2012年9月22日土曜日

ポートフォリオ概況 第3位 Altria Group (MO)


現在第3位のAltria Group です。同社の元祖はフィリップモリス社です。フィリップモリスがクラフトフーズ、ミラービールと買収を重ね、タバコ以外の事業のポートフォリオが大きくなったことや、タバコのイメージを薄めるために改名して持ち株会社になりました。その後、米国内のタバコ事業以外の事業はすべて売却・分社し、USSTという無煙タバコ会社を買収して今日に至っています。元世界第一位の食品メーカーでした。

ピーター・リンチさんが絶賛していた会社のひとつです。シーゲル教授の「株式投資の未来」でトータルリターン第一位に輝いた銘柄でもあります。これが「過去の栄光」で終わっていないのが素晴らしい。

項目
コメント
会社名(ティッカー)
Altria Group (MO)
本社所在地
米 バージニア州
何をやっている会社?
①  米国内におけるフィリップモリス製タバコの販売(マルボロ、バージニアスリム、フィリップモリス等)。
②  やはり米国内における無煙タバコの販売(スコール、コペンハーゲンブランドで全米の約50%のシェアがある。
③  小規模ながら葉巻やワイン事業もある。
④  世界第2位のビールメーカーであるSABMiller社(英)の株式を約28%保有する筆頭株主でもある。
投資時期、平均購入価格
2009年1月~6月、および2011年初頭 約18ドル
現在の株価、バリュエーション
以下、Yahoo! Finance USAより
通貨は米ドルベースです()はドル=80円とした場合

株価
34.06
2011年EPS
1.66(但し、Adjustedベースは2.07)
2012年予想EPS
2.22
予想EPS成長率
7~9% (Adjusted ベース)
時価総額
690億ドル 約5兆5000億円
実績PER
16.6x
予想PER
14.5x
DPS
1.76
配当利回り
5.30%
増配率
2010年 7% 2011年15% 2012年7.3%
EV/EBITDA
10.7x
年初来暴落率
+14.7%
投資ストーリーは何か?
徹底した配当収入狙いです。御覧の通り、Yield on Costは1.76÷18=9.8%ともはやスペイン国債より高利回りで、低リスクな「擬似債券」となっています。
経営陣のコミットメント
①   特段のコミットメントはないが、投資家はEPS成長率7~9%を期待していると思います。DPSはEPS成長率並みを期待
今後何を期待するのか?
同上です。金の卵を産むガチョウです。
強みは何か?
①     言うまでもないが、キラー商品マルボロを擁し、全米のタバコシェア約50%前後を持つ。マルボロの全米シェアは約42%!! 圧倒的効率。
②     無煙タバコにおいても約50%のシェアを保有。
弱みはあるのか?
①   アメリカの消費不況。トレードダウン(安い商品への買換え)で、Lorillard社のマーヴエリックというブランドに押され気味。また、同社のメンソールタバコでニューポートというブランドにも苦戦している。
リスクは?
①     タバコがFDA(厚生省のようなところ)の管轄となり、規制が厳しくなる傾向ある。たとえばタバコのパッケージにドギツイ絵(汚い胃の写真を掲載する等)を挿入しようと躍起になっている。
②     たばこ訴訟。全米約47の州は包括的な司法取引により、90年代末に訴訟はいったん解決したものの、この取引に加わらなかったフロリダ州などでは訴訟が頻繁にある。但し、原告側は、タバコによる健康被害を「具体的・合理的に」見積もる必要性があるため、なかなか勝訴できていない。
③     喫煙率の長期的な低下。
成長機会
①     無煙タバコの市場成長。通常のタバコはアメリカでも年率▲3~4%の縮小とのことであるが、無煙タバコは逆に+5~7%の成長を遂げている。MOではタバコから無煙タバコにスイッチしてもらうような販促も展開している。なお、利益率は無煙タバコ>通常たばことなっているため、タバコ会社には都合がいいトレンド。
②     ワイン事業の可能性。アメリカでも一人当たりビール消費量は減少傾向にあるそうです。一方、ワインのそれは増加傾向にあり、市場全体も年率5%程度拡大しているようです。個人的にはひそかにこの分野で大きく成長を、と願っているがタバコの利益率には勝てないのが残念(したがってOrganic Growth以外に期待できそうにない)。
競合先
①     レイノルズタバコ(JTがかつて買収したのは、同社の海外事業部門です。当時の取り決めで、JTはアメリカ国内での事業はできません)。けど万年2位です。キャメル、ウィンストン(これマズイ)が有名。
②     ロリラード。ニューポート、マーべリックのシェアが少しずつ伸張し、上位2社の地位を脅かしつつある不気味な存在。
③     ブリティッシュ・アメリカン・タバコ。かつてはシェア1位だったようですが、最近米国内ではパッとしません。ラッキーストライク、ケントなど。
売るとすればどんな時?
①    全米でタバコが撲滅するまで心中します。これまでも散々危機がありましたが、1株利益は成長を続けています。
その他
①     株価はちょっと高めかもしれません。
②     FDAによるパッケージ規制ですが、MOとしては積極的に反対していません。かつてのWSJによると、シェアがすでに50%前後もあるので、パッケージが変わったところでシェアも変わらないと腹をくくっていること、FDAがいったん規制を打ち出せば、それはインパクトが大きいものの、「お墨付き」を得ることにもなり、たばこ訴訟では有利に展開するのでは、という読みがあるようです。腹黒い。



