2015年2月28日土曜日

2月の投資状況 ドル高で~す。

やっとプラス圏内に浮上しました。エネルギー株関連やドル高でグローバル企業の業績見通しがやや伸びない、などが要因だと思います。


ドルインデックスという指標を毎月定点観測していますが、これは米ドルの総合的な指標で、各主要通貨の加重平均的にドルに対する動きを表すように作られています。

即ち 
ユーロが約58%、円が14%、ポンドが11%、カナダドルが9%、スゥエーデン・クローネが4%強、スイスフランも4%弱で構成されているようです(スゥエーデン・クローネってスイスフランより出回っていたのかな?)。



そして上の図は私が毎月ドルインデックスのデータを採取しているWebのドルインデックスチャート(10年)です。
ここ半年、知らず知らずのうちに80台から一気に90台半ばまで上昇してしまいましたが、確かにチャートで示すとすさまじいドル高ですね。

2008年リーマンショック直後や2011年(米国債格下げだったかな?)の最安値時期は73ぐらいでした。今95前後です。約30%のドル高になっています。

同じ時期のドル円レート推移です。
(ちょっとチャートの形式が違うのでわかりにくいですね)

円はリーマンショック前の最安値時期は120円台前半まで下落し、2011年後半の最高値時期は78円程度でしたかね(75円程度まで最高で言った記憶がありますが、ざっくりした平均値ベースです)。そして今また120円台に差し掛かっていますね。
ボラティリティは60%前後あるのでしょうか。

ドルが3割動くと、円はその倍動く(なぜなら過去は日銀がサボっていたから??

2つのチャートを注意深く見ていると、リーマンショック後にドルが反転した時期は2011年後半と2014年の前半です。
円が下落し始めた時期は、2012年後半(解散宣言があった時)と2014年半ばです。

日本のマスコミの論調では、黒田バズーカが円安を引き起こしたように書かれていますが、冷静に見てみると、既にドルは高くなっていて、円が追いついたというのが正しい見方かもしれません(もちろん黒田さんの緩和は直接の円安要因だったと思いますが、真相はドル反転の後追いだったといえる)。

とまあ、こんな感じなので、グローバルアメリカ企業の苦境もご理解いただけるんじゃないでしょうか?

但し、今以上のドル高もそう期待できそうにないような感じも見受けられます。ユーロ圏内の景気次第ですが。。。

さて、
今月の売買
売り、買いともなし。

今月の配当


今月の増配
JT +8
Cisco Systems +10.5

3

また、ゴールデンウイークを過ぎたら、買い時期が来るでしょう。今あまりお金がない、というのもある。
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2015年2月26日木曜日

バロンズ

バロンズはアメリカの投資新聞として有名です。ウォールストリートジャーナルの系列紙のようです。

最近、アメリカ株投資もすっかり日本で市民権を得たようで、マネックスや楽天で外国株投資を行うと、バロンズのダイジェスト版の日本語訳がタダで読めるようになっています。
(私もしばし読んでいる)

そこに書かれていることは、市場関係者のその時の生の声の最前線のような感じで考えられていることも多く、受験勉強に例えると、「豆単」、「シケ単」(若い人はわからないかもしれませんね)のように知らなければ遅れてしまうような存在であるかのように扱われています。

しかし、私はバロンズのダイジェスト版を読むことはあっても(平均すれば月1回~2回、1回前半台程度)、読み物とする程度です。

だって、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」だから。

ピーター・リンチのファンの方なら、バロンズがあまりあてにならないことはよく承知されているかと思います。

今も行われている、バロンズのラウンドテーブル(おおむね年末に翌年の相場の予想をその時の第一線級のファンドマネージャーを集めて議論させる企画)で、いろいろ話し合いが行われていましたが、外れまくっていたとリンチ氏は著書で語っていましたね。

