当ブログ恒例の楽天証券セミナーレポート。最近の傾向として、講演者のメンツが同じになる傾向がある。しかも、私が好んで聞く人が増えた。おかげで、以前だと聞く気がしない人の講演者の時は暇な時間帯ができていたが、今ではそのような時間がめっきり減った。
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今回聞いたのは以下の5名 ( )内は講演のテーマ
- 竹中平蔵氏:日本のマクロ経済と政治動向
- 窪田 眞之氏:日本株式市場
- 佐々木 融氏:ドル円為替動向
- 加藤 嘉一氏:中国経済動向
- 堀古 英司氏:米国株式市場
したがって、結構疲れた(笑)。
その1はご存知、竹中平蔵氏について。
要旨としては、2013年から始まったアベノミクスの前半3年間(~2015年)はうまくいった。しかし、2016年からややぬかるみに入っている。正しい方向(政策)を実行すれば決して抜け出せないぬかるみではない。
そのためには冷静に内外の出来事を観察し、必要な手を打っていこう。
という感じ。
アベノミクス前半戦では、失業率が3.2%となり完全雇用を達成。有効求人倍率も全都道府県で1.0倍を超える(東京都1.8倍)。
コアインフレ率(食料とエネルギーを除く)は5年前▲1.0%→+0.7~0.8%
(注:すべて不十分なのは承知しているが、と前置きして述べて、よかったと総括)
現在のマクロ動向は3つの流れがある。
①ハイパーポピュリズム
- 米大統領選挙のトランプ現象
- Brexit
が代表的である。これらの増長?で、混乱が起こっている。これがドミノ現象のように世界に広がるのか、反省を伴って、一時的なものに終わるのか、注意して見守る必要性がある。
→竹中氏は、反省回帰すると考えている
②マイナス金利
日欧、北欧などが導入。これにより投資機会が減ってしまった(貯蓄利子と投資リターンが接近)。
③インダストリー4.0 第4次産業革命
タクシーのウーバーや民泊のエアビーといったシェアリングエコノミーの波。
日本では相変わらず、既得権益者が反対しているが、前向きに取り組まないと、世界の潮流に乗り遅れる。しかし、これをしっかりこなせば、経済のイノベーションにもなる。一方で、シェアリングエコノミーのおかげで職を失う人も続出するはず。
さて、アベノミクス第二ステージに入る前に、第一ステージとは違った点が2つある
。
①海外経済
新興国経済のスローダウン。かつてのように新興国の成長を取り込む難易度が上がる。
利上げできないアメリカ経済。これが円高圧力となって日本経済に逆風。
②国内経済
第一ステージで増えた国民所得は30兆円に上った。しかし、このうち約22兆円は政府が税金として吸い取ってしまった。累進課税と消費税率引き上げの弊害。
したがって、個人消費が伸びない。
ぬかるみから脱するには?
①投資機会の創出
利子率が低下して投資魅力がないのなら、規制緩和。第三の矢はこれから実を結ぶ(はず)。その目玉がコンセッションだ(官営事業の民営化と言えるが、不動産当施設は公官庁・公共団体が保有し続け、そのオペレーション権益を民間に売却する)。
関西国際空港、仙台空港、知多半島の有料道路などが決まっている。これに続く事業があれば、政府・地方政府に金が入って、その金で新たな公共投資を行えばいい。
一方、運営する民間側は、役所仕事のダメな部分を民間の知恵で改革すればアップサイドの収益が見込まれる。
(例:関空の空いたスペースにバジェットホテルなどを作れば、乗り換え客の利用が見込まれるなど)
②減税だ。
ただし、減税はたぶんむつかしそうだから、財政出動を行い、採り過ぎた税金を国民に還元する。
実際参院選後に安倍政権は5.5から6兆円規模の補正予算を組むことが予想されている(ただし、中身が問題とも。しかし安倍政権は国土強靭化政策を掲げている)
感想・意見
- やはり自ら直接政策関与した(はず)の、コンセッション事業は押しまくっていました。
- 成田市で建設中の新しい医学部については今回は言及がありませんでした。
- 選挙では、某民○党を、何の代替案も示さないダメ政党呼ばわりしていましたが、まったく同感です。
- 私は、コンセッションを行うオリックスの株を買いました。
- やはり既得権益者打破のメッセージは既得権益者のトップレフトの様なマスコミには嫌われてしまいますね。
- しかし、こういった良識者にはもっと影響力を持ってほしい。
投資判断はご自分で
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