2018年1月13日土曜日

日本企業の品質問題の背景は? 変えれない日本



東洋ゴム、三菱自動車、日産、神戸製鋼、東レ、三菱マテリアル、旭硝子といった相当たる日本の製造事業者で、いわゆる「品質不正」と言われる検査の不正や品質データの改ざん問題などが表面化しています。

なんでこんな問題が起こるんだろう? 


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と思っていましたが、先日、こんな人の記事を読んで、そうなのかなあ、とも思ってしまいました。

日経テクノロジーオンライン「テクノ大喜利」 ボツ原稿

湯ノ上隆という半導体系のジャーナリストの人だが、元日立のDRAM(半導体:メモリー)の研究開発者の人だ。

記事の中で、日本の半導体産業の衰退原因を述べている。

かつて世界一位を誇っていたものの、半導体産業の外部環境変化(パラダイムシフト:メーンフレームコンピューターからパソコンの時代になる)があったにもかかわらず、いったん定めた品質基準に固執したがために、後追いメーカーだったサムスンに追い抜かれてしまった、という結論を出している。

メーンフレーム時代はDRAMの品質は「25年間耐えうるもの」というのがあったようだが、パソコンの時代になって、「3年~5年程度持てば十分」(買い替えサイクルなど勘案)になったにもかかわらず、20年~25年耐用のDRAMづくりに固執したそうだ。

彼はこの時期、日立の工場でDRAMづくりに励んでいたそうだ。

その後、日立の半導体DRAM事業はエルピーダメモリに承継されていくが、そこでも過剰品質にこだわって、競争力を失い、同社は経営破たんしてしまっている。彼は同じ過ちを繰り返している、と指摘している。

湯ノ上氏は現在の品質不正問題の根が、一度決めたことを変えられない日本企業の体質にあるのではないか、と推測している。

この記事を読んで、ちょっと飛躍するが、「変えられない日本人」という気がしてしまった。

世の中を取り巻く環境は常に変化しています。その環境変化に対応しないと、やがて衰退してしまいます。恐竜がそうでしたね。しかし、日本人はいったん決めたことをなかなか変えられないケースが多いと思います。

過去の成功体験にしがみつく、とでも言いましょうか。

(もちろん、個別組織においては、環境変化にうまく対応して、時代をリードする企業なんかもありますが、全体的なお話です)

なぜ憲法を変えるのが駄目なのか? 中には憲法を変えること自体に拒絶反応を示すことも見られる。北朝鮮が核保有しているのに(中身の問題はとりあえず置いといて)。

なぜ太平洋戦争であんな悲惨な敗戦をしてしまったのか? そもそも戦争を始めたこと自体がおかしかったんですが、戦中の意思決定も過去事例を変えることが出来ず、さらに悲惨な結果を招くようなことが多かった(例:インパール作戦、ガダルカナル争奪戦等)。

血糖値を上げる原因が糖質であることがほぼわかっているのに、なかなか意見を変えない糖尿病学会や栄養士の人たち(カロリー制限に固執)。

もちろん、そこには利権が絡んでいるので、ロジックだけでは割り切れないことはわかっていますけど。

品質不正に関して言えば、「適正な品質」というものを意識すればいいんじゃないかとモノづくり現場を知らない立場だから言えるのかもしれないが、そう思った。

上場企業の経営は、今はやりの「第三者委員会」が代わりに、方針変更のお墨付きをくれるが、政治や医療の世界にはまだまだ、圧力をかけられる存在がないのも課題だなあ、と思う。

変えられないというか、何もしないリスク、これは投資にも通じる話ですね。未だに個人が銀行に預ける預金残高は増え続けています。

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