株価チャート


業績推移



2008年にPhillip Morris やクラフトフーズと分社しましたが、過去の業績はそれを含んでいるため、2009年12期以降での推移が重要となります。
上記はMorningStar USAのデータ(GAAPベースだと思います)による業績推移です。
配当性向80~85%を約束していたと思います。
設備投資(Cap Spending)がほとんど必要ないため(理由:米国内の喫煙率の減少による設備縮小)、Free Cash Flowはやはり、純利益(Net Income)潤沢です。

EPSはあまり成長していないように見えますが、今期(12年12期)は$2.25辺りがコンセンサスとなっています(昨年はレバレッジドリースによる一時的な損失が大きい)。
SABMiller社の持ち分法収益はOperating Incomeの1/5程度にも上ります。



応援よろしくお願いします!!
にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ

2012年9月9日日曜日

米雇用統計について


私はエコノミストではないので、こういった人々が何を根拠に予想されているのか存じませんが、先月がよかったら、今月もその勢いが続くのではないか、とうモメンタムを期待してしまうことは否定できません。
しかし、データで振り返ってみましょう。



上記は楽天証券の米雇用統計のデータを拝借しました。各月の非農業部門雇用者の増加数は発表月の速報値だと思います(単位は万人)。

冬は異常な暖冬だったので、雇用が増加したが、春になってノーマル気温になったので、雇用増加数が減少した(先食い)、と言われています。

しかし、前年同月の記憶を振り返ると、昨年の6月、7月、8月はそれぞれ1.8、11.7、0(万人)に対し、今年はそれぞれ8.0、16.3、9.6といずれの月も増加しています。

昨年はベライゾンワイヤレスで約5万人がストライキを実施した影響で6月、7月はそれぞれ5万人が減少、増加といったイレギュラーがありました。そこから考えると、結構改善しているようにも見えます。

また、リーマンショック後のリストラが特に激しかったのは、2008年の10月ごろから2009年の4月にかけての半年間です。毎月50万人以上の人が職を失いました。

景気回復期に入って、雇用統計の増加数がよかったのも、この辺の月に多いように思います。たとえば、2011年の2月~4月までと2011年12月~2012年の2月までなどは平均すると月20万人以上の増加を記録しています(2006年~2007年でさえその傾向がありますね)。


一方、比較的リーマンショックの波を受けにくかった7月、8月は、回復期の雇用増加数も緩慢な実績になっているように思われます。

発表値は季節変動を調整しているといっていますが、少し疑問に思うところもあります。


では、絶対数で見てみましょう。

これは、棒グラフは非農業雇用者数(千人単位、12年8月は1億3千3百万人)、折れ線グラフは非農業部門雇用者数の対前年同月比の増減率を示しています。

大統領選挙前で、企業は投資に二の足を踏んでいるといわれていますので(それでもシスコの電話会議では米国はやや受注が戻ってきたという発言もあった)、景気が加速すると期待するのは、やや楽観すぎると思われます。選挙が終わると「財政の崖」議論もありますので、今年いっぱい増減率は昨年の10月以降の実績値でもある1.3%~1.5%のレンジを意識して考えたほうがよいのかもしれません。

住宅関連指数も上向きで、自動車販売台数も戻ってきています。しかし、オバマ大統領の先日の演説でも、雇用と景気の回復はさらに時間がかかるといっていますので個人的にはQE3は否定的ですけど…。

確かにピーク時の約1.38億人の雇用者数からまだ5百万人も少ない雇用者ですが、金融市場がわあ~っと盛り上がったから、一気に穴埋めできる、とも思えない(事実2010年の11月から2012年6月にかけてQE2の時期の雇用者増加数と2011年11月から2012年6月にかけての増加数は騒がれるほど大差がないと思います。つまり、金融緩和と雇用者の増加はそれほど結果に結びついていないと思いますが、いかがでしょうか???)。


ということは当面、1ドル80円前後の為替ということになりますね。あ~あ。
応援よろしくお願いします!!にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ
にほんブログ村