著者のふりーパパ氏は、実際にお会いしたことはありませんが、ちょっと憧れる存在の方で、エンジュクという投資日記サイトで連載されているブログはここ数年毎日欠かさず読んでいます。
その方が本を出版する、というので楽天で予約して、先日到着して早速読破しました。
ふりーパパ氏(当然ペンネーム)は、大学卒業後リース会社(東京リース?)に就職され、そこで金融の実務に携わり、その後、会社の元先輩から外資系証券会社(たぶんクレディ・スイスじゃないか)にヘッドハントされ、脱サラ後、今は悠々自適の投資ライフを送っていらっしゃいます。確か2014年からはニュージーランドに移住されている、という方です。
年齢はおそらく50代半ばだと思いますが、サラリーマンに疲れた人なら、うらやましく思う経歴ですね。
株式、不動産、FXを重ねて投資歴合計30年で5億円という事のようですが、初めの数年間はやはり浮き沈みがあったようです。
この本は、そんなふりーパパ氏(You Tubeからは実物が拝見できます)がこれまでどのような投資を行ってきたかが書かれています。
この本を読むと、彼が大学を卒業した1984年から今まで、政治経済的に何が起こったのか、その結果景気がどのように変動したのか、そういった中、どのように仕事や投資に向き合っていったのか、などが書かれています。
これからバブルが始まる、バブルの絶頂、湾岸戦争前後、バブル崩壊後(住専問題、地下鉄サリン事件)、日本の金融恐慌、小泉政権時代の好景気、リーマンショック、東日本大震災などなどといった時事的な出来事が出てきます。バブル前後は実に詳しく記載されているので、ちょっと懐かしかったですね。
彼の株式投資手法は、1990年過ぎから、ウイリアム・オニール氏の成長株投資にテクニカル分析を加えた「テクノファンダメンタル投資法」(とふりーパパ氏が名づけている)がメインです。
経営上のエポックメイキングな出来事により、新高値を取った株式を追いかけて、半年から1年で2から5倍の株式リターンを狙うようなイメージです。
彼が成功した株に
シマノ(1992年ごろ)、ニチハ(93年)、ユニ・チャーム(93年?)、メイテック、ローム、村田製作所(94年)、フルサト工業(96年)、カッパ・クリエイト(98年)、AOL(99年)、NOVA(03年)、レインズ(焼肉の牛角ですね)、シノケン(03年)、サイボウズ(05年)、EMシステムズ(06年)、ワッツ(06年)、鬼怒川ゴム工業(10年)、スカイマーク(10年)、JIN(11年)
等が上がっています。
よく見れば、今保有していても十分イケそうな銘柄(例、シマノ、ユニ・チャーム、村田製作所)も入っていて、興味深いです。
彼は、自分の型にはまった株を買って、利が十分乗ったら売り切るパターンですので、景気がピークになったり、株価が高値圏にあるときには、株に手を出さないようです。
これがまさにリスク管理と思いました。
そして相場が暴落すると、手に持っているキャッシュで、不動産を買い漁る(当然不動産市況も底値になっている)、給与収入の余剰や不動産の家賃収入でまた株式投資を再開する、というのがパターンの様です。
私のようなBuy & Holdタイプの投資家は、株価が下がれば、ミスターマーケットと心中しかないな、と半ば覚悟しているのですが、ふりーパパ氏の様に、市場にいるときといないときがはっきり分かれるように自分ができるかは非常に疑問です。
但し、新高値を追いかける成長株投資法というのは再現性が高いようで、彼がエンジュクで主催する投資塾の受講生の反響はものすごくいいようです。今ではエンジュクの看板講座のようになっていることから、株の初心者でも結果が出しやすいのかもしれません。この投資塾から億り人が出たそうです。
ふりーパパ氏は自らの投資歴をこの本で、サラッと書かれていますが、カードローンで数百万円引き出して、信用で株を買ったなど、かなりギャンブラーな側面も持ち合わせているようです。このような側面はブログでは全く想像つきません。
また、かなり投資の勉強に時間を費やしていたようにも思われます。
不動産投資に踏み切ったり、外資系証券に転職したり、ニュージーランドに移住をしたりと、結構行動力もおありです。
その辺のところを勘案して、自分の参考にすればいいと思います。成功した投資家の話って、やっぱり面白いですねえ。読む価値は十二分にあると思います。
ここで拝見して面白そうだったので読みました。
返信削除想像以上によかったです。まさにこういう成功した人の
実体験的なものがないかなあと思っていました。
ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
削除ふりーパパさんの投資はまねできないところがあるのですが、読んでいて楽しい本ですね。
株に関して突っ込んだ本をそのうち出版されるはずなので、それも楽しみにしています。