2013年8月31日土曜日

8月の投資状況



相場並みの結果となりました。

シリア問題、FRBの金融緩和EXIT懸念、次期FRB議長人選、日本は消費税問題?などがあった、というより、日米とも過去約1年間の上昇がやっと一息ついた、という感じがします。

米国債10年金利が2.75%と年初来約+1.0%アップになっています。一方、日本は落ち着いているようです。

個人的な予想がたまたま当たっただけですけど、EU圏は底入れかな、と思う兆しが出てきたことと、意外と中国もEUに連れられてなのか、持ちこたえていますね(けど、はじけるなら、さっさとはじけしまえ中国バブル、って気もしています)。

その他新興国は厳しそうですね。新興国に直接投資することは元々あまり興味がないのですけど、投資先企業の業績に為替も含めて影響してきますね。


我が日本は、消費税増税論争真っただ中ですが、東京オリンピック開催決定とセットで増税かなあ、と予想せざるを得ないですね。

オリンピックと言っても2020年ですから、まだ7年も先…。けど、決まればまた(無駄な)国費を投入するんでしょ??? 

これだけ国債金利が低いのに、増税しないと国債相場が荒れると言っているのは理解に苦しむ(一方で住宅ローン金利引き下げ競争ですね)。

そもそもインフレターゲットが成功すれば、財政が良くなるので、増税なんてもっと様子見でいいのにね。

若い世代としては、医療費の改革をもっと切りこんで欲しいですね。

増税すると景気の勢いが落ちるから補正予算なんて言っている人(特に副総理)は、もっと理解に苦しむ。だったら増税するなよってことじゃない? あの人、上から目線でモノ言う割には、ピンボケなこと多いですね。

結局、この時点で強硬増税したいという人は、予算が欲しい霞が関と、「地元」にばら撒きたい政治家の思惑およびそれにぶら下がる御用商売の方たちですね。新聞社は「権力のポチ」に過ぎませんから。

自社の世論調査で、世論は現時点での消費税増税に慎重な回答が大勢を占めているのに、「決断の時」、「決められない政治」なんて書いていますからねえ。あきれてものが言えない。


リンク先の産経新聞の田村氏のコラムでも同じようなことが記載されていますね(彼の場合、日経新聞社への妬みもあるような気もしますが…)。

田村秀男の経済がわかれば、世界が分かる


 
ふりーパパさんのブログ辺りが、マトモな人の考え方だと思いますけどね。


 
確かに「悪い」円安になれば、日本政府や金融機関の保有する米国債の価値や日本企業の海外資産あるいは私の様な弱小個人投資家の海外資産価値が上がるので、国家の資産負債のバランスはある程度保持されるような気はしますね。

消費税が増税されると、ますます新聞を買う人が減ると思いますけどね。「節約第一」に逆戻り。

この強引さには第二次世界大戦中の大本営発表時代と何が進歩したのか、私にはわかりません。

とまあ、これ以上愚痴っても仕方ない。みんなが選んだ自民党ですからね。

 
今月の売買

買い:アルトリアグループ(買い増し)

投資も夏休みにしよう、と思っていましたが、かなり安くなったと思ったので、買いました。配当利回りが5%を超えて、毎年7~9%も増配する銘柄の魅力に勝てませんでした。アメリカ「内需型」企業でもありますので、インドだブラジルだ、といった海外の雑音にもマイペースです(国内の訴訟問題はウザいけど…)。

売り:なし

今月の増配

アルトリアグループ 9.1%増配

今年はまだマクドナルドとフィリップモリスそして、日本のプラネット辺りに増配期待が残っています。ひょっとしたら年末にはフォードも。

 



