「鉄板銘柄」の一角、Johnson&Johnson(JNJ)は四半期配当を+6.1%引き上げると発表しました。
これで、52年連続増配となります。
JNJは医薬品、ヘルスケア商品(バンドエイド、ベビーパウダー他)、医療機器と広範囲にわたってヘルスケア製品を提供する、ヘルスケアコングロマリットです。
しかし、各セグメントでは世界1位、2位の事業の集合体であり、競争力は抜群です。
私がJNJに投資したのは、2010年の6月頃です。かれこれ約4年になりますね。
買った時に書いたブログ記事です。
(詳しい分析はこっちでお願いします)
1株60ドル未満で買っています。当時のドル円レートは88円前後でした。
したがって、投資としては今のところ成功しています(約2倍ですね)。
但し、当時マイクロソフトでもウォルマートでも、アメリカのブルーチップ銘柄なら、かなりの確率で投資が成功したと思いますが…。
当時の投資理由に、医薬品の後期パイプラインが充実していて、数年で開花するだろう、と予想していましたが、事実その通りになっています。
医薬品メーカーの多くは「Patent
Cliff」(先発薬の特許切れによる収益減少)に悩まされていますが、JNJはその特許切れによる売り上げ減少を補って余りある、新薬の販売に成功しており、売上高が順調に伸びています。
医薬品は、売れると、売上高原価率が低くなり、全体の利益率を引き上げる効果もあります。したがって、業績は堅調に推移する傾向にあります。
しかし、投資した当時は、OTCのリコール問題など品質問題やその対応が問題視されたこともあった。さらに、世界的不況で、特に整形外科関連の医療機器(人工関節とか)の売上高はあまり伸びていません。
よって買いに向かうのには、思案しました。
しかし、「腐っても鯛」でした。
また、JNJは投資家がヘルスケアセクターをポートフォリオに所望する場合、選ばれやすい銘柄であるといえましょう。
投資家はセクター横断的に銘柄を分散したいと思います。ヘルスケアセクターで何を買ってよいかわからない(あるいは、投資家への出資者;年金基金等 が安心できる投資先)場合、チョイスしておけば面倒な問題が起こりにくい、そういった銘柄なんじゃないかと思います。
ピーター・リンチですら、マゼランファンドの出資者の顔色をうかがうために「永遠の不発弾」と形容したIBMを保有していましたよね。
したがって、割高に評価されやすく、持っいて安心できる美人投票的な銘柄のような気がします。
+6.1%の増配は、正直寂しいです。しかし、配当性向等を考えると(50%ちょっと)、仕方ないかなあ、という気もします。
隙があれば、積極的に買いに向かいますが、現状の株価では、ゆっくりホールドして配当を楽しんでいます。よほどのことがない限り、売ることはないでしょう。持っているだけで確実に資産を増やしてくれる銘柄の一つです。
そういった経緯もありますので、ここ数年の業績の成長率は芳しくありませんが、今後もSolidな成長をしてくれるものと期待しています。
JNJの業績推移と日本企業との比較表です。
EPSはGAAPベースです。
Non-GAAPベースでも、年率4%程度の実績だと思います。今後は5~8%程度かなあ。
経営陣は、余剰資金の活用について、増配をめざし、余ったら自社株買いやM&Aだといっています。しかし、M&AはJNJのお家芸のようなところがありますので、多少のM&Aは必要な投資と割り切った方がよいでしょう。
M&Aは上手だと思います。適正価格で適正規模のポートフォリオの充実を図っています。昨年スイスの医療機器メーカーを買収しました。買収総額が2兆円を超えていましたが、この規模がJNJ史上最大のM&Aだといっていましたので、ニッチなテクノロジーをもった企業を買収していくのがメインです。
なぜなら、JNJをはじめ、欧米のメガファーマの最大の武器がMRと病院のRelationだからです。
優れたニッチな技術を彼らの持つネットワークで拡販することで、莫大な利益を得ることが最も投資効率が良いからです。
JNJは共同研究やM&Aで、医薬品、医療機器とも確実にパイプラインを増やしています。
ただ、図体がデカくなりすぎた可能性があり、成長スピードの鈍化は避けられませんが、それを経営していく能力には長けているので、安心です。
有名なものに「クレド」という経営理念書があり、各事業、各子会社は原則自由に経営してもよいがクレドの教えに従うこと、という「連邦制経営」が特徴です。
日本のカルビーの松本会長は、カルビーに移る前はJNJの日本法人の社長をやっていましたが、そこでクレドに出会って、経営者として成長出来た、とおっしゃっています。
↓ ↓ ↓
にほんブログ村
にほんブログ村