2024年6月17日月曜日

新NISAによる外国株式投資ブーム?と為替レートや為替介入など雑感

 

投資する人のかなりの人が、外国投信・ETFに資金を向けているようです。

あれだけたくさんの人が、「インデックスとドルコスト平均法で買う」「買うなら世界分散か米国S&P500」といっていて、NISAやiDecoの推奨銘柄?もそのようになっていれば、「何か投資を始めないといけない」と考えている層には、そうなってしまうだろう。

家計の円売り、はや前年上回る 新NISAで1〜5月5.6兆円

日本経済新聞電子版 2024年6月17

同期時によると、タイトルの通り、2024年に入って、投資信託会社などを通じた海外投資(株式・債券)は、5月末までで5.6兆円となっているそうだ。

毎月1兆円以上!!

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(日経新聞同記事から)
2024年は1月から5月の「中間報告」で、それ以前は1年間がグラフの単位となっています。
同記事では、『みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストは為替ヘッジもあるため、5.6兆円のすべてが円売りとは言えないものの「年初来の円安相場に関係がないと考えるのは難しい規模になってきた」と語る。その上で「従来の機関投資家をしのぐ円売り主体が生まれたとみることもできる」と指摘する。』

といっていますが、WEALTH ADVISORによると、為替ヘッジは多くなさそうです。


2024年5月単月のネットベースの資金流入した投信の上位10社の合計額は7567億円でしたが、為替ヘッジ「あり」は『三井住友ワールドボンドフォーカス』だけで、『あおぞら・新グローバル分散ファンド』は記載が見当たりませんでした。

この2つを取り除くと、合計6658億円が為替ヘッジなしになります。実に88%を占めます。

単純に考えると、5.6兆円のうち約4.9兆円程度が為替ヘッジなしの可能性があります。

ゴールデンウィークごろに財務省が実施した為替介入が8.5兆円前後といわれていますので、そのうち為替介入額を追い抜くでしょう、、、。

為替介入は、やりすぎるとアメリカから「為替操作国」と認定される羽目にもなるので、次の1手は非常に慎重になると思います。

「為替操作国」認定はめったになさそうですが、以下の基準があるようです。

(1)米国に対する貿易黒字が年200億ドル(約2兆1千億円)以上
(2)為替介入による外貨購入が1年で6カ月以上かつ国内総生産(GDP)の2%以上
(3)経常黒字がGDP比で2%以上――のうち、原則として2つに該当すれば「監視リスト」に、3つすべてに当てはまると為替操作国への指定を検討する。

1:2022年で679億ドル
2:日本のGDPを600兆円とすると、8.5兆円の介入で1.4%になる
3:経常黒字は25兆円で、600兆円で割ると4%です

したがって、2は2%を12兆円とすれば、後「タマ」として残っているのは3.5兆円程度です。それを超えると、「監視リスト」に入ってしまいます。

アメリカのイエレン財務長官は、盛んに為替介入に否定的な発言をしています
(さすがにアメリカを怒らせることはないと思う。また、「もしトラ」も現実味を帯びている。トランプ氏はドル高は好きでない)

したがって政府・財務省は日銀に圧力をかけているのだと思います(けどすべて裏目に出ているのが市場の面白いところ)。

円高に戻すためには、米国の金利低下、日本の金利上昇などが手っ取り早いですが、その時は日本も景気後退に入りかねません(日本が金利を引き上げても、米景気後退が始まれば、短期で日本も金融緩和をせざるを得ない)。

NISAで投資した個人が一斉に投信を売却して円に戻す、というのは考えにくい。NISAによる投信買い付けが円安の要因の一つというのはあり得るかもしれません。

個人的には、「為替防衛」のための利上げは、ほとんどトルコのような国しか知りません。


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