2013年11月12日火曜日

アメリカ株は割高なのか?


史上最高値を更新し続けるS&P500とダウ平均。


ウォ―レン・バフェットは大型買収には適した水準ではない、と言っています。

ケン・フィシャーは、強気相場の折り返し地点ぐらいである、と言って、まだ強気を支持しています。

Forbes   Ken Fisher Portfolio Strategy


ケンの分析は、75%~80%の確率で当たっていますし、基本的な経済指標を活用して、数々の常識を覆した分析で相場を乗り越えてきた有名な投資家です。私も以前、お勧め投資本として、彼の著書を推奨しました。


 
個人的には、配当利回りを基準に割安感がある株を調整局面で拾っていくような感じで買い続けています。

(なお、「配当利回りを基準に割安感がある株」とは、画一的に定量化は難しく、個別銘柄ごとの配当利回りや配当性向、今後の業績動向、業界動向などを総合して判断しています。但し、今年はあまり新規銘柄を買わずに、既存保有株の買い増しに注力しています。既に内容が分かっている会社なので、割安か割高なのかもそれなりに判断し易いからです。もっとも、その分リターンは今年に関してはほとんど報われていないような感じがします)

 
S&P500の予想PERや実績PERには割高感もなければ割安感もないといった感じです。

SP50011/8現在の実績PER18.7倍、予想PER15.9倍となっているようです(WSJより)。

米国の株式情報関係のニュースを読んだり聞いたりしますが、関係者は現状の株式相場は、おおむね「Fairly Valued」という表現をしています。

しかし、個別に見れば、IBMやマイクロソフトのように割安感がある銘柄は残っています(ITの大手は全体的に割安)。

IBMは予想PER9.9倍、マイクロソフトは12.9倍、シスコは10.4倍、フォードは9.1倍といった感じです。

(正直、今年どんな株が上昇したのか、はっきり理解できていないんです。自分のPFが全く不振なので・・・)

株式投資はキャピタルゲインしかない(なおかつインデックス)、と考える向きには、非常に入りづらい局面であるのかもしれませんが、トータルリターンや配当を考えた投資家には、まだ幾分投資余地は残っていると思います。

森を見てもあまり魅力がないかもしれませんが、森に落ちている木の実にはおいしいものが混じっているはずです

 
但し、ドル・円相場に関しては円高局面は完全に終結していて、フェアバリューからやや円安圏内にあるので、円高に振れた局面(たいてい株安局面になる)にうまく売買していく必要性があると思っています。コンスタントに100円を超えるようなら、日本のインフレ率とみあっているのか、注意深く見た方がよいでしょう。

また、金利が上昇すると皆が考えると、相場(米国株)全体は停滞しそうな気もします(その分円安に振れやすいので、円ベースでは資産が増える可能性もあるが)。

 
もっとも、上記はこれから新規で買う株に対する個人的見解で、既に投資してしまっているポートフォリオについては、現時点で特に大きくいじる必要性を感じていません。証券税制が変わるから利益確定すべき、という意見もありますが、個別銘柄の株式価値と株価のギャップにのみ注目していきたいと思います。

 
私は、ケン・フィッシャーの分析にある程度ついていくようにしています。アメリカ株は歴史的にどちらかと言えば上昇局面であった年数の方が十分な確率で多いので、下手に資金を手元に残すよりも、相場に参加している方が結局はリターンが良いのです(だからアメリカ株の方が日本株より楽なんですね。その分アメリカ企業のほうがドライでダイナミックな経営をしていますが)。

しかも、上記でご紹介した彼の著書でも明らかなように、PERが割高でも株価は歴史的には上昇した年はいくらでもあります。


ピーター・リンチも、相場に永く居続ける方がリターンはよくなると言っていますね。

ウォ―レン・バフェットも永久保存銘柄クラスのものを売ったりしませんね(売れないのかもしれないが、P&GJNJは売っている)。


ちなみに、配当株投資家としては、経済が回復して、業績も回復すると期待するのなら、ポートフォリオの増配率もアップする、と期待すべき局面でもあります。

株価は金利と相反する様な動きをするかもしれませんが、配当金の増配率は金利と同じ方向に向いていくはずです。

歴史的に見て、増配率はインフレ率に勝っています。

(これは、連続増配株は基本は、業績優秀企業であるため、長期投資に耐えうるという前提と、まだそういった株は買える水準にある、という前提が隠れていますのであしからず)

 

結局、自らの投資方針によって、今の相場は高くも感じるし、安くも感じるということかもしれません。コップの水が半分の時に、「まだ半分」と考えるか、「もう半分」と考えるのか、に似ているかもしれません。

 
ケン・フィッシャーの現状分析の根っこにあるのは、ジョン・テンプルトン卿の有名な相場格言と同じです。

強気相場は絶望の中で生まれ、懐疑とともに育ち、楽観により熟し、陶酔のうちに終わる

という流れの中で、今はまだ弱気論者も多く懐疑的な見方も残っていますので、まだまだ大丈夫だよ、というものです。これでご納得?

シーゲル教授も依然強気ですね。

 

ただし、ガンガン買っていくというより、セレクティブに買うという感じですね、私は。
 
 
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