2014年5月31日土曜日

5月の投資状況



やっと年初来でプラスに転じました。S&P500+4.1%、ドル円レートが-3.2%(円高)で、差し引き+0.9%なので、1.5%は配当などを考慮するとまだビハインドという感じでしょうか。

10年国債の金利が、年初は2.99%で、ついに2.5%を割ってしまいました。ECBのドラギ総裁の利下げ観測から、相対的に米国債利回りが目を引く環境にあること(ドイツ国債は1.5%程度では?)、債券市場では米国の経済成長は足踏みしているという説、中国が買っていそうだという説(元を下げたい)などがあり、米国債もつられ高(金利は下落)の様です。

おそらく、これらの影響でドル円相場は年初来円高に振れていると思いますが、貿易赤字も大きいからか、黒田総裁が「これ以上の一方的な円高は理論的にありえない」と言ったからか、101円台で踏みとどまっていますね。

しかし、株式市場では、米経済は第2四半期から盛り返す、という意見が多いようで、S&P+2.3%で推移しました。
私のPF は急上昇局面では弱いんですよ。配当株が多くて。仕方ないけど。

今月の売買
売り:キヤノン(一部)、NTT(一部)、Dow Chemical(一部)、
買い:JT(買い増し)、Black RockBLK:新規)

少しいじりました。ちょっと業績の改善が厳しそうなキヤノンを最小単元とし、配当利回りが3%を切ったNTTは魅力が薄いと判断(でも1単元だけ売った)。$DOWは株価がやや高いのでは、という判断。

キヤノンの売却代金はそっくりそのままJTに(株価が接近していた)。JTの方が配当の将来性ありと考えた。

NTTDOWの売却代金は、かなりの部分が米国株になるような気がします。

日本株は、KDDIと沖縄セルラー(KDDIの上場子会社)をセットで考えると、JTNTTKDDIグループのウエイトがほぼ同じになった。これらの総額はAltria GroupMO)とほぼ同じぐらいなので、全体のPFでもバリバリの主力株となりました。


配当動向


売却した分が大きく、先月比マイナスで推移。
増配は、NTTですが、これは半期配当を90円と昨年10月に発表したものをそのまま年換算しただけ。

6月に向けて
持ち株を一部処分して軍資金は蓄えたので、あとは調整局面大歓迎です。

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2014年5月27日火曜日

「株で富を築くバフェットの法則」 その2


前回、参考になることがあまりなさそう、などと大言壮語をはいてみたものの、2回目に読み直すと、やっぱり参考になることが多かった。全然無知でしたね。
 
それは、
後半部分のポートフォリオ管理や心理学的なところ、特に忍耐力ですね。

グレアム・ドット村のバリュー投資家が長年にわたり、市場平均を打ち負かしてきたのは有名な話ですが、調査した期間(おおむね15年以上)の間、約25%から35%程度の間は、市場平均以下の成績だったが、最後に逆転し突き放すようなリターンであった点です。

チャーリー・マンガ―、ビル・ルーアン、ルー・シンプソンといった面々がそうだったというのは意外でした。

投資した期間の約3割の間は市場平均より低いパフォーマンスに甘んじながら、それでも自分の投資哲学を貫いていたようです。やっぱり正しい、と信じたことを貫くと結果も出てくるようです。 
合理性を持って、忍耐強く、時間をかければ、最後にバリュー投資は勝つ、そんな感じのことがさまざまな例や具体的な分析結果をもって書かれています。

言われてみれば、わかっちゃいるけど、難しい部分ですね。

特に、忍耐力でしょうか。ある程度、自分のポートフォリオ雪だるまが大きくなれば、我慢しながら投資する、というのもわかりますが(焦らなくても、それなりの資産が出来ているから)、まだ目標まで距離がある場合は、まず先に・・・と思ってしまいがちですね。


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2014年5月23日金曜日

「株で富を築く バフェットの法則」(最新版)を読んで

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これはロバート・G・ハグストロームの本で、翻訳初版は1995年に出版されており、新版が2005年、そしてこれが第三版となるようだ。私はこれまでこの本は読んだことはなかった。

バフェットに関する本はまあまあ読んでいる方だと思っているので、今更参考になるようなことがあるのだろうか、という思いで買ったが、一つだけ今までの本ではあまりかたられていなかった切り口があった。そこが一番参考になりました。

 それは、彼の経営者の見方の一つなのですが、

組織の習性に屈しない(縛られない)経営者か

という点です。

これまでのバフェット本では、この辺は単に、「株主本位の経営者か否か」とか、「資本配分がしっかりでできているか、意思決定が合理的か」とか、「株主に率直かつ誠実な人物か」といったような表現が多かったように思います。読んでいても、特に感心することもあまりなかった。

