2015年1月31日土曜日

1月の投資状況


出だしから躓いた、そんな感じです。

但し、ドル高による米企業の業績伸び悩み、はある程度想定されていたはずなんですけど。
EUで金融緩和(当然ドル高要因)とか言っているのに、株価が上昇していたりしていましたから、ちょうど良い調整という感じでしょうか。

ドルインデックスは気が付けば95まで上昇していました。2013年の年末は80.67ですから17.8%も上昇しています(当然ユーロが安くなっている)。

また、米国10年国債金利は1.67%で、これも2013年年末が2.99%だったことを考えると、相当な低金利です。

最近、物価が低下しているから金利が低下しているのか、金利が低下しているから物価が低下しているのか、よくわかりません。

シェール革命である程度ドル高になるかも、と思いましたが、ここまで来るとは、さすがにミスターマーケットですね。

1月の売買
売り トムソンロイター(全部)、NTT(一部)
買い ディアッジョ(新規)、トランザクション(新規)

配当状況


上記銘柄の入れ替えや円高などにより、今月は減ってしまいました。

1月の増配
Kinder MorganKMI) +3.5%、今年はまだ増配するはずです。

Black Rock BLK)  +13


12月に発表があったけど、見落としていたもの

MasterCard (MA)  +45% 元々少ないのであまり影響はない

AT&T     (T)   +2.3% ここ数年、増配率はインフレ率並み


ちょっと出費があるので、今年前半はまたじっとしているつもりです。

応援お願いします。
にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ 

2015年1月24日土曜日

原油価格の下落とその影響

私の保有するPFでエネルギー関連株はすべて原油と天然ガスにかかわっています。

Kinder Morgan Inc. ポートフォリオ1
Chevron        同5
Enbridge        同12
ポートフォリオ全体の約18%を占めています(12月末現在)

これらについて、当面の株価上昇を見込んでいないのは言うまでもありませんが、当面の業績が気になります。
いろんな(タダで読める)調査書などを見たところ、

l  WTI50ドルレベルならシェールオイルは採算に乗っているリグが半分ちょっとありそうだ。

l  一方、在来型はその半分程度ではないか(ロシアでは一部4ドル台というすごい数字もあった)。

l  採算とは損益分岐点で、損益分岐点とは、企業として利益が取れる水準。

l  シェールオイルは、リグの設置が承認されてから実際の生産まで5か月ほどタイムラグがある。アメリカでリグの数が減ってきたのは10月ごろ。したがって、実際の生産に影響が出始めるのは、2015年第二四半期だろう。

l  しかしながら、リグの数が3割ほど減っても、生産量は契約もあるので10%程度の減少にとどまるだろう。

l  これが30ドルを切るようなことがあると、世界的にリセッションになる。

l  ロシアもOPEC5060ドルレベルなら当面の減産の必要性がない。

l  一方、石油サービス関連のコストは確実に下がるので、悪い話ばかりでもない。

l  シェールオイルの採掘に使うケミカルや水の利用が高度化・効率化できれば、採掘コストはまだ下がるだろう(アメリカではこの頁岩を割くための化学品とリグから流す水の確保がコストのボトルネックとなっているので、改善のための対策が練られている)。

l  当面、石油関連投資は3割ほどカットが見込まれそうだ。このカットは今の生産には影響がないが、数年先(2018年ごろ?)には、供給量の低下となって表れてくるだろう。
l  したがって、劇的に原油価格が回復するとは見込みにくいが、シェールオイルの生産量がピークアウトし始める第2四半期あたり(以前にも書きましたが、アメリカのドライブシーズンに当たる)で、原油価格がボトムアウトあるいは底をつける形になるのではないか。
l  その後は、今投資を削った分が(埋蔵量の)ツケとなって、2017年~2019年ごろに顕在化し、7080ドルぐらいの価格を形成するのではないか。

マイナス面として
l  石油関連投資で雇用されていた人に、一定のリストラ圧力がかかってくる。

l  また、シェールガスの生産で、Liquid Richと言われる水分が多いガス田では、従来から天然ガスと天然ガス液【Natural Gas Liquid: NGL】を分離し、NGLからブタン、コンデンセートなどを更に分離して転売していた。これらブタン他は石油からも一定量が取れるが、石油より天然ガスの方が圧倒的にコストが安く生産出来ていたので、石油由来のものより価格競争力があった。

l  しかしながら、原油価格が大幅下落したので、これらの成分の価格競争力が失われ、シェールの天然ガス田も採算割れが出る可能性もある。

以下は私見
技術の進歩とは恐ろしいですね。シェールオイルの採算ポイントは60ドルとも70ドルともいわれていましたが、さらに20から30ドル以上も削減余地がありそうです。そんなに下がると、供給過剰の状況が修正されないんじゃないか? と思ってしまいました。

