一度出て行った人ですよ(その後自民にカムバックして、なんであんな重要ポストにいるのかは不明)。

 

財源をどのように確保するのかって足し算引き算の問題で、どこから財源を持ってきても、財政改革への効果は同じのはずなんですよ。GDP60%を占める個人消費に打撃を与える政策を進んで行う意図は、国民生活を考えた場合、おかしいと思う。

(消費税を増税すれば税収が安定するという説はあるが、益税(所得税・法人税など)が減るので、結局全体の税収はあまり変わらないか減少が見込まれている)

 

結局、日本経済を持続的な成長路線に回帰させるためには、デフレではなく、2%程度のマイルドなインフレで推進することが財政も考えた場合、最大公約数的に良い、ということであれば(だと個人的には思う)、多少の円安、多少のインフレ、多少の金利上昇は受け入れるべきかと。それを前提に国家経済運営を進めるのであれば、国が関与するGPIFはそれに従うべきかな、と。

自分たちの年金運用ならば余計にですね(もっともGPIFが運用している資金の多くは、今すぐ給付が必要とされていない余剰金ですが)。

 

もちろん金利や為替は市場で決まるので、その時々の激変時期は許容しなければならないと思う。

 

と言っている私もポジショントークかもしれません。結局みなさんが自分の立場でしゃべるので、安倍さんは早く成果を出したいでしょうね。しかし、賃金上昇は遅れてやってくる(はず)。

 

15年デフレをやったんだから、この10年ぐらい、インフレを試してみてもいいんじゃない?その結果を検証してみると面白そう。

 

一つだけ追加、安倍さんデフレ脱却、日本経済再生と言いながら、なぜ移民の積極受け入れは悲観的なのか、これが理解できない。移民に消費税、年金、医療保険(介護保険もついでに)を払ってもらえばいいのに。

財政負担をする人の一人当たり負担を増やすことばかりではなく、負担者の増加(人口の増加)も考えてほしいなあ。

売上高は、客数 × 客単価 で求められる。客単価ばかり議論しているのが今の日本。

 

つらつらとお付き合いいただきありがとうございました。

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2014年11月1日土曜日

10月の投資状況


率直に言えば、神様・仏様・黒田様・イエレン様ってところでしょうか。

決算開示たけなわですが、主力の「鉄板銘柄」である、フィリップモリス、IBMP&G、マクドナルドといったところや、フォードなどもdisappointmentな決算が続出で、気分もいまいちだったんですが、予想以上の米国GDP成長率やイエレンさんの労働市場へのタカ派発言に加え月末の日銀追加緩和とくれば、円ベースの総資産額は一気に上がりました。

日米中央銀行と為替だけ、といっても過言でもないかも?
そのドル円相場ですが、110円をあっさり抜けてきて、ちょっと「警戒空域」に入ったような気がしております。しかし、実際にはFRBが金利をこれから引き上げに向かうので、しばらくはドル高バイアスが続く、と見るのが一般的ですね。

FRBが金利を十分引き上げて、利下げをちらつかせ始めたら、FXでドル売り円買いのスワップでも入れようか、と考えています。2016年ごろかな?

但し、ドル円70円台から90円台にかけて、せっせとドルを買っていた身としては、110円を超えると高く感じるなあ。もちろんじっとしていても、月に500600ドルは配当金でドルがたまっていきますので、加重平均すれば両替レートはぐっと下がりますが(配当は必ず再投資に回しますので)。

予想通り、10月~11月にかけて「恒例の」調整局面となりましたが、調整期間が短いような気がしましたね。もう一回あるのかな?お金が続きませんが。

今月の売買

売り;なし

買い;Black Rock(買い増し)、MasterCard(新規)、沢井製薬(新規)


今月の配当状況
今月もやっぱり、円安頼みと言われても仕方がない、、、。ドル円は昨年末から6.8%のドル高です。予想受取配当金総額は昨年末比で15%に達しました。単純に考えればそのうち4割は円安のおかげという事になりますね。

増配
Kinder Morgan Inc +2.3% これで配当の予算達成
Abbvie           +16.6%

アッビイはアイルランドに本社移転させるために買収しようとしたM&Aが米国当局からダメだしされてしまったので、窮余の策として増配したのでしょうね。ただし、この銘柄はAbbottからの分社以来、ものすごい株価パフォーマンスなんです。最初は売ってしまおう、とも考えたのですが、今や孝行息子なので、もうちょっとホールドします。

さて11月以降ですが、同じことばかり言っていますが、好球必打で行くつもりです。できれば来年のNISAのために貯めておきたい気分ですが。
ところで、NISA拡充の話はその後、進展がないように思いますが、どうなったのでしょうね。
それから、今回の追加緩和で、消費税率10%は確実になったかもしれません、こっちは残念。



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