(個人的な意見では、ジム・ロジャーズの意見がもっとも外れていたような気がする。彼は80年代当時でも、この世の終わりのような見方をしていましたが、2010年を過ぎても世界経済は成長を続けていますね。リーマンショック後にドルは崩壊したと散々言っていましたが、今のドル高はどうなんでしょうかね)

もちろん、当たっていた時もある。2009年か2010年にアルトリアグループを強く買い推奨していたと思いますが、当時(たぶん20ドル前後)の株価で買っていたら、大もうけできたと思います。アルトリアの現在の株価は50ドルを超えていますし、この間平均すれ4.5%以上の配当利回りがあったので、トータルリターンでは素晴らしい投資になったはず。

また、Kinder Morgan2回に渡ってDisりましたが、その当時から株価は3割ぐらいアップしましたよ(バロンズがDisったおかげで、3社が合併したのかもしれませんが)。

もちろん、紙も推奨がどれぐらい当たったかを記事で組んだりしているようです(当然、Outperformしていたように組んであるはずだが)。

したがって、「バロンズがこんなこと言いました」と誰かが言っても、話半分に聞くのがよいと思います。その辺のアナリストレポートと同じです。


少なくとも判断に迷った時(特に売り時)に、バロンズに依存して売買するのはあまり良いアイディアとは思えません。自分の売買判断基準を信じるべきだと思います。

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2015年2月22日日曜日

バイオシミラーに関する雑感

主力株にジョンソンエンドジョンソンがある。また、旧アボット・ラボラトリーズの医家向け医薬品事業だったアッビイをスピンオフ以降ホールドしている。
更に、昨年沢井製薬を新規で買った。

ポートフォリオ全体から言えば、これらのヘルスケア関連銘柄は1割弱のウエイトである(今後さらに買い増し、あるいは新規の可能性もある)。

ジョンソンエンドジョンソンの「レミケード」、アッビイの「ヒュミラ」といったバイオ薬は、特許切れに差し掛かっている。実際、「レミケード」の特許は日本でも切れた。

特に「レミケード」は日本の旧田辺製薬が創薬にかかわっている。
また、「ヒュミラ」(ミにアクセントがあるような発音)はアッビイの売上高の6割、利益だとたぶん8割以上をたたき出す。

更に、品目別の医薬品の世界売上高では、2013年に世界トップとなっているはず(1医薬品で1.4兆円以上の売上だがあるんですよ!!!

したがって、バイオシミラーの動向は結構気になっています。

そもそもバイオシミラーって何?

医療向け医薬品には先発薬と後発薬というくくりがあります。前者は上市された段階で、製薬会社が特許を持っているため、当該特許保有企業が独占的に販売できることになっています。

特許が切れると、欧米では即後発薬と言って(ジェネリック薬・GEと言ったほうが早いかな)、同じ薬(薬の効き目が同じということ)を別の会社が作って、販売することになっています。

GEは先発薬が費やした研究開発コストが抑制でき(すでに有効性と安全性が確立されているから)、低価格で販売できます。

患者にとって、いや、保険会社にとって、同じ効き目で安い薬があるのなら、そっちを使うことは当然のことなので、先発薬は役目を終える、ということになっています。

このGEのバイオ薬版がバイオシミラーと言われるものです(similarという表現がミソ)。

これは従来の低分子薬とは違い、バイオ薬は遺伝子の組み換えや細胞を大量培養などのいわゆるバイオテクノロジーで作られた薬であり、細胞ごとに個体差が生じてしまい、まったく同一のものになりえない、ということから来るようです。

したがって、治験や承認審査も、通常のGEよりも、新薬に近い形で行われています(要するに人体実験のサンプル数を通常のGEより増やすということ)。

低分子薬の場合、GEが発売されると、先発薬はあっという間に売れなくなります。アメリカのアナリストによると、GEが発売された月の翌月から3か月で、対前年同時期で比較すると、平均で先発薬の売上高は75%減少し、1年後には数%まで落ちるようです。

日本では、特許が切れた後も、「長期収載品」と呼ばれ、単価はダラダラと下がっていくものの、これまで通り処方されているのが現状でした(しかし、政府のGE促進政策が徐々に効いてきて、長期収載品の売上高が落ち始めています)。

ではバイオ薬のGE版であるバイオシミラーはどうなるのでしょうか?

