2022年6月26日日曜日

株式投資の雑感 20220年6月26日

FRBのパウエル議長さんは米国議会で、インフレ抑制を徹底する、結果的に景気後退になることもあり得る、的な発言をして、当面インフレ退治が雇用よりも最重要課題であると示唆しました。

アメリカのインフレ率はそろそろピークアウトする、と言われていましたが6月は悪化してしまい、かなりヤバいような気がしてきました。

アメリカのインフレ率の内容は


1)パンデミックによるサプライチェーンの混乱

2)ロシア・ウクライナ問題によるエネルギーや食糧品の値上がり

3)過剰な税制支出によるアメリカの強い消費

この3つがミックスされています。

金融引き締めで「退治」できるのは、3)であり、1)と2)はアメリカだけではどうにもなりません。1)は今となってはゼロコロナ・チャイナ・習近平、2)はプーチンが重要で、結局アメリカ経済の敵は習&プーチンという政治的な敵とイコールである、という皮肉な現状です。

(個人的には、3)はバイデン政権が落としどころを早く見つければ、エネルギー価格はある程度落ち着くと思うけど、、、)

したがって、利上げにより3)は落ち着いても、インフレ率はどこかで高止まり(FRBの目指す2%~2.5%と比べて高いという意味)する可能性も大きそうです。

(いつものYardeni Reserchさんの資料から)

S&P500PE倍率とインフレ率のグラフです。よく「S&P500の過去XX年の平均PER倍率は(16倍~18倍)なので、今は割安(割高)」というフレーズを聞きますが、ITバブル以降、「平均」の言葉がむなしく感じますね(グラフ青線で左目盛り)。

これを見る限り、「平均」で適正PERを探るのは困難な気がしました()

現在のインフレ率が今後どのように推移するのかは、予測が付きません。70年代のようなことになるかもしれませんね。

さらに、Erarnings(予想利益)も、下方修正リスクが顕在化してきました。これまでは需要が強いのとサプライチェーン問題などで、ガンガン在庫を貯めていたのが、インフレが収まらず、消費者の財布のひもが固くなってきました(住宅ローン金利上昇に伴い、住宅着工件数等が頭打ち)。過剰在庫の削減、過大倉庫面積の削減などチラホラ聞かれるようになりました。

つまり、PERの倍率そのものの下落リスクに加え、予想利益の下落リスクという「ダブルプレー」の可能性を考えてしまいます。

まだ、膿を出し切った感じはしないので、じっくりと行きたいと思います。かつ、ITバブル以降、景気後退とは「ハードランディング」するもので、「ソフトランディング」した記憶がないので、今回も「ハードランディング」するのじゃないかと疑心暗鬼になります(証券会社はソフトランディング説を唱えると思いますが、それは商売上のこと)。

 

金曜日にPayPalの恩株とWBD(ワーナーブラザースディスカバリー)の全株を売却しました。通常株式売却後はドルでプールしますが、円転しました。

8月~11月は鬼門のようなモヤモヤが残っています。ナントカショックはこの時期に発生しやすいので。

  • ブラックマンデー:19871019
  • ルーブル危機  :19988月~11
  • ITバブル崩壊 :20019月ごろ(同時多発テロもあった)
  • リーマンショック:20089月~11月(一番大きかったのは、リーマンブラザーズの破綻後に米議会で公的資金投入の法案が1回目は否決されたとき)

このようなショックがなくとも、この時期はヘッジファンドや投信の決算とか(ほんとかどうかわかりませんが)で下がりやすく、例年は、11月ごろからクリスマスラリーで上昇するような展開です。このラリーで年初からの下げの一定部分を挽回できるでしょうか?

自分のポートフォリオは、原則Buy & Hold的な感じなので、特に慌てることもありませんが、やっぱり相場の動きに一喜一憂してしまうのと、絶好の投資機会と思っても、思ったキャッシュがなかったりするので、やっぱり株式投資は簡単ではありませんね()


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