年初来、予想受取配当金は23%のアップです。Yield on Cost6.5%をキープしています。

ちなみに時価に対する配当利回りは、3.59%となっています。


だんだん資金投下ポイントが読みづらくなっていますが、あらかじめ自分の望む投下ポイント(レンジ幅)で、買えるといいなあ。そのレンジが年々切りあがるんですけどね。
 
 
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2013年8月24日土曜日

アルトリアグループ、最強の連続配当株の一つ


Altria GroupMO)を買い増ししました(少しですが)。

タバコ銘柄比率を抑制する方針ですが、MOほど投資目的に合致した銘柄もなく、最近割安だと思ったので買いました。

MOがどのような会社であるかについては、以前の記事をお読みください。


このMOへの現時点での期待は、当時の記事と同じで、毎年79%の連続増配を今後も継続してくれることです。

昨日(今朝未明)に、2013年度も9.1%の増配を発表しました。


買った直後に偶然増配の発表があり、その時点では約5.7%の配当利回りだった計算になります。5.7%の配当利回りは、一般的なJ-REITよりも優れています。

一方、私のMOに対する平均購買株価に対する配当利回り【Yield on Cost】は、9.7%に達します。仮に昨日買い増ししなければ、10%を超えていたと思います(注:米ドルベースです。正確に為替を計算すれば、YOCは確実に10%を超えると思います)。

もちろん、2009年ごろは、超悲観相場だったので、MOは配当利回り79%前後で売っていましたが…。

しかし、私が初めてMOを買った20091月頃のDPS$1.32ぐらいでしたので、昨日の発表では$1.92になりますので約4年半で45%の増配を行っていることになります。おおむね年率9%のペースですね。

連続増配株は、投資家はその株を持てば持つほど配当キャッシュフローが膨らんでいきます。

不動産投資に例えるなら、毎年家賃を7~9%引き上げるようなものです。

ただし、初めの発射台(買った時の配当利回り)によっても、将来の受取配当の総額が変わってきますので、できるだけ高い配当利回りの時に買うように心がけています。つまり、株価が割安な時に買うということですね。




上の表は、1000の投資資金で、配当利回りが各々2%、3%、5%、8%のを買ったとして、その後、配当が何%の成長をすればいくらになるのかをシミュレートしたものです。

オレンジのハイライトは、配当利回り3%の株を買って、その配当が年率7%の増配をした場合を指しています。これは、私がポートフォリオ全体で、一つのめどとしているラインです。PF全体で配当利回り3%とし、毎年7%の増配が予想できるように売買していきます。

(本当は10%ぐらいの成長率がほしいのですけどね…。)
本来、配当利回りの高さと、DPSの成長率は相反することが多いです。経営者は、事業の成長が簡単ではないと感じるからこそ、配当で投資家を引き付けようとしますね。
しかし、MOはやや特殊で、たばこ産業というCash Cowな業界に所属するため、あまり将来の成長資金を必要とせず、利益の85%を株主に配当で還元する政策をとっています。したがって、PERの割に配当利回りが高く出てしまいます。

しかし、コスト削減や値上げ等で、毎期着実な利益アップもありますので、増配ができる、という感じです。

上の図ではブルーのラインをイメージしています。
一方、不動産などへの投資は、初めは高い利回り(家賃―諸経費)÷物件価格をたたき出しますが、どちらかと言えば家賃は人口減少やデフレの影響を強く受けていますので、将来の受取配当(家賃―諸経費)はダウンサイドプレッシャーが強いと思います。

(家賃―諸経費)÷物件価格=8%というのは、不動産投資でも中の上の部類だと思います。

特に諸経費は管理費以外にも修繕費や固定資産税などもかかるので、表面利回り(空室なしの満室事家賃÷物件価格)が、12%~15%ぐらいの物件になると思います(構造によりますが)。さらに、1365日満室であるとも限りません。

また、借り入れで不動産投資を行った場合は、8%の配当から借り入れの元利金返済があります。

しかし、レバレッジを用いれば、少ない手元資金で大きな投資ができますね。そうすれば80のキャッシュフローは比率は同じでも、絶対額を大きく膨らませることができますね。