そもそもバイオ薬は高い!1回処方されると、数万円から数十万円、中には数百万円のものもあります。

しかし、高くてもそれだけ効く薬でなおかつ、患者にとっては欠かせない薬である場合が結構多い。したがってこれまでは、患者さんも高額の負担をしている、という流れ。
ちなみに「レミケード」も130万円ぐらいするらしい。

それがGEになるとおおよそ6割(4割安)になるので、18万円になるということ。

但し、これは保険適用「前」なので、保険適用後は日本のサラリーマンだと普通は3割負担になりますから、30万円→9万円、18万円→5.4万円という事になるんじゃないでしょうか(かなり大雑把な計算です)。

「レミケード」「ヒュミラ」はリウマチ、乾癬など、自分の免疫機能が正常機能を誤って攻撃することから痛みや皮膚炎などを発症する自己免疫疾患に対し、外部から抗体を注入することで、自己免疫の機能を正常化させる役割があるといわれています。

まあ聞いただけで、わけがわかりませんね。しかし、リウマチや乾癬はそう簡単に完治しないので、治療を継続しなければならない。ということは「レミケード」「ヒュミラ」を長期間服用しなければならない(月に1回~2回投与する必要性があるそうです!! 但し、高額療養費制度というのがあり、毎月所得に応じて、一定以上の医療費が嵩むと、保険で肩代わりしてくれる)。

要するに、かなり重度な疾患でバイオ薬は適用されることが多い。薬剤費は高額になる。長期間の治療を余儀なくされる。

したがって、バイオシミラーは救世主になるかもしれない(特に保険支払人にとってですけど)。

しかし、患者や医者は、「安いのはいいけど、ホントに大丈夫なの、それ?」というのが本音である。
先ほども「similar」と表現した通り、先発薬とまったく同じではなく、同じシミラー内でも品質が同一であるかも疑わしく、そもそも「実績がない」薬です。

今まで「レミケード」で安心していた患者さんにとって(特に高齢者)、「まあ、レミケードに似たような薬ですけど、こっちにしませんか?」と言われても、そう簡単に了解しづらいのではないだろうか?

「実績がない」薬を慎重な患者さんに医者も進めにくいのではないでしょうか?

そんな感じが医療現場であるといわれていて、バイオシミラーは現時点では「様子見」状態であるといわれています。

但し、医療サービスというのは他のサービス業とは違い、受益者たる患者さんが直接費用を負担するのではなく(最高で3割ですから)、医療費支払人は政府ですから、その「政府の意向」が強く反映されており、政府が本気でGEを普及させるといっているので、注目されています。

「レミケード」の使用頻度が高い大病院は取りあえず、バイオシミラーを入荷した模様です。現状、バイオシミラー販売元の日本化薬では、立ち上がりは計画より少し売上高は低い、と言っているようですが、注目度・関心度は高く、引き続き積極的なプロモーションを続けるといっているようです。

日本はこれでもまだまだ甘い方で、フランスは、先発薬にこだわるのであれば、「先発薬―GE薬」の差額には保険は適用いたしません、自分で勝手に払ってください、という姿勢です。

アメリカも医療費を負担するのは、民間の保険会社ですので、「株主様のお金は効率的に使わなければなりません。だからGEが出たら、GE以外の薬に保険は出しません」とドライに扱われているようです(ただし、バイオシミラーは、メガファーマの政治力のおかげで生物学的論争が続いていて、バイオシミラーに否定的な意見が根強い)。

