2024年2月17日土曜日

コンビニ業界に関する株主の存在 単なる雑感

先日、KDDIはコンビニ業界3位のローソンの株式の50%を取得し、三菱商事と同率でローソン株を保有する意向を発表しました。

私の日本株のポートフォリオでトップのKDDIがローソン株を持つことにショックを覚えました(だからと言って株を売ることはないけど)。


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それはさておき、これでコンビニ業界2位のファミリーマート(伊藤忠が90%以上株主)、ローソンと相次いで大手商社の傘下に入り、非上場化されてしまいました。


この2つのコンビニは元々、西友(ファミリーマート)、ダイエー(ローソン)が母体で、バブル崩壊後の不動産不況、消費不況時に傘下のコンビニを伊藤忠、三菱商事を主体として株を売却したことが現在の形の原型と言えます(当時は上場を維持したまま、大株主として君臨していた。役員を送り込み事実上子会社支配していたと思うけど。今や体制側の人となった経済同友会代表幹事の新浪さんは、三菱商事を経てローソンの社長をやっていた)。


西友やダイエーと言った流通業ではなく、総合商社のテコ入れで2社はセブンイレブンと並び、コンビニ業界の勝ち組として生き残りました。


よく言われていたのは、元々GMSの子会社で、親会社はGMS目線でしかコンビニを見ることが出来ず、時代の変化についていけなかった(要するに「所詮子会社だろ」という意識)というものでした。


一方、イトーヨーカドーですが、ここも子会社セブンイレブンの業績がヨーカドーを逆転するようになり、資本構成がいびつになっていました(子会社セブンイレブンの時価総額が親会社イトーヨーカドーより高くなり、ヨーカドーを敵対的買収すれば、ヨーカドーより高い価値のセブンイレブン株が手に入るという感じ。かつてライブドアがフジテレビの買収の際にフジテレビの大株主の文化放送株を取得したようなイメージ)。


結果、ヨーカドーは株式移転によりセブンアンドアイホールディングスと持ち株会社化し、ヨーカドーとセブンイレブンを並列子会社化することでフジテレビのような事態を避けました。

その後、セブンイレブンが主導権を握ってグループの再編を今なお実施しており、誰がどう見ても、セブンアンドアイホールディングスはセブンイレブンという感じに見えます。


セブンが独立経営を継続している要因は、ヨーカドーの業績が比較的堅調だったこともありますが、やはりセブンイレブンの「創業者」(社内ベンチャーのような感じでコンビニを立ち上げた)鈴木敏文氏の存在は大きかったと思います。

彼はコンビニという業態を日本に持ち込み、ヨーカドー仕込みの地域ドミナント戦略で業績を伸ばし、ヨーカドーグループ内で圧倒的な発言力を保持したおかげで、GMS傘下の子会社とはいえ、一目置かれる存在となりました。


資本のねじれ問題解消後も、海外株主からは西武百貨店、デニーズ、ヨーカドーなどの「低収益資産」の整理を求められており、粛々と実施しています。一方、セブンイレブンを海外で拡大するなど、事業再編のスピード感はまだ海外株主の満足感を得てはいないものの、正しい方向に向かっていると思います。


株主という「ガイアツ」を受けながらも、正しい方向(と思われる)成長を続けるセブンイレブンだけが上場企業として生き残った、というコンビニ業界でした。セブンが今なお単独で競争力を維持・拡大しているのは、もちろん経営戦略が良いと言こともありますが、「外部株主の目」という適度な緊張感があるからではないかと思います。


KDDIの株主としては、ローソンを取り込んだところで、シナジーのイメージが全く想像できません、、、。私としては楽天を取り込めば、ネット経済圏は国内でナンバーワンになれるとずっと思っているのですが、、、。


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