ただし、MOにも独特のリスクもありますので(昨年の私の記事をご参照)、こういったCFの特性が似たような銘柄を分散して保有することが、ヘッジになると思おいます。


もっとも、ロリラード、レイノルズタバコなどタバコ銘柄以外で、同じような効果のある銘柄を探すのは容易ではないですけど…。


私は当面、フィリップモリス、ジョンソンエンドジョンソン、マクドナルド、シェブロン、プロクターアンドギャンブル、IBMMO、シスコといった米国ブルーチップに、NTT、花王、セブン銀行、キヤノン、KDDIといった日本株を織り交ぜて、平均利回り3%、配当金の成長率7%を目処のコアポートフォリオ構築の基盤を固めていきたいと思います。

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2013年8月17日土曜日

ポートフォリオ概況 第13位 Chevron(シェブロン、CVX)





しばしご紹介するこの銘柄。詳しく取り上げたいと思います。

シェブロンとは紋章の形の一種を指すそうです。1911年に独禁法によりロックフェラーのスタンダード石油は解体されました。その際、CVXはスタンダード石油・オブ・カリフォルニア(Standard Oil Of California:ソーカル)に分社され、しばらくして、石油メジャーの原型であるセブンシスターズに数えられていました。

その後、テキサスの石油会社テキサコと合併し、現在シェブロンと名乗っています。

CVXは西側民間石油会社では、石油・天然ガスの生産量はエクソン、BP、シェルに次いで第4位ですが、時価総額では第2位です。規模の経済がモノを言うこの世界で、堅実なバランスシートで効率的な経営が身上です。

ダウ平均採用銘柄30銘柄の1社です。

個人的な印象にすぎませんが、エクソンと一味違う戦略を取っている様に思います。エクソンは昨年撤退しましたが日本に大きく投資していました。CVXは韓国にかなり投資しています。

エクソンはロシアに肩入れしていますが、CVXはポーランド・ルーマニアなどアンチロシア諸国に進出しています。またカザフスタンで巨大な油田を操業しています。




項目

コメント

会社名(ティッカー)

Chevron Corporation (CVX

本社所在地

カリフォルニア州サンラモーン

何をやっている会社?

  石油・天然ガスの採掘・生産・精製・流通販売会社で、バリューチェーンを垂直統合していることら統合石油会社と言われています。但し、利益の9割はUpstreamと言われる採掘・生産部門です。

投資時期、平均購入価格

201110~20137月まで

現在の株価、バリュエーション

以下、Yahoo! Finance USAより(8/16)

通貨は米ドルベースです()はドル=円とした場合

 

株価

119.88 (8/16終値)

2011EPS

 12.34

2012年予想EPS

 12.06

予想EPS成長率

 -2.0%

時価総額

 232.4Billion (22.5兆円)

実績PER

 9.71

予想PER

 9.82

DPS

 4.00

配当利回り

 3.30%

増配率

過去10年平均:年11.1% 26年連続増配中

EV/EBITDA

 5.36

年初来暴落率

 10.0%(ダウ平均15.09%)

投資ストーリーは何か?

     長期保有。インフレ率より効率的な経営を行うことで実質的な利益成長の果実を配当で得る。

     西海岸の企業であり、主要マーケットを米国と東アジアにフォーカス。アジアの発展を取り込む。

     アルゼンチン、ポーランドといった大国の隣国でシェール開発を行っているので、長期的にはそれらの取り込み。

経営陣のコミットメント

   株主還元の第一は増配である、と明言している。

   2017年までに、生産量を今より30%以上増加させると言っています。

今後何を期待するのか?

     株主へのコミットメントの着実な実行。

強みは何か?

     経営効率が良い。1バレルあたりの利益額は石油メジャーではトップ。

     やっぱり政治力かな。ブッシュ政権の辣腕の側近だったコンドリーザ・ライス元大統領補佐官・元国務長官は当社の元社外取締役です(切れ者女性でしたね。ブッシュ親子2代に渡ってアドバイザーを務める)。

弱みはあるのか?

   会社内部で課題と思われるところは、特段見当たらない。最近操業事故が多いので、少し気になる。

リスクは?

