2012年10月24日水曜日

ポートフォリオ概況 第5位 日本たばこ産業;JT (2914)


現在第5位のJT です。マイ・ポートフォリオの「タバコ3羽ガラス」?(フィリップモリス;PM、アルトリア;MO、そしてJT)の一角です。また、PFのうち、日本株&J-REITで第一位でもあります。

なぜJTに目を付けたか、と言えば、①日本株だから、②PMやMOあるいはブリティッシュアメリカンタバコ(BAT)を知っていれば(たばこ産業の収益構造を知っていれば)、JTの増配余地が如何にあるかはすぐにわかります。増配期待です。

私がJTを買った2009年3月ごろの各社のPay Out Ratio(配当性向)です(%)。

JT
PM
MO
BAT
19.3
60~65
75
55
(海外企業は各社の示すガイドライン)

一方、タバコ会社としてのJTの実力は以下の通りです。



上図は、フィリップモリスのIR資料から抜粋しています。アメリカと中国を除いたたばこ市場におけるタバコ世界企業のシェアを示しています。PMとJTは米国で販売できないため(理由:PMはアルトリアから米国外での販売目的に独立した会社、JTは過去に米レイノルズタバコの海外事業を買収した際の取り決めによる)、フェアな比較だと思います(BATも米国では大して販売していない。また、中国はたばこ産業を外国に開放していないが、本数ベースでは圧倒的な世界一位です)。



喫煙大国日本での圧倒的なシェア(約60%)を誇るJTは競合他社と比較して、効率よく利益を上げることができるといえると思います。JTの当期利益には、ダメ事業の医薬品や食品も含まれているのです(たばこ1本販売すると約1円近い純利益という計算になる。海外の企業は、ドル/円80円、GBP/円127円で換算しています。BATとインペリアル・タバコIMTは英国本社)。
 
シェア
販売数量
当期利益
 
時価総額
PER
 
%
A(億本)
B(億円)
A/B
(兆円)
時価/利益
PM
28.1
5,125
6,701
0.76
11.8
17.6
BAT
21.7
3,958
4,280
0.92
7.9
18.5
JT
16.5
3,010
3,209
0.94
4.6
14.3
IMT
8.9
1,623
2,303
0.70
2.9
12.6

PMやBATは物価の低い新興国でかなりの本数を稼いでいる反面、JTは日本で稼いでいます。
BATと同じくらいの評価を受けてもいいような気がしますが…。
これも米国が除外されています。

項目
コメント
会社名(ティッカー)
日本たばこ産業 (2914)
本社所在地
東京都港区虎ノ門の立派なビル
何をやっている会社?
①ウインストン、マイルドセブン改めメビウス、キャメル等のブランドが有名なタバコ会社。上場企業では世界第3位のタバコ会社(販売本数ベース)。
②医薬品事業(万年赤字事業)
③ 食品事業(缶コーヒーのRoots以外はダメですね)
投資時期、平均購入価格
2009年3月上旬 約1,200円(分割考慮後)
現在の株価、バリュエーション
以下、SMBC日興証券のWebサイトから

株価
2,315
2011年EPS
168.5
2012年予想EPS
176.4 (四季報予想)
予想EPS成長率
6.2%
時価総額
4兆6300億円
実績PER
14.3X
予想PER
13.1X
DPS
60
配当利回り
2.59%
増配率
12%
EV/EBITDA
7.6X
年初来暴落率
+23.3%
投資ストーリーは何か?
徹底した配当収入狙いです。中期的に配当性向を50%に持っていくといっています。
経営陣のコミットメント
①配当性向を50%
②EPSを毎年一けた台後半で成長させる。
今後何を期待するのか?
①EPSのHigh Single Digit Growthを期待しています。同様のDPSの成長も期待しています。
②早く医薬品と食品事業をやめてほしい。株主資本の無駄遣いです。
強みは何か?
①   世界の一大たばこ市場である日本での圧倒的シェア。
② 日本より巨大なロシアでもシェア1位。
弱みはあるのか?
①   新興国市場はやや出遅れ。おいしいところはPMとBATに包囲されている。
②   多角化の失敗。医薬品と食品ははっきり言って失敗M&Aだと思う。
リスクは?
①     他のたばこ会社同様です。プレーンパッケージ問題や不法タバコ(政府非公認でたばこ税を課税しないままの闇売買でのタバコ取引。外国では結構問題になっている)による正規タバコへのシェア浸食
成長機会
①     中近東諸国でのM&A等による拡販。
競合先
①     上図の通りです。フィリップモリス、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、インペリアル・タバコです。
売るとすればどんな時?
①     現状は考えたことはない
その他
①     政府保有株の段階的放出での自社株買いを期待しています。
②     タバコへのエクスポージャーを下げたいので、買い増しすることはありませんが、まだまだ魅力的だと思います。

