昨日開催されました。休日開催ということで参加。
私は現在保有していませんが、子供名義で数口保有しているので、モニタリングのために約2年ぶりに出席。
アドレジは賃貸住宅専門REITで日本最大の資産を持っているので、日本の賃貸住宅市場の今を知るのにもよいと思う。
アドレジ自体の印象としては、以前からと同じだが、コンサバ・手堅い運営を行っているように思われる。
またJ-REITに期待される投資利回り(配当利回り)は5%~6%程度なので、当社の投資目線は一般の個人で行う不動産投資よりずいぶん割高になる。個人だと、表面利回りが10%程度なければ投資に傾かない(最近はそんなこと言っていると何も買えないようだが)はずだが、REITだと6~7%程度で十分射程範囲ではないだろうか?
但し、立地も大都会とその近郊、駅徒歩10分以内、地区年数も比較的浅い、かつ比較的大型物件(10億円以上が目処)など良質物件(と思われる)にフォーカスしている。
したがって、「プチ大家」気分を味わいたい人にうってつけの銘柄。
ただし、「プチ大家」が不動産投資のドロドロしたところをよく把握していないので、やたら入居率とか立地にこだわるので、リターンも低く、経費もかさむ。まあ、仕方ないか。
私は、旧日本レジデンシャル投資法人との合併前から私名義で保有していたので、子供名義と通算するとかれこれ5年以上のホルダー。4500円+αの分配金がすっかり「定期収入」となっている。
子供名義の運用からの配当金は、再投資する場合もありますが、もっぱら消費している。
今年の夏も、小学校6年の娘が、市が開催する団体旅行で北海道に4泊するという企画があり、その旅費4万円を配当金で支払った。そんな活用。
さて前置きが長くなったが、アベノミクスが居住用賃貸不動産市場には、資産の価格面では十二分に反映されており、家賃相場にはこれから反映されるか否か、といった感じだ。
下に細かい字で記載されている注意書きは、上記の物件のデータは、サブリース・家賃保証など賃料が固定されているものや礼金の習慣がない外国人向け物件を除いた119物件が分母となっているようです(全部で約220物件、5500戸)。築年数は平均9.6年とのことで、東京圏内の平均よりちょっといい物件の推移、といった感じでしょうか。
左上から、退出した人の賃料と新しく入居した人の賃料を比較した増減率だそうです。会社側の説明では、第9期(2015年1月決算)では、ほぼ0%で、第10期(2015年7月決算)では3月の異動時期をまたぐので、おそらくマイナスから浮上できるだろう、と言っていました。つまりアベノミクスによる家賃への反映は2015年の3月の可能性が高い、消費者物価指数も要注目かもしれません。
左真ん中は、平均入居月数と契約更新率ですね。3年~4年の平均居住年数ですね。まあ、サラリーマンの転勤周期並みってとこか。更新率が安定化してきたという事は、家賃の値下げ合戦が引いてきたのか、アドレジの物件への満足度がそれなりにあるのか、そんなところか。
右上の募集関連経費は、これが不動産大家さんの実態を表していると思います。つまり、礼金よりも募集経費(仲介業者が出す広告費や彼らへの報酬)の方が多くかかっており、礼金が足りない状況を示しています。しかし、礼金をたくさん取ると、だれもそこに住みたがらないので、仕方ないのが現状です。
左下は、NER;Net Effective Rentという指標があるらしい。言いたいことは、礼金と募集経費を契約期限である2年で按分したものに家賃を加えて、NERが家賃よりも多ければ経費が掛かりすぎている(家賃が安い)ということを示唆していると思います。
そして、これらを指数化してグラフにしたのが、右下。合併した2011年1月期を100として、現在どうなったか、ということです。
アドレジは民事再生した日本レジデンシャルを合併しています。その時、確かPBR0.5ぐらいの株価で合併したはずで、負の暖簾をいっぱいもらうことができました。
負の暖簾(のれん)とは、通常M&Aすると、BSの資産価格よりも多くの金額を払って買収するのですが、この時は不動産市況のどん底時期だったので、資産価格よりも大幅にディスカウントして買収できたので、バランスシートの負債・資本部分に暖簾が着いたものです。
つまり、100円のものを120円で買うのが通常のM&Aで、この場合20円が「のれん」、となります。
しかし、100円のものを50円で買うと、50円がBS上の「負ののれん」として自己資本組み入れができます。
アドレジはこの自己資本(剰余金)を活用して、築年数が古く、含み損のあるよくない物件を売約して、新しい物件を買い替える戦略を取っています(売却損を出しても、配当可能利益はその準備金を取り崩せば、確保できるので、投資家への分配金を引き下げずに済むから、投資家に負担を掛けずに、物件を機動的に洗い替えできる)。
したがって、入居率は改善傾向にあります(と言っても限界があるけど)。
NER指数も100を超えているという事は、まあ、募集経費もおさていて、礼金もしっかりとっていますよ、と言いたいのでしょう。
新規家賃契約指数、というのは新規契約した家賃・共益費収入の坪単価を対象物件の面積に応じて加重平均して指数化したものだそうで、これがプラスに転じることは、新規契約家賃が下げ止まっているのかもしれません(あるいは昨今の電気ガス代の値上げが反映されたのかもしれません)。
アドレジが言いたいことは、アドレジ全体の収益を引き上げるために、新しい物件を取得するばかりではなく、既存物件からも収益を上げているんです、つまり、小売業でいうところの既存店売上高がプラスに転じつつある、そういったことを言っているんです。
したがって、この記事の結論としましては、アベノミクス効果がついに、家賃にまで及びつつある、という事が定量的に確認できたかもしれない、という事でした。
もっとも、首都圏周辺の比較的築浅で、それなりの人が住む物件のことです。
物件取得価格の動向については、まあ、皆さん肌で感じる通り、高いようです。
アドレジは現在の配当利回りが3.4%程度です。同社の物件投資目線は5.5%前後の様です(NOI利回りベース)。したがって、今後もホールドで行きます。市場がパニックにでもなれば、買い増しを検討します。
最後に、「家賃を払っている方が、持ち家より経済的」と言っている「スマート」な人から、「チャリン」と配当金をかすめ取るのがアドレジ投資です。
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