PBRとはPrice Book-value Ratioの略で、大雑把に言えば、株式時価総額がその企業の株主資本(自己資本)の何倍の価値があるか、という指標です。
PBRが1倍というと、帳簿上の株主資本と釣り合っていることになります。
PBRが1倍を超える場合は、超えた部分はその企業の付加価値といいますか、見えない資産という風に考えられています。
しかし、皆さんご存知の通り日本ではPBRが1倍を割れる企業がたくさんあります。
日経平均銘柄の平均PBRは現在1.3倍程度です。東証プライム市場に上場している約1800社のうち、PBRが1倍を割れている銘柄数は実に856社(2月17日現在)に上ります。
東京証券取引所は、今後プライム市場に上場し、PBRが1倍を割れている企業に、企業価値を高める取り組みとその進捗状況を開示しろ、と指導することになるようです。
(日経新聞電子版2023年1月31日)
今のところ、もし達成しなかったらどうなるか、などのペナルティまではさすがに聞きませんが、経済産業省の産業政策が東証の背中を押していると言われています。噂に過ぎませんが、プライム市場に留まるための基準の一つになるかもしれません。
ということは、これらの銘柄が、今後必死になって利益を拡大させるか、自社株買いや配当などの株主還元を充実させるなどの施策を取る可能性が今まで以上に高くなるかもしれません。
主なPBR1倍未満の銘柄
大和ハウス工業 0.98倍
パナソニックホールディングス 0.88倍
三菱商事 0.88倍
日本製鉄 0.77倍
三井住友FG 0.66倍
など
誰でも知っている大手企業がズラリと並んでいます。
これらの企業はPBR1倍割れが継続すると、証券取引所から「イエローカード」を突き付けられる可能性があり、そうならないように手を打ってくると考えています。
(注:個別銘柄の推奨をするものではありません。投資はご自身の判断でお願いします。なお私は自分名義で日本製鉄株を、妻名義で三菱商事株をそれぞれ保有しています)
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