もっとも、もっと石油をガブ飲みするような方向性になれば別でしょうが、世界的に二酸化酸素排出抑制の動きがありますので、原油を非効率にじゃんじゃん使うってのは難しそう。新興国の経済成長による需要増に限定されそう。

一昔前まで、忌み嫌われていた中国の存在感がまたクローズアップされるかもしれませんね(ベネズエラなどの資源があっても、金がない国などに中国が援助を申し出て、政治力もコントロールするのではないかなど言われています)。

これは、天然ガスにも影響が及ぶような気がしました。原油価格連動性の今のLNG価格体系だと、LNGコストも大幅に下がってくるので、シェールガス由来のLNGを輸入するのと、従来通りカタール辺りから輸入するLNGも差がない(どころか、従来LNGのほうが面倒な投資も手続きもいらない)ので、またいろいろ変化がありそうです(すでに契約した分は引き取らざるを得ないけど)。

ロシアからの天然ガス輸入も、パイプラインは魅力が薄くなったかもしれない。


上記ポートフォリオの当面の不透明感としては、

カナダのオイルサンド由来の原油の動向。シェールオイルについては情報量も多いですが、オイルサンドはそれよりコスト高だったはず(これも最近、露天掘りから地上から水圧をかけて絞り出すような工法が主で、こっちの方がコストは安いそうだが)。

したがって、Enbridgeの業績が気になる。同社のビジネスはパイプライン通行料をもらうフィー・ビジネスなので価格とは連動しませんが、生産者が経営破たんするとかのリスク(そうすれば必然的に「通行量」が減るのでフィーも減る)。

さらに、Kinder Morganも基本的にフィー・ビジネスなので、資源価格が直接業績に影響を与えないが、現在投資が決まっているプロジェクトが本当に実行されるのか、という将来の成長リスクは拭えません(これも天然ガスプロジェクトが多いけど、1件デカいオイルサンドのカナダ西海岸への運搬というのがある)。

121日のテレカンでは、2015年については、DPS2ドルの原資を確保しているといっていました。その後、2016年~2020年までは、1バレル70ドルの前提で、毎年10%の増配は大丈夫だといっていました。

また、上述の様に、シェールガス田の採算悪化が及ぼす悪い意味での波及効果は気になります。
Richard Kinderさんの原油価格のイメージも、2016年以降は、6070ドルレベルに戻る、という楽観的なもの。
ちなみに、一部油田を持っていて、石油の生産もやっていますが、2015年は80%分価格をヘッジしているとのこと。
この原油安に、Bakkenで買収なんてやるもんだから、投資家は不安になりますね。

Chevronについては、前回見ました。

まあ、向こう数年の配当成長率の鈍化はやむないですね。

肝いりの巨大プロジェクト、西豪州のLNGプロジェクトである、GorgonWheatstoneが、高値掴みになる懸念が残念ですねえ。しかし、キャッシュフローの増加には確実に寄与するようですので、あとはじっくり配当をいただくこととする。

当面保有株を売却する予定はありませんが、WTI100ドルってのは、需要と供給と技術革新などを考えると、夢物語かもしれません。

(穿った見方をすれば、オバマさんの後の大統領が共和党出身者で、また中東で軍事行動を起こせば、ギュッと原油価格が上がりそうですが、イランはおとなしくなっているので、「敵」もいない)

願わくは、私もみなさんがおっしゃるように60ドル~70ドルぐらいに回復すれば、まあ、ナントカやっていけると思います。

サブプライムも、最初は皆楽観していたのですが、ふたを開けるとひどいことになっていたので、油断は禁物ですが、、、。

但し、東アジアを中心としたガスの需要増加路線は間違いないトレンドだと思っていますので(これらの国の成長率が鈍化したので、ちょっと落ち込むかもしれませんが)、天然ガス関連には依然強気です。


1年以上前から、原油価格は長期的に80ドル~90ドルぐらいかなあ、と思っていました(やや供給過剰)ので、100ドルは高いと感じていましたが、40ドル台まで下がるとは思っていませんでした。しかし、投資家が思っていないことが起こるのが、マーケットである、と改めて感じてしまいました。
しかし、想定外のことを想定して、用意するってのは、どうやってやるんだ?


石油、天然ガスセクターは依然ホールド路線を貫く予定です。長期投資は我慢の連続ですね。

応援お願いします。
にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ 

2015年1月22日木曜日

楽天新春セミナー その3(最後) 堀古英司氏 米国株 S&P500は2400へ+17%上昇






2日連続で雨ですね。雪が降らないので、やっぱり今年は暖冬というべきなのでしょうか?

