2021年6月20日日曜日

バブル世代がバブル期を振り返る 1989年その2 1989年の出来事 グローバリズムの始まり






 

その1で、アメリカに留学していたこととその当時の生活を書きました。今回はそこから見たもの、感じたものになります。その1での前提がないと今回のその2につながらないからです。

それは、6月に天安門事件が起こったことでした。

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当時、UWMの学生寮で生活していました。ラウンジのようなところにTVがあります。TVは普段はCNNの放送が流れっぱなしになっています。そのCNNでは、多分24時間ぶっ通しでやっているんじゃないか、と思うぐらい天安門事件を報道していました。

しかし、悲しいことに、3月にアメリカに行って、6月のこのころは英語のリスニング力がダメで(今も大したことはないが)、何が起こっているのか正確にはわかりませんでした。ただ天安門広場で戦車が走っているということしかわかりませんでした。

最初は、「また派手な映画を作ったなあ。ランボー? ターミネーター?の宣伝か?」って思っていました。

しかし、連日この事件をとりあげるので、News Week誌を買って読んで、事件の全容を理解した、という感じです。戦車に乗っている解放軍の人はチベットとか辺境の出身者で北京語が分からないから、とにかく指令に従ったんだろう、とか、戦車が人民をひき殺して、頭蓋骨が割れる音を聞いた、とか書いてあって凍り付きました。

ESLに在学していたので、クラスでこの事件をとりあげることもなかったし、国際政治に興味がない人にはそれほど話題になっているようではありませんでした。

TVのニュースでも、CNNABCのような大手放送局では取り上げていましたが、普通の地元の局では、ネイティブインディアンが湖(ウイスコンシン州は五大湖のミシガン湖やスペリオール湖をはじめ美しい湖がたくさんあります)が汚染されたと言って、裁判を起こすニュースが頻繁に流れていました。

中国は当時影響力が小さかったからでしょうか?ただし、当時も政府派遣の留学生はたくさんいました(あんまり仲良くなれなかったけど。台湾、韓国、シンガポール、香港の出身の学生とは親日なのかすぐに仲良くなれますけど)。

 

そういった共産主義の弾圧があった、と思ったら、11月に今度はベルリンの壁が崩壊した、というニュースが入ってきました。


これは、天安門事件よりも倍驚きました。ベルリンの壁・鉄のカーテンは絶対に破れないもの、という感覚があったからです。

アメリカ外交政策とウイスコンシン州の政治の授業を取っていたのですが、2つのクラスの2人の教授はそれぞれ興奮して、「特別授業」でこの件をとりあげていました。もちろん、アメリカ人の学生も議論が白熱していました(政治の授業をとるアメリカ人学生はこういうことに無茶苦茶熱心)。

残念ながら、教授も学生も興奮して議論するので、私には議論の半分程度しか理解できませんでした、、、残念。ただ、歴史的な瞬間だ、ということで大いに盛り上がっていました。

1989年当時のアメリカ人から見れば、イデオロギー闘争に勝利した、民主主義・資本主義はナンバーワンだ、というプライドが高揚したのでしょうねえ。その象徴的な出来事でした。

 

東の中国では、共産主義体制の正体を暴露し、西のドイツ・東欧では共産主義の限界を露呈するという極めて対照的な出来事が同時に起こった不思議な1年でした。ただ、後世(と言っても最近の話ですけど)で、この年以降、「グローバリズム」が巻き起こるんですね。社会主義はダメ、と結論付けられてしまった。そんな1年でした。


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