2024年12月18日水曜日

三菱UFJ銀行の貸金庫窃盗事件への雑感

 

初めて話を聞いたときに、びっくりしました。元銀行員として、銀行員の不正は数多く聞いていたが、貸金庫の中身を盗む、というのは初耳だったからです。

(これまで、顧客の定期預金の横領や取引先と通謀して不正融資の引き出しや、契約書を勝手に修正して融資額をかさ上げするとか、連帯保証人の意思を確認しないとかはしばし発覚していた)

私の銀行員時代(90年代がメイン)、貸金庫はすでに全自動となっていて、ざっくり不動産権利書が入る大きさで、20センチ程度の幅、の箱がブースで暗証番号操作すれば、自動で運ばれてきて、誰にも見られずにものを出し入れできる、という感じでした。



                           

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三菱UFJ銀行のHPでは、以下のようなサイズが例として挙げられています。

深さ

奥行

年間使用料(消費税込)

5.7cm

26.2cm

40.0cm

16,170

6.2cm

27.7cm

49.3cm

22,440

8.7cm

27.7cm

49.3cm

29,700

https://www.bk.mufg.jp/tsukau/sonota/kinko/index.html

 銀行員は顧客が貸金庫に何を入れているのかを知る権利も義務もありませんでした。ただ、仲が良いお客様を見ていると、印鑑、通帳、不動産権利書などを入れていたと思います。

現金が入っているとは思いもよりませんでした。

(世の中に「タンス預金」というのがあるので、現金を入れてもおかしくはないが)

 

しかし、銀行側から、犯人が貸金庫から窃盗して投資に流用していた、という話や、主に現金を窃盗していたという記事もあり、びっくりしました。

三菱UFJ銀行「貸金庫事件」が開けたパンドラの箱「現金」を貸金庫の中に入れていたのはなぜ?

(東洋経済ビジネスオンライン)

ちなみに、上記貸金庫の真ん中のサイズに現金がいくら入るかを、Co-Pilotに聞くと、7080万円という回答がありました。

 

東洋経済の記事のような現金もいくらか混じっているのは確実そうですね(要するに表に出せないカネ)。その場合、銀行側は被害者に補償するといっていますが、被害届を出しにくいですね(現金の授受の記録が残る)。

銀行では、1年か少なくとも2年以内に、行内で検査(業務監査のようなもの)があり、要は、マニュアル通りに業務を遂行しているかのチェックがあります。

結構厳しく、検査でミスが多いと、いくら営業成績が良くても、出世に影響します。

今回の事件がそういった検査もかいくぐってきた(マニュアルに穴があった?)。

銀行員の不祥事は、結構多いのですが、金額がかなり大きいこと(10数億円)、貸金庫の中身を盗んだということ、そして単独犯だったこと、などが個人的にはサプライズでした。

事件を起こした犯人は、外見はそのように見えない、というのはよくある話で、私が銀行員時代にも、預金の窃盗などがありましたが、犯人を知る元同僚は「そんなことをする人とは思わなかった」と感想を述べていました。

銀行内部がますます性悪説で業務マニュアルが一層厳しくなりそうですね。

ちなみに三菱UFJフィナンシャルグループには、妻と2人の子供名義で株を保有しています(なぜか私は保有していなかった。他の3人は3倍から4倍に株価が上がって悔しかった(笑))


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