しかし、この本では、多くの企業の経営での資本配分に関する意思決定に関し、合理的に考えればシンプルだが、実際の資本配分がひどいのは「組織の習性」と呼ぶ見えない力が働くからだ、とバフェットが看破したと記載されています。

「組織の習性」が働くと、①組織が従来の路線を変えようとしない、②余剰資金を使うためのプロジェクトや買収計画を作り出す、③リーダーが惚れ込んだ事業は、馬鹿げたものであっても、部下が利益率や戦略を細かく分析してサポートする、④(買収や役員報酬など)同業他社の行動を何でも無批判に模倣する、などが起こるが、みんながやっているからそれが正しいとは限らない、と言っています。

従来とは異なる意思決定や方向転換をするのは容易ではないが、経営者は短期的な利益をあきらめても、長期的に良い方向へ転換することを株主に納得させなければならない。

組織の習性に抵抗できないのは、企業のオーナーよりも、経営者が根本的な変化を受け入れられない時に多くみられる。経営者が大きな変換の必要性を理解しても計画の遂行は難しくてできないことが多い

などなど…。

バフェットが未だに日本企業に簡単に投資しない理由がよくわかったような気がします。日本では株主が企業のオーナーだと、頭でわかっていても行動が伴いませんからね。経営者はむしろ組織の代表という暗黙の了解があるような気がします。

経営不振に陥っている日本を代表する東西のAVメーカーなんてのは、まさしくこのパターン。

それと永田町と霞が関も結局これと同じだろう。太平洋戦争に突っ込んだ旧日本帝国海軍も同じような思考回路だったんだろう。

もっともバフェットが言いたかったのは、経営不振の企業よりも(彼は基本的に経営不振企業に興味がない)、経営がよくとも、他社のまねをして、高いプレミアムで買収を行うような経営者だったり、ノンコアビジネスにしがみつくような経営者のことを指していると思います。

バフェットは経営者を見て投資する、とよく言われますが、一方で、経営者はいずれバカな奴に交代するから、ビジネスモデルがしっかりした企業を買え、ビジネスモデル(経済の濠が深い企業)がしっかりしていると、多少経営者がバカでもそれなりにやっていける、とも言っています。どっちが本当なのだろう?

コカコーラはゴイエスタやキーオのあとはちょっとイマイチの経営者だった時期もあったなあ。彼らの前の1970年代のコカコーラも多角化で失敗したが、それでもそれなりの利益率でしっかりした会社だったよなあ。
良い経営者がよいビジネスを経営している時に買う(かつ割安)のが一番なんでしょうね。



一方、ウエルズ・ファーゴのように、大株主になってしまえば、「彼らの経営は素晴らしい」とけん制して、企業が投資銀行業務やトレーディングに過度な業務拡大を未然に防ぐサウンド効果もあったりするのかな、と思ったりします(バフェットは、経営陣の仕事を誉めながらも、暗に商業銀行業務に専念しろ、と言っているのではないか。結局それが正解だったのですが…。)。

この本では、バフェットがどのような経緯で、バーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道を買収したのかが知りたかったなあ。あの買収は見事だった。一方、私も同じだが、IBMは苦難が続いていますね。

ダイヤモンド社の本で、1800円だったら、時間がゆするのなら読んでみてもよいか、という感じだろう。私はお風呂の中で読むための本、という位置づけで買った。

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2014年5月17日土曜日

ジョン・テンプルトン卿の相場格言 強気相場は絶望で生まれ・・・


上場株式投資に限れば、ウォーレン・バフェットよりもすばらしい実績と称賛を受けた、伝説のファンドマネージャー、ジョン・テンプルトン卿の相場格言に
強気相場は絶望で生まれ、懐疑とともに育ち、楽観とともに成熟し、幸福感とともに死んでいく

というのがあります。




ケン・フィッシャーによると、今の株式相場は、「懐疑と楽観の間ぐらい」 と言っています。 Still、強気相場の中にいる、まだ半分強気相場は残っていると。(注:アメリカのことを言っています。)


(Mega Capを買うのがよい、とも言っています。バスに乗り遅れた人が買いそうなことと、業績が一貫して安定しているからとのこと。ここで一発調整局面があれば、楽観に移行したようなものだ、とも言っていますね。ただし、調整があるか否かはわからないと)

経済新聞や経済評論家さんたちの話は、まだ楽観強気論半分と、慎重論が半分程度のような気が、ざっくりとします。

慎重論者の方は、「雇用の質」、「労働参加率」、「中国バブル」、「ウクライナ情勢」、「賃金上昇率が低い」、「貧富の格差が広がる」 と言ったことが主因となっています。
しかし、いかなる強気相場にも、そのような心配の種は付きまとっており、それを最後はかいくぐってユーフォリア(幸福感)にまで達していたと思います。