     現在、西オーストラリアの巨大LNGプロジェクト、GorgonWheatstoneが建設中です。これらのおかげで毎年の設備投資額が3兆円を超えています(12年度の純利益は約2.7兆円)。ここ数年の豪ドル高で建設費が高騰して、投資採算悪化を招くリスクがあります(但し、成功すると全社の生産量も15%以上アップします)。

     エクアドルから訴訟を受け、182億ドルの損害賠償を言い渡されています。国際裁判所に控訴する予定で、おそらくこんな巨額は支払わなくともよいと思いますが、不利な判定を受けるリスク。CVXの話を聞く限り、私はCVXがシロだと思っています。大半の投資家もそのように考えていると思います。

     エネルギーの供給過多による値崩れリスク。OPEC諸国は今では裕福なので、無理に増産するリスクは小さいが、ないとは言えない。

     ナイジェリアなどアフリカでの操業は地元ゲリラの邪魔にあって、生産が計画通りに進まないことがある。

成長機会

     西オーストラリアのLNGプロジェクト、カザフスタンの油田の増産、アルゼンチン、ポーランドのシェールガス等、石油・天然ガスの開発パイプラインは充実している。

競合先

     エクソン・モービル、BP、シェル、トタル、コノコフィリップスなどの西側石油会社に、ペトロブラス等の新興国の半官半民メーカー。

     Tier2会社としてスタットオイル、Eni、日本の国際石油開発帝石など数は多い。

売るとすればどんな時?

     今は思いつかない。永久保存とまで言い切れないが、この世に石油・ガスがある限り??? 配当をゼロにしたら売る。

その他

     株価は割安とも言われていますが、ここ数年の上昇を考えると、もう少し下がってから買いたいところ(といってこれまでは買い時を逸していた)。

ファンダメンタルズと株価チャート(Morningstarより)



 ジム・クレイマーが「株式投資大作戦」にて、「長期投資するならポートフォリオの1社に石油株を入れるとよい。配当利回りがいいから」と書いていて、石油株を調査し、シェブロンを買うに至りました。

石油会社は西側では、かなりグローバルな展開を行っています。CVXもナイジェリア、アンゴラ、カザフスタンなどに生産拠点があります。これらはまず、米政府の外交圧力で、石油等の採掘権を入札させ、そこに入っていくという形が多い。最近はイラクで採掘権を得ました。

 なぜなら、BRICsのような新興国では、自国の国営石油会社に採掘権を優先的に渡して、メジャーはなかなか埋蔵量の確保に苦心させられているからです。

 ただし、ペトロチャイナなどまだまだ技術力はメジャーに追いつかない国営企業には、高い技術力(大深海採掘、シェールで有名になった水圧破砕など)で対抗する形になっています。技術供与のために国営企業と合弁するという形も多い。

 
お金さえかければ、石油・天然ガスはいくらでもある、と考えられるため(採算に合わなければ生産しませんが)、将来的な供給過多がちょっと不安ですね。

 
個人的には日本のメタンハイドレードの試掘にも、シェルやエクソンといった日本で貢献したメジャーに技術供与を受ければ、もっと効率的な開発が出来そうな気がしていますが、「日の丸」にこだわっているのが残念です。



 
石油を1バレル生産すると約24ドルの純利益になるそうです(現在ブレント価格は111ドル前後ですから、21%も利益になる計算)。

現在、日量石油天然ガスの生産量が2.5百万バレルですが、これを2017年までに3.3百万バレルに伸ばすといっています。日量80万バレルの純増ですが、仮にこれらもバレルあたり24ドルの純利益を生むとすれば、計算上は70億ドルの純利益増加になります!!!

2012年度のCVXの純利益は237億ドルでしたので、約317億ドル、+34%の純利益増加になります(これにあと精油部門の利益も加わる)。



過去10年の増配ペース、自社株買いおよび、実質無借金のバランスシートを意味しています。

 
当社のリスクは石油価格が下がることです。北海ブレントが100ドルを下回ると、黄色信号になると思われますが、なんだかんだ言っても、中国でもインドでも自動車の販売は成長していますし、天然ガス(LNG)の需要も増加する予想になっているので、長期的には楽観しています。




家庭の電気代・ガス代の上昇に対抗するには、その元栓である石油会社の株を保有することがリスクヘッジになると思います。
 

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