2021年1月11日月曜日

楽天証券 新春セミナー 米国株式市場動向 堀古英司氏 日米金利差



去年の夏は多忙で参加できなかった楽天セミナー。21年冬はネットで聞きました。毎度おなじみの堀古さんの講演。内容をまとめてみました。 

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今年は「S&P500が何%アップ」とか明確な数値は言わなかったと思います。相場全体に対しては、基本強気だがマスクもしっかりしてね、というトーンでした。

マスクの意味は10%程度のボラティリティが大きい相場になるだろう、という趣旨です。

なぜボラティリティが大きいのか、といえば、金融緩和が継続するのでリスクオンになりやすい、すなわち金融相場であると。

米経済のリセッション懸念は、確かに経済指標はリセッションだが、原因がコロナとわかっているのでコロナが収まれば(多少の時間はかかるが)回復するだろうというのが見立てです。

本当の意味でのリセッションは米国の過去を振り返れば、インフレが高騰したときかバランスシート調整(資産価格が急落して借金の整理を行う)の時しか深刻なものはないらしいです。

これを堀古氏は「ニセション」と言っていました(それぐらい米国経済に強気)。

S&P500PERは確かにやや高いが株式益回りと国債金利のギャップは依然3%~4%もあり、国債金利比で見ても割安に入る。

そして、米実質金利(長期金利―予想インフレ率)もマイナスとなっていて、キャッシュや国債でマネーを温存すると「損」する状況なので、カネは多少のリスクをとらざるを得ない、と。

LEMONというサイトから。少し薄くて見づらいですが、19年の後半にFRBが『ちょっとぐらいインフレでも金利は下げません』と言って以来、実質金利は大幅に落ち込んでマイナスとなっています。

 

上記のグラフは講演で堀古氏が示したグラフを一応メモって再現しました。米国の各資産別の残高のようです(単位:兆ドル)。

実質金利がマイナスで国債にこんだけ持っていてもダメなので株式、金、ビットコイン(BTC)を始めとした資産にお金をある程度振り分けざるを得ないだろう、と。

しかし、債券からリスク資産に投資するファンドマネージャーは元来リスクを嫌う人なので、何かあるとマネーを移動させやすい傾向がある。したがって、リスク資産の価格がぶれやすい。

金やBTCは国債市場から見れば非常に小さいので、少しのお金が入ればすぐに相場は動きやすい。

 

以上がマクロ的な分析です。この辺は広瀬隆雄氏とおおむね同じ見解だと思います(今は金融相場の入り口で株式相場には強気だと。ただし、広瀬は2021年のS&P500は3%と弱気でした)

広瀬氏と共通するのは、民主党政権になっても経済政策は大きく変更しない可能性が高い、という点です。米上院で民主党が過半数を確保しても大きな法案を通すには60人の票が必要なため。

 

個別銘柄のアイディアは、GAFAには依然強気でした(PEGレシオが低いと言っていた)。

あとは銀行株や住宅株に強気、というのは広瀬氏と違っているが、多分相場の時間軸の捉え方の差ではないかと思います(広瀬氏の場合、目先数か月程度、堀古氏の場合2021年を通して言っていると思う)。

 

最後に日本の実質金利を紹介。


アメリカとは真逆にコロナショック後、冬のコロナ患者増加でプラス圏内に突入してしまいました。

これは予想インフレ率が下落してしまった、多分デフレを予想、ためだと思います。名目金利はこれ以上下げられない・下げる必要がない、という議論が日本では主流なので、こうなってしまいます。

 

何が言いたいかと申しますと、アメリカの実質金利はマイナスで日本の実質金利がプラスだと、ドル安円高の方向に為替は向かう可能性が高いことです。

 本当にデフレが継続して、円高になれば日本は本格的な不況に陥ってしまいます。

不況が長引くと、相関的に自殺者が増えてしまいます。自殺者の多くは生産年齢(15歳~64歳)の男性です(失業との関係性が強いと言われている)。

自殺に至らなくとも鬱などになってしまう人も増えるそうです。

一方、コロナに感染して死亡する人の多くは高齢者や既往症の人で、死亡率もある程度算定できるそうです。

結果、自殺者が増えるのとコロナで死ぬ人を比較すると絶対数では自殺者の方が多いようです。

緊急事態宣言が悪いとまで言いませんが、やるんだったら財政をもっと大盤振る舞いして、せっかくアベノミクスで食い止めたデフレを回避しないと本質を見失うことになると思います。

貴重な生産年齢人口の減少防止の方が国益だと思います。

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