6月24日、日本製鉄の株主総会に出席しました。
株主になって3年目かな。その間、例のUSスチールの買収などがあり、出席してみることにした。
会場は紀尾井町のニューオータニ。新木場駅から有楽町線永田町駅下車からでしたが、地下鉄の駅を延々と歩いて、下車後約10分。
会場には1000人くらいはいたのかな。
議長は橋本会長兼CEO。社長は今井さんですが、見た感じ、社長は会長の忠実な部下のようでした。
会長の語り口は、しっかりしていた。
個人的には、赤字のUSスチールが収益貢献するのはいつか、というものでしたが、それは第1四半期決算で発表する、とのことで肩透かし。
説明では、スクラッチで粗鋼生産1トンを生産しようと思えば20万円程度の設備コストが発生し、かつ、設備・雇用・ロジなどをそろえるのに10年近くかかる。
一方、今回M&Aだと、USスチール約2300万トンの粗鋼生産設備などを10万円程度で手に入れた。
アメリカにおいてスクラッチで粗鋼生産設備をそろえると、1トン40万円もする(時間もかかる)。
また、USスチールは鉄鉱石鉱山、電炉を保有している。
さらに、欧州(スロバキア)に400万トンの設備を有している。
したがって、2兆円程度の買収では十分な価格である。
というロジックだった。
しかし、追加で110億ドル(約1.6兆円)の投資を行うと表明しており、実際は3.6兆円の買収、と言えるでしょう。
3.6兆円を2300万トンで割ると、15万円となります。先ほどの20万円よりは割安となる。
但し、米市場は有力で、そこに日鉄の技術を盛り込めば、有望な感じは受けます。ここでは、トランプ関税が有利に働くことが期待できます。
自動車関税にアルミ・鉄鋼にはさらに追加関税がかかります。
気になる配当は、今期は120円と△40円と減配予想です。
投資判断は悩ましいですね。さらなる減配リスク、USスチールリスク(再生計画がその通りに推移するのか)などがあります。
長期的には米国・欧州・インドとグローバル戦略が進むので、有望な気がします(中国に対しては、橋本会長はきっぱり否定)。
短期的には、USスチールの統合がうまく行くのか?(赤字脱出、追加投資、現場統制など) に加えて、そもそも米景気・世界景気の減速・リセッションも予想される。
第1四半期決算でUSスチールを折り込んだ業績予想を見て、一定ライン以下の株価になれば、追加で買い増しも考えています。今でもそれなりに割安な気もしていますが。
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