また、慎重な意見を言った方が「頭がよい人」と思われる可能性が高まることと、人間は弱気で悲惨な記事の方に目が向きやすいという心理的要素もあります。結局、記事は読んでもらってナンボですしね。

楽観的意見が外れると、ドヒンシュクを買いますが、慎重意見が外れて、アップサイドに振れた場合、不満を言う人は少ないですね(注:本来なら「儲け損ね」なので、文句があってもいいような気もしますけど)

「今回は違う」( This time is different ) というのもありますが、いつも結果は同じだった。
(これも、テンプルトン卿がよく言っている言葉でしたね)

個人投資家のグルの様な人でも、意見が分かれているので(例;広瀬氏は短期的に慎重論、堀古氏は超強気)やっぱり「懐疑で育つ」のではないでしょうか。

S&P500はなんだかんだ言っても、年初来プラスで推移しています。
Sell In Mayは大歓迎しますが、いつか分からないので、狙った銘柄がストライクゾーンに来ればバットを振るようにしています。

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2014年5月10日土曜日

Black Rock(BLK)に参戦


米資産運用会社Black RockBLK)に参戦しました。初めてNISA口座を使いました。

株価     301ドル

予想PER  14.45Yahoo! Finance

配当利回り 2.56

EPS成長率 16%(過去3年平均)

予想(期待)EPS成長率 10%程度

総資産運用額(Asset Under Management; AUM4.3兆ドル(430兆円)

1988年に、プライベートエクイティを中心とした、ブラックストーンから債券運用部門として独立し、M&Aを重ねて成長した会社。

AUMは世界最大の会社。
FranklinFranklin Resources社。Franklin Templeton Investmentと言った方がわかりやすいかもしれません。そうです、あのJohn Templeton卿が引退したときにFranklin社に自分の会社を売却したところです。


Legg はLegg Mason社です。かつてエースファンドマネージャーで、ビル・ミラー氏が活躍していました(現在はファンドマネージャーを引退しているはず)。


他は日本の証券会社系アセットマネジメント会社です。日本のアセマネ会社のEBITDA%は営業利益率+3%とざっくり計算しました。米国3社の営業利益率とEBITDA%の差が約3%だったからです。


各社売上高の中には、信託報酬や販売手数料が混じっています。


資産運用会社は、AUMからもらうマネジメントフィー(信託報酬)がメインのビジネスです。運用残高は景気の波があるものの、大きな変動はあまりなく、確実なキャッシュフローが見込めるビジネスモデルです(もちろん、株式ばかりで運用すれば、運用資産残高も澤上ファンドのようになってしまいますが、債券ファンドを運用していれば、かなりクッションになります)。


原則として、規模の経済が働きます。BLKと野村では、従業員当たりAUMAUM当たり売上高率(平均信託報酬率とでも言いましょうか)は似たような数値ですが、EBITDAマージンは3倍以上も違います。


Franklinはどちらかと言えば、個人向けが中心の様でして、従業員当たりAUM94億ドル程度ですが、平均信託報酬率は0.95%と抜群に高く、きめ細かな資産管理を行っているといえそうです。


事実、BLKは元々債券運用会社としてスタートし、メリルリンチ証券から債券運用部門を買収し、リーマンショック後に英国のバークレイズからiShaersETFブランドを買収するなどパッシブ系の資産を増やしています。また、顧客に占める機関投資家の割合が、Feranklin25%、BLK50%とBLKのホールセールぶりが目立ちます。


成長ドライバーはAUMをいかに増やすか、という事ですが、景気回復に伴う自然増(注;景気が停滞すれば債券は安定的な推移をする傾向がある)やM&Aによる規模拡大です。


折しも、ETFやインデックスブームと言ってもよい状況でもあり、有力ブランドであるiSharesを有するBLKは個人向けに攻勢をかけています。




2013年初めごろ、一時株価が160ドル台になったことがあり(確かバークレイズから買収した資産運用会社の株式の残りを買い取る際、株式交換を申し出ていたと思いますが、その際、自社の株価をそのぐらいで評価したので、株価が急落した)、ここで真剣に買おうか考えて、150ドルを切ったら買おう、と思って待っていたら、株価はあれよあれよという間に300ドル台になってしまうという間抜けな過去があります。


業績の安定性に比べて、株価はベータ値が高そうですが、世間でETFやインデックスが流行ってくれれば、こっちは儲けものですので、博打ではありませんが胴元が得をするパターンだと思っています。


配当利回りは2.5%とやや低めですが、成長率は10%程度見込めそうなことと、NISA口座なのである程度相殺されると思います。


ただし、5年で売却するとは思っていないので、5年後どうするかは考えものです。
当面、金利上昇の声が聞こえると、株価は軟調になるかもしれません。


アニュアルレポートを抜粋


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