2019年8月19日月曜日

PBR1倍は買いか 日本企業の場合







日経平均のPBRが1倍近くまで下落しているそうです(8月16日現在で1.01倍)。

強気?の市場関係者は、買い場を示唆する内容が多く見受けられます。

ホンマかいな?

論より証拠、過去の推移を見てみましょう。ただし、日経平均だとなかなかデータがとりにくいので、もっとフェアな指数であるTOPIXで調べてみました。


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TOPIXだと日本証券取引所でヒストリカルデータが簡単にとりやすいから。


1999年1月から2019年7月末までの月末日ベースの単純合算ベースでPBRを市場1部、市場2部企業およびマザーズ企業の推移をグラフ化しました。

期間中のPBRを単純平均すると

市場1部:1.15
市場2部:0.82
マザーズ:5.08

となりました。
市場一部の企業の月末ベースで、1倍未満だったのは58ヵ月(全247ヵ月中)でした。

市場2部に関して言えば、そもそも全期間の平均値が0.8倍ですので、189ヵ月(全247ヵ月)ですので、PBR1倍未満が常態化していると言えます。

マザーズはさすがに将来性が一応期待されているのでしょうか。5倍という高水準です。

日経平均と東証全体という比較対象が違うものの(と言っても日経平均とTOPIXでは直近7月程度ではほぼ同じ水準。日経平均1.07倍、東証一部1.10倍)、日本企業でPBR1倍程度、というのは平均的な姿であり、本当に買い場になるのは1倍を切ってからでしょうか?

東証1部でPBR1倍割れになったのは、2002年の9月ごろ、金融危機のまっさ中?ぐらいです。

小泉改革で1.5倍ぐらいまで上昇しましたが、リーマンショックであえなく1倍割れで、その後2011年から2012年にかけ、0.7倍~0.8倍まで下がりました。

安倍政権誕生、黒田バズーカ砲さく裂などで一気に1倍を回復しました。

アベノミクスでも最高1.5倍程度までしか上がらず(2018年1月)、その後ずるずると下がり始め、今また1倍を切るかもしれない状況にあります。

配当性向30%でいいと思っている企業が多いことと、昔取った杵柄的な自己資本のメタボ企業が多いことなどで、PBRは上がりませんね。

資本投資効率という観点ではこの20年間1部全体では成長がないことにもなりますかね。

市場の全体感から言えば、1倍程度というのは、1部と2部あるいはマザーズと分けて考えるべきで、2部企業の場合1倍割れが当たり前になっています。

1部でも、振り返るともう少し待ちたいところ。

というより個別企業のPBRのヒストリカル水準で判断したほうがより正確であることうは言うまでもない。

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