今後日本も同様の風潮が(日仏に比べるとスピードは緩慢ながらも)進むとみるべきでしょう。
つまり、レミケードのバイオシミラーでも大丈夫じゃないの? という実績が積みあがって来れば、浸透する素地はありそうです。もう少し時間がかかるでしょう。

また、バイオシミラーの生産設備も韓国企業が握っており、供給能力もそう簡単に追いつきそうになさそうです。

それでも時代の流れからすれば、時間をかけてバイオシミラーは浸透するとみるのが妥当ではないかと考えられます。どれぐらい浸透するのか、それはまだわかりません。
JNJとABBVIEとバイオシミラーの動向は引き続き、気になります。


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2015年2月16日月曜日

原油価格の下落がアメリカ経済に及ぼす影響への雑感と願望

「原油価格が急落すれば、アメリカ人の個人消費が拡大するから、これは買い材料だ」
よく言われるコメントですが、どの程度のインパクトがあるのかを明確に示した人があまりいないのか、漠然とは上記コメントに同意できるのですが、「ではいくら?」ということはあまり理解できていません。

今回は原油安がもたらす経済的メリットを考えてみた。

先日、マイカーにレギュラーガソリンを満タンにしたとき、大体48リットル前後入れるのですが、7000円台だったガソリン代が5000円台になって、「オーッ」とうれしくなったことを鮮明に覚えています。
千葉県なので、ガソリン割安県だと思いますが、119/ℓでした。ただし、1月に1回程度しかガソリンを買わないので、我が家の年間節約効果はざっくり2万円程度といった感じでしょうか(車は1台しかありません)。


アメリカではどうなんでしょうかね。調べてみた。

出所:The Huffington Host

ざっくり1年前の価格基準なので、もっとも高かったころかと思います。

「このグラフは、1人当たりのガソリン消費量と、1ガロン(約3.785リットル)当たりのガソリン平均価格を、128ヵ国について比較したものだ。それぞれの円の大きさは、その国の人口を表している」とのこと(抜粋)。

当時、アメリカでは1ガロン約4ドル、一人当たり約350ガロン程度?の消費をしていることになる。1世帯23人とすれば、世帯当たり350ガロン×4ドル×2人~3人=2800ドル~4200ドルのガソリン消費をしたことになる。

年間ガソリン料がざっくり42万円((2800+4200/2×120円といった感じかな?(2013年だともっと円高だったかもしれないが)。

これが最近のガロン当たりのガソリン代が、約2.42.7ドルになったといわれている。
(もっともこの価格は長期的に持続不可能である(と個人的に思っている)点に留意)
仮に3ドルと仮定した場合、
350×2.5/世帯×3ドル=2625ドルとなります。120円換算すれば約32万円となります。

42万円-32万円=10万円(840ドル)が世帯当たりへの年間キャッシュバックとなります。

3ドルとやや高目に見積もったからかもしれませんが、これでニュース記事が言っていることとあまり変わりない結果となったような気がします(もちろんアメリカは日本より広いので、ガソリン価格はこれより高い地域もあれば低い地域もありますが、まあ、大づかみとしての話ですけど)。

世帯当たり10万円を何に使うか?

もしこれが日本人だったら貯金(イマドキはNISAでインデックスか?)。
アメリカ人は消費。
(もちろん日本人でも消費しますし、アメリカ人でも「貯金??」する人もいるでしょうね)

国民性の差でしょうかね?

個人的には、アメリカ人さんに、この10万円を梃に、マクドナルドでビッグマックをほうばって、P&Gの洗剤を買ってもらって、JNJの薬を飲んでもらって、車はフォード車に買い替えてもらって、ISharesETFを買ってもらって、スマホはAT&Tで買い替えてもらって、スコッチはジョニーウオーカー、たばこはマルボロを吸っていただければ、それで幸せです(と全く勝手な空想)。

どれか1つだけ、と言われれば、マックをお願いします!! 10万円もあれば死ぬほどマックが食べられます!!

あとは配当金がチャリンと入ってきたらいうことなし。

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