株価チャート



業績推移(四季報より)

  
【業績】
売上高
営業利益
純利益
連09. 3*
6,832,307
363,806
123,400
連10. 3*
6,134,695
296,504
138,448
◇11. 3*
2,082,325
401,321
243,315
◇12. 3*
2,084,384
459,180
320,883
◇13. 3予
2,140,000
500,000
336,000

国際会計基準の導入で、売上高が税抜きになっています。


応援よろしくお願いします!

2012年10月21日日曜日

ソフトバンクがスプリントネクステルを買収へ

これについては、立場によって様々な見方があると思う。

どちらかと言えばナショナリストな人や孫正義氏個人を崇拝する人からは、「すごい」、「よくやった」的な感想が多かった。野望や逆風に立ち向かう、たくましいアントレプレナー孫正義はまだ生きていた(LBOの制約が取れた瞬間、待ってました、と言わんばかりにあれこれ手を打っていますね)。

成長拡大路線を是とする経済記事は「売上高で第○位の通信会社の誕生」とか、「契約者数でドコモを抜いた」とか派手なイメージが多い。

私は、完全に投資家目線で関連記事を読んでいました。

まず、
ITバブルではない現在の通信会社への投資家の期待はベータ値の小さいディフェンシブポートフォリオである、という認識の下、「読めない展開」をすることに対する嫌悪感。
(もっとも孫さんが「読めない人」であることは、普通は認識しているはず)

「読めない人」孫正義さんは、無借金計画など過去の投資家とのコミットを反故。あ~あやっぱり(配当の約束も反故されるんだろうな。一応、SFBKは優先順位は低いけど、候補先には入れていた)

スプリント社に対する低評価。もともと「負け犬」通信会社であるスプリント社なんか買ってどーする?という買収ストーリーが読めない。せっかく日本のキャリア3強で一番元気な会社になったソフトバンク社の屋台骨を傾けさせない行為。リスクがデカイ。

日経新聞には1年前から検討開始と書いてあるけど、本当か?(鶴の一声ではないのか?)戦略的には思えない(まっ、「読めない人」ですから)。

70%のTOBだと不成立のリスクがあるのではないか?(中途半端で既存株主は応じにくい)
また、スプリントの株価は毎日人目に晒されるので、TOB価格を下回ることが継続すると、失敗だと騒がれやすい。多分金がつかなかったのだろう。

個人的には、「孫正義あってのソフトバンクテレコム」であるという事実は動かし難いが、「孫正義だけのソフトバンクではない」という事実が日増しに大きくなって行くので、もう少し投資家目線に立った経営をしてほしいなあ、と思った(増資しない、と言ったのが唯一の救いか?)。

オーナー企業(特に創業者経営の場合)、「俺のものは俺の物」(これは当たり前)、「会社のものも俺の物」になりがちではないだろうか?

確かに創業者株主として30%前後を株式を保有していれば、仕方ないが、大企業ともなればせいぜい数%の「オーナー」に過ぎない(ソフトバンクの場合は微妙に20%ですね)。

もちろん、この買収が成功すれば、日本の経営者史上、トップレベルの軌跡を残すことは間違いない(松下幸之助や本田宗一郎のスケールを超えていると思う。またM&Aを有効に活用した創業者としては、インドのミタル氏と並んで世界的にも抜けているのではないか?)。

しかし、株式投資は一か八かの勝負ではなく、自分あるいは他人の資産を預かり、それを着実に増やすことが原則なので、そういった意味からは、(又通信会社への投資期待という観点も)期待に沿っているとは言い難いと思う。

既存の殻をブレークスルーしようとする孫正義という存在には期待したいけど、だからと言って、投資対象にソフトバンクを選択するのは躊躇せざるを得ない、ざっくり言えば、こんな感じ。

スプリントの業績を見ながら投資をしても遅くはないだろう。



応援よろしくお願いします!