最後は堀古氏。
主催者側も最後まで引っ張って、会場の来客数を確保したいのでしょうが、「待たされている」身には正直、不便である。

楽天セミナーでは、ずっと堀古氏がしゃべっているようで、あの広瀬氏は今まで見たことはない(過去はあったかもしれないが)。
専門がかぶってしまいますからねえ。

個人的には、(当たるか否かは別として)年齢も出身も出身大学のレベルも堀古氏のほうが近いので、親近感がある。広瀬氏は、年齢もあるが、時折上から目線な点がありますね。

さて、
端的に言えば、相変わらず米国株には強気でした。
EPS+9%伸びて、PER7%上昇するので、S&P500は約2400まで上がると予想していました。
彼は、あれだけメディアに出ているのですが、その割にメディアに対して、かなり批判的です(この点でも親近感がある)。

私見では問題は、そのメディアを見て、我々がどう判断するか、ということでしょう。こっちがバカだからメディアにバカにされるのか、メディアがかしこくならないのか、分かりませんが、、、。

テレビ・新聞・雑誌といった既存メディアの最大の顧客は我々読者ではなく広告主です。しかし、その広告主は、広告宣伝費の予算を既存メディアからfacebook Google Twitter Yahoo!などインターネット企業に移しているからです。

とまあ、能書きはこれぐらいにして、彼がほかに言ったことを
今回も前回に引き続き、米国金利(10年国債)とSP500の益回り(PERの逆数)および配当利回りの長期的な推移のグラフを提示。

たった今現在は、米国債金利とS&P500の益回りの差が4%でこれはここ数十年で最大だった2012年ごろの5%に次ぐ大きさである(つまり国債金利との比較において割安)。
また、配当利回りが米国債金利を上回っているのも、数少ない。

こういった国債金利と株の益回りや配当利回りが高かった時期はその後、株価は上昇している、と。

では、その国債金利がなぜそんなに低いのか、と言えば、「運用難」である、という点。イタリア国債よりも米国債のほうが金利は大きいのです!! ⇒イタリア金利1.5~1.6% 米国金利 1.8~1.9%

このブログでも何度か触れましたが、欧州投資家を中心に、相対的に金利が高く、かつ格付けも高い米国債のほうを選考して投資するようです。

(確かリーマンショック前は、日本の為替介入によるドル債買いと中国による「為替操作」があったのと状況が似ているような気もするが、アメリカの住宅ローン審査が厳しいので、今回はそっちのほうは安心できそう)

私見ですが
「益回り、配当利回りが国債金利より大きいから株は買い」、というロジックは国債の金利が上昇すると一気にその前提が崩壊しますので、米国債が低位安定するという確からしさを得るのに、意見が分かれそうですね。

ただし、堀古予想によれば、この原油安で今年の利上げはないかもしれない、とも言っていました。したがって、上記前提を彼は安泰とみているようです(期待インフレ率が1.3%ぐらいしかない)。

さて、彼が現在想定する市場リスクは、以下のようです。「8つのE」とうまいこと言っていました。ただし、昨年10月時点ですが、今もある程度同じのようです。

1.      Ebola   エボラ熱
2.      Earnings 業績
3.      EU     欧州
4.      Economic 景気
5.      Energy   エネルギー(原油)
6.      Election  米中間選挙
7.      QE     金融緩和終了、利上げ
8.      East    中東他地政学リスク

このうち、6は終了。1は織り込み済み。5は現在進行形。8は2015年でなくとも、いつでもどこでも起こりうる。3はギリシア問題。

原油価格は、5月以降持ち直す(と言っても70ドルがせいぜい)と言っている点は、同じような意見です。この時期はアメリカの大学生が夏休みに入って、社会人と共に、ドライブシーズンになるのでガソリン需要が季節的に大きいのです。現在の急落も秋以降でしたね。

ということで、最大の関心はやはり7となるようです。

市場参加者の皆さんは、やっぱり中央銀行の金融政策に注目しているということのようですね。
あとはドル円レートにも言及していました。

今年はあまり円安にならないと思う、と。彼のロジックでは為替は日米実質金利差で決まる、と。
(これは同じ意見)

それでいけば、今は1ドル113円程度だ。円安になってもせいぜい125円どまりであるが、金融政策の差が大きいので、今ぐらいでもまあまああり得る、という感じ。

購買力平価や実質金利差を用いるレート評価は理論では正しいのですが、「いつから」それを推し量るのか、スタート時点で答えが違ってくるので、悩ましいですね。彼は1990年スタートでした。




さて、国債金利がどう動くか、今のところ世界的にディスインフレデフレ懸念になりつつあるので、そんな感じかもしれませんね。ということは円高バイアスがかかるかもしれませんね。

ちなみに
昨年の予想は外れていますが、これは昨年冬の大寒波が想定外だったから、とのことです。
まあ、上昇傾向は当たっているので、こういう時はあまり気に留めないものですね。

(上がるといって暴落したら、総スカンを食うだろうが)

応援お願いします。
にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