2015年4月25日土曜日

モーニングスター社 2015年米国株投資の好機をとらえる 米国株式・ETFセミナーに参加しました。


425日、大手町のサンケイビル。

感想は

一言でいえば、「米国株取引をマネックス証券で、バンガードETFを中心に、やってみましょう。キーワードは低コストですよ」というセミナーというかPR会でした。

なんでモーニングスター社が主催したのか、よくわからん、そんな感じがしました。

第三者であるモーニングスター社がこの2社を引き立てるためにやったのか??? マネックスが自分で主催すればいいのに。


内容は

松本大社長の基調講演。今なぜ米国株取引を勧めるのか、といった内容。

バンガード社の社員による、同社のETFについての「さりげない」PR

マネックス証券の社員による、同社の米国株取引の(楽天やSBIと比較して)優れた点。

3人(川田バロンズ拾い読み編集長、春山昇華氏、そしてマネックスの広木氏)のパネルディスカッションによる、2015年の米国株相場予想

 

4本立てでした。

 

肩までどっぷり米国株に浸っている私にとっては、基本的な内容ばかりでしたが、そういったことの確認や、ネットでは見たことがある人を実物で見たりできた(といっても遠く檀上を眺めていた程度だが)、あるいはその基本を再確認できた、そんな一日でした。

 

みなさん米国株取引のメリットは、長期でじっくり構えて、十分それなりのリターンが取れそうである、という事でしたので、コンセプトは私にあっていました(連続増配株投資なんて話は微塵もなかったが)。

しかし、楽天証券でBlack Rockの株を保有している私にとっては、アウェーのような感じが少ししました。

(ちなみに、子供名義の株取引は、マネックスでやっているので、顧客ではあるのですよ。また、アメリカのモーニングスター社の有料会員なので、参加資格は十二分に満たしていたと自負はしていますが

 

ところどころ突っ込みたい箇所がある。

松本社長の基調講演で、日本の株価が上下するのは、政府主導の政策がらみが大半であり、アメリカ株においては企業業績がそのドライバーになっている点が違っていて、アメリカの方が資本主義的で、株主フレンドリーな相場環境である、という解説がありました。

おおむね、その通りなのですが、今回の強気相場の発端は、ほかならぬ、米国のFRBによるQEでした。ほかの国の経済をなりふり構わず犠牲にして(最大の犠牲者はほかならぬ日本。もっとも日本も対抗して金融緩和をしなかったのが悪かったのだが)、自国株式市場をジャッキアップしていましたね。その説明が欠落しているので、最近の人は気が付かないんじゃないか?

アメリカの金融政策が株式市場に大きく影響を与えるので、上記は多少言いすぎだと思います。


あとはやはり、米国株では、株式と為替のリターンが狙える、というくだりは、長期でどっしり、というスタンスなら、むしろ円高リスクを吸収できる株価リターンが期待できる、と言ってほしかった。この下りは良くないと思う。実質金利は歴史的に米国より日本の方が高いので、今後また円高に振れるリスクは十分ある(その辺は日銀の緩和政策の転換点に気を付けろ、というアドバイスだったが、確かに相場的にはその通りだが、構造的な実質金利差を指摘してほしかった)。

松本社長の内容は、たぶんに米国株投資に自己宣伝のバイアスが結構入っている匂いが他のコメンテーターより多かった。

3人のパネルディスカッションは、よく言えば気さくで飾らず、ざっくばらん。悪く言えば、ヤル気あるのかよ、って感じでした(相場の将来はよくわからん、という本音だが、一応それなりに見通していたといった感じ)。しかし、おおむね誠実な内容だったような気がしました。3人とも初めてでした。春山氏は以前はよくブログを読んでいましたので、ネット上ではよく存じ上げていました(ブログの内容がちょっと高度過ぎて、最近は読んでいない)。

ここで重要な、かつ、基本の見直しができました。春山氏は、米経済は好景気の中盤戦に差し掛かっている。という感想を述べた点です。

私がよく参考にしている人で、ケン・フィッシャー、堀古英司氏、広瀬隆雄氏なども米経済はこれからが本番、的なコメントを幾度と聞いていたので、また別の人からも同様の内容が聞けたことは、まだ2年程度は大丈夫、という個人の相場観を一層強くさせてくれました(といっても本当にどうなるかは、わからないが)。

3人に共通していたのは、米国株は今年、せいぜい数%程度の上昇、ドル円には達成感があるので、これ以上の円安はあまり期待できない、といった内容でした。

ざっくり言えば、業績相場ってことでしょう。

 

それと最後に驚いたことは、モーニングスター社の呼びかけだったからか、米国株に興味がある人=少なくとも基本的な英語ができる? ということからか、参加者の平均年齢が非常に若く感じた点です。

楽天証券や会社説明会など幾度と参加していますが、47歳の私が平均的な年齢だったかもしれません。いつも私は参加者では「若手」だと自負できるような参加者層でしたが、今日の人たちは若かった。投資ブームになってきたのかなあ?

 

参加した人に配られたパンフレット類は、ほかのセミナーより実用的なものが多く、おおむね良かったと思います(米国株銘柄で人気がある50社を四季報的に紹介してくれたりしている。東洋経済の米国株四季報よりしっかりしているんじゃないか)。

 

バンガード社のETF、インデックスファンドは、やっぱりBlack Rock社の最大のライバルですねえ。あっちがファンド出資者=株主の構図だからなあ。経費率値下げ合戦は続くだろうなあ。それでも両社とも成長できる余地はまだまだあると信じていますが。

 

モーニングスター社の有料会員(米国)の私にとっては、シカゴから本社のディレクターを呼んできて、同時通訳付きで、セミナーをやってほしかった。その方が為になった、それがちょっと物足りなかった。

ちなみに同社(シカゴ本社)の銘柄推薦は結構いい線行っています。Black RockAbbott LaboratoriesKinder Morganは、同社が盛んに推薦して、その後自分で調べて買った銘柄です(もちろん完璧でもありませんし、私もいつも従っているわけでもなく、当然ながらリスクはご自分で取ってくださいね)。

似たようなセミナーがあったら、また参加したいです。けど本物のBob Johnson、Christine BenzさんやMatt Coffina氏の話をぜひ聞きたい(参加者が少なそうなので、実現は容易ではないが)。

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