2015年2月2日月曜日

Chevron(CVX)、2014年第4四半期決算コンファレンス、CEO John Watson メモなど


総投資額に占めるシェアが高いので、どうしても気になります。石油・天然ガスセクター

CVXCEOのテレカンのコメントメモランダム

業界の一般論として、世界経済が年率3%~4%で成長した場合、エネルギー需要は年率1%~2%の需要の増加が見込まれる。

このうち、石油が1%程度、天然ガスが2%程度の需要増加ペースだと思う。

 

一方、既存の油田・ガス田(Base Business)は、特に油田の場合、放っておくと年率15%の割合で減っていく。それを投資などで、なんとか年率3%~5%の減少に抑えている。Chevron2014年、3%以内の減少に抑えることができた。

 

したがって、油価が50ドル程度で推移した場合、とてもではないが大深海、シェール、オイルサンドなどでは採算が合わないので、おそらく誰も生産したくなくなるだろう。したがって、50ドルの油価が継続することは、“Unsustainableであると信じている

 

(つまり、需要が1%~2%増えるのに、Base Business3%も減っていくのであれば、継続的に埋蔵量の水準を維持するためには、新規の油田・ガス田は必ず必要になる。さもなければ、埋蔵量はジリ貧になる。そうなるとエネルギー資源の枯渇問題になる。したがって、新規の探索は必須であるが、今の油価だと、新規では、採算割れなので、だれもやらない。よっていつか油価は上がるという意味です。私が以前から楽観的に見ている根拠です)

 

Chevronでは、現在行っている新規プロジェクトには優先的に設備投資を行うが(GorgonWheatstoneLNGやメキシコ湾深海油田など)、2017年以降を見据えた投資(注:シェブロンでは2017年に生産量を今より+20%増加すると数年前から投資家にコミットメントしている。ありていに言えば中期計画の目標。)はペースダウンさせる(設備投資を対前年比▲13%とする。それでも310億ドル、約3.6兆円にも上ります!!)。

2015年は、FIDFinal Investment Decisionは昨年からの積み残しの1件以外)は、たぶんないと考えている)。

したがって、2017年以降の埋蔵量や生産量への影響があるかもしれない。これは他の石油会社も同じようなものだと思う。

 

といった内容でした(抄訳)。以下は私見です。

50ドルが“Unsustainable”である、という点はごもっともだと思います。

いずれ油価はリバウンドするだろうといった趣旨はFordでも、Dow Chemicalでも、Proctor & Gambleでもテレカンで似たり寄ったりのコメントがされていました(ポジショントークな人もいるかもしれませんが)。結局、シェール油田の生産調整が確認されたころに(2015年下半期ごろをイメージ)、油価底打ちだろう、といったコメントが多かった。

 

一方、シェールオイルの生産コストを下げるためには、穴に注入する水の再利用とケミカルのコストを引き下げることだと以前述べましたが、こういった点を改良したInnovationによって、さらにコストダウンされる可能性も否定できません。

但し、+1%~+2%、▲3%~▲5%の穴埋めをするためにはシェールだけでは無理です。

 

したがって、どこかで、100ドルとは言いませんが、ある程度落ち着くところに落ち着くのではないか、という印象を依然持っています。

 

結局は自分が最初に見通したイメージと遠くはなかったので、あとは事態を見守っていくこととします。

但し、みんな同じ景色を見ていそうだ、という点が落とし穴にならないか、まだ一抹の不安が残りますけど。

細かいことは3月の定例の全社アナリストミーティング(Investor’s Day)でまた話をするそうです。

 

個人的には、ホールド路線を再確認です。あまりにも売り込まれた場合は、他のPFとの整合性を考えた程度に、買い増しをしてもよいと勝手に思っています。

 

Chevronは一応オイルのスーパーメジャーと呼ばれていますが、Exxonと比較すると、規模は約半分程度です。

しかし、その辺はCVX経営陣もわきまえていて、あくまで効率重視、堅実経営を貫く社風でして(もちろんExxonも堅実ですがBPShellと比較すると規模は劣れど効率性はぐっと良い)、まあ何とか乗り切るでしょう。

とはいってもまだ数四半期は流動的な業績・株価が続くことを覚悟しています。

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