FRBのパウエル議長さんは米国議会で、インフレ抑制を徹底する、結果的に景気後退になることもあり得る、的な発言をして、当面インフレ退治が雇用よりも最重要課題であると示唆しました。
アメリカのインフレ率はそろそろピークアウトする、と言われていましたが6月は悪化してしまい、かなりヤバいような気がしてきました。
アメリカのインフレ率の内容は
1)パンデミックによるサプライチェーンの混乱
2)ロシア・ウクライナ問題によるエネルギーや食糧品の値上がり
3)過剰な税制支出によるアメリカの強い消費
この3つがミックスされています。
金融引き締めで「退治」できるのは、3)であり、1)と2)はアメリカだけではどうにもなりません。1)は今となってはゼロコロナ・チャイナ・習近平、2)はプーチンが重要で、結局アメリカ経済の敵は習&プーチンという政治的な敵とイコールである、という皮肉な現状です。
(個人的には、3)はバイデン政権が落としどころを早く見つければ、エネルギー価格はある程度落ち着くと思うけど、、、)
したがって、利上げにより3)は落ち着いても、インフレ率はどこかで高止まり(FRBの目指す2%~2.5%と比べて高いという意味)する可能性も大きそうです。
(いつものYardeni Reserchさんの資料から)
S&P500のPE倍率とインフレ率のグラフです。よく「S&P500の過去XX年の平均PER倍率は(16倍~18倍)なので、今は割安(割高)」というフレーズを聞きますが、ITバブル以降、「平均」の言葉がむなしく感じますね(グラフ青線で左目盛り)。
これを見る限り、「平均」で適正PERを探るのは困難な気がしました(笑)
現在のインフレ率が今後どのように推移するのかは、予測が付きません。70年代のようなことになるかもしれませんね。
さらに、Erarnings(予想利益)も、下方修正リスクが顕在化してきました。これまでは需要が強いのとサプライチェーン問題などで、ガンガン在庫を貯めていたのが、インフレが収まらず、消費者の財布のひもが固くなってきました(住宅ローン金利上昇に伴い、住宅着工件数等が頭打ち)。過剰在庫の削減、過大倉庫面積の削減などチラホラ聞かれるようになりました。
つまり、PERの倍率そのものの下落リスクに加え、予想利益の下落リスクという「ダブルプレー」の可能性を考えてしまいます。
まだ、膿を出し切った感じはしないので、じっくりと行きたいと思います。かつ、ITバブル以降、景気後退とは「ハードランディング」するもので、「ソフトランディング」した記憶がないので、今回も「ハードランディング」するのじゃないかと疑心暗鬼になります(証券会社はソフトランディング説を唱えると思いますが、それは商売上のこと)。
金曜日にPayPalの恩株とWBD(ワーナーブラザースディスカバリー)の全株を売却しました。通常株式売却後はドルでプールしますが、円転しました。
8月~11月は鬼門のようなモヤモヤが残っています。ナントカショックはこの時期に発生しやすいので。
- ブラックマンデー:1987年10月19日
- ルーブル危機 :1998年8月~11月
- ITバブル崩壊 :2001年9月ごろ(同時多発テロもあった)
- リーマンショック:2008年9月~11月(一番大きかったのは、リーマンブラザーズの破綻後に米議会で公的資金投入の法案が1回目は否決されたとき)
このようなショックがなくとも、この時期はヘッジファンドや投信の決算とか(ほんとかどうかわかりませんが)で下がりやすく、例年は、11月ごろからクリスマスラリーで上昇するような展開です。このラリーで年初からの下げの一定部分を挽回できるでしょうか?
自分のポートフォリオは、原則Buy & Hold的な感じなので、特に慌てることもありませんが、やっぱり相場の動きに一喜一憂してしまうのと、絶好の投資機会と思っても、思ったキャッシュがなかったりするので、やっぱり株式投資は簡単ではありませんね(笑)
応援お願いします。
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