2013年4月6日土曜日

絶頂の株式相場






黒田日銀総裁が期待以上の金融緩和を打ち出したこともあり、4月に入り調整色も出始めていた株式市場は大幅反発して終えました。

この勢いが、ニューヨークにも伝播して、雇用統計がダメだったにもかかわらず、ダウ平均、S&P500も思ったより下落しませんでした。ドルは97円台を回復してしまいました。

こうなれば絶好調宣言ですね。

雇用統計以外にも、足元のアメリカの経済指標はややソフトなものが多いので、好材料出尽くし感、にならないのか心配です(今回の景気回復期は毎年春から夏にかけてソフトになるのが特徴)。けど、下がれば買うのが私のスタイルなので、実は歓迎?

来週はいよいよアルコアからスタートする米企業の第一四半期決算の発表があります。

個人的なイメージでは、第3四半期から米企業の収益が回復に向かうとみており(これって極めて平均的なんですね、残念)ます。

ただ、いろんな企業の決算を何年も読んでいると、何となくそんな感じがするんです。昨年の第2・第3四半期と言うのは、QE2で高騰した材料費を末端価格に転嫁するのに四苦八苦していた米国内市場とドル高ユーロ安で決算数値が目減りしていました。あれから1年、欧州圏内は底ばいで為替がそれほどドル高でなければ、自社株買いやリストラと米国内の柔らかな回復などで、幾分EPSは回復するはずだ、という読みです。

 
アベノミクスのうち、金融緩和策は実行に移されました。これまで円高デフレを肯定していた人からは、「期待だけで実体経済はよくならない」とか、「財政再建をやらなければ『悪いインフレ』になる」とか、「成長戦略が伴わなければ意味がない」とか、「さらに格差がつくだけで『庶民』には恩恵が無い」とか、様々なことが言われています(特に、日銀の「広報担当」だった産経を除く日刊紙や御用学者)。

リスク要因を無数に並べて、数年間じっと眺めていれば、確実に一つぐらいヒットするかもしれません。副作用のない薬はない、とも言いますね。





 
しかし、重要なことは、今回の黒田総裁の「戦力の逐次投入はしない」といった件で日本が自信を回復しつつある、すくなくとも「やれそう」というマインドが出来つつあることではないでしょうか?

戦場に向かう兵士に、どういった檄文を読み上げるのかに大将の器量が出るところであることは、彼らが「戦意」というものを非常に大事にしているからです。

もちろん、戦意だけでは戦に勝てませんが、戦意が無くては勝てる戦も勝てなくなるというものです(戦前の竹やりでB29を撃ち落とせ、といったものはゴメンですけど)。
 
太平洋戦争でも、これまでのデフレ対策でも、小出し小出しの対応で、後手後手に回ったことが敗因の一つでもありました。

但し、日本人は自信喪失と自信過剰(バブル時とか)が両極端に来るようなところがあるので、ほどほどがいいのですが…。何事にも同質性を押し付けてしまう教育の悪影響かもしれませんね。


先に資本市場から潤い始めるのかもしれませんが、プラスの影響は確実に消費に良い影響を与えると思います。

株価が上がっても庶民には無縁、と言われても、ドル/円が70円台や日経平均が8000円前後をうろうろしていたころから、株やREITを買い続けていた人が、ロクに自分で調査もせず、流されるままにタンス預金か郵便貯金に置いたままの人と同じ報いであるわけにもいきませんからね。

しかし、そういった人にも徐々に別の恩恵が来るのでしょうね。


短期的には米経済指標がソフトになりがちな季節である点に注意しましょう。取引代金の過半数がガイジンマネーの日本ですからね(ジャパンマネーは国境を超えていて、ガイジンマネーが国内を席巻している不思議な構図)。
 

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2 件のコメント:

  1. 貴殿は日本の商社株、海運株が今どうなっているかチェックしていますか?
    中国経済や資源価格に左右される商社、海運は昨年の白川総裁が打ち出したバレンタイン緩和以降の最高値すら越えられませんから。そして今年の高値から10%以上すでに下降中ですね。
    つまりアメリカを除けば外需はよくないことを意味してますね。来週のアルコアの決算もコンセンサスよりかなり悪いはずです。それを織り込んでダウ高値推移にもかかわらずアルコア株は低迷中ですね。
    また日経平均の爆上げにしてもユニクロが一人上げで牽引している部分が多く、円安による業績回復だとかマスコミが言っているような状況ではないはずです。
    「景気の気は気持ちの気」と言いますから景気付けに黒川緩和のようなものがあるのはいいのですが消費税を上げるための一時的なものであることもお忘れなく。黒川総裁についてマスコミは国際金融畑に精通しているかのような経歴のみを強調しますが、氏は財務省出身でも長く主税局に従事していた人物です。つまりいかにして国民に課税していくかを企画立案してきた人、前回の消費税増税にもかかわっている人であることをお忘れなく。そして消費税増税後はまた日本国内は景気低迷になるでしょうね
    アメリカ株それもグローバル企業メインに投資していればアベノミクスなんぞ問題ありませんがあくまでアベノミクスは蜃気楼でしかないことも肝に銘じたほうが良いかと思われますよ・・・

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    1. ご忠告有難うございます。グローバル企業にさらに投資する所存です。

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