さて、3月に購入したアパートの融資付けですが、結論から言いますと、不祥事でさんざん叩かれた某S銀行さんに物件価格の95%まで融資を受けました。
他の銀行は、株主でもあるOグループのO銀行は(別物件でしたが)、担保評価不足。
ノンバンクですが銀行のような名前のところは、太陽光発電の信販提携ローンが嫌いのようでした。
また、O銀行では以前、板橋で130百万円程度の物件の申し込みをした際にも、1融資で1億円を超えるのは厳しいとか難癖をつけられました(俺は株主だぞ、と心の中で愚痴ってしまいました)。
S銀行には、川越の物件に対し個人・法人の資産、所得内容の概要を送ったら、前向き検討する、との返事がソッコーで来ました。
なんでも、不祥事の後、第三者委員会を入れて、徹底して融資姿勢を見直しして、一定以上の信用力や資産背景があれば、サラリーマンの資産形成には今後とも積極的に取り組むということにしたようです。
しかし、ここから大変でした。持っている金融資産・不動産および個人・法人の所得が正しいことを隅々まで証明する、という作業がありました。文書偽造が不正の手口だったので当然と言えばそれまでですが。
私も銀行に勤務していたので、まあ、言っていることはわかるけど、そこまでやるか、って感じでしたね。
預金通帳、証券口座残高、借入金明細、確定申告と納税証明書(所得税、地方税、消費税、固定資産税に滞納がない証明)をすべて銀行に提出しました。
証券口座残高の証明は、銀行にあるPCでシークレットタブからログインして残高画面を銀行員に見せると、それを向こうで印刷してくれます。
通帳は過去半年間記帳済みのものを見せました(半年以内に繰り越ししていると、後日再提出するめんどうくささ)。
これを私、妻名義、子供名義(2人分)の銀行口座と証券口座でやるので、量がすごかった。
納税証明書は、太陽光の地方にある自治体は郵送で依頼しました(発行手数料に定額小為替なんて昭和時代のローテクを発見)。
納税証明書に関しては、所得税は税務署(法人&個人のその1,その2、その3計6つを証明)、住民税/固定資産税は市役所(消費税も市だったと思う)、地方税の県は県事務所と印鑑証明とか商業登記簿謄本、土地建物不動産登記簿謄本に住民票など取得するのに気が狂いそうになりました。テレワークをいいことにほとんど1日さぼって取りに回りました。ほとんど場所がバラバラに存在しているので。
こういった発行手数料だけで4万円以上出て行ったと思います。
そして、必要書類を持参して、銀行員に提出・説明する面接があったのですが、そこには太陽光の関連書類(FIT単価がわかるものとか設備に関する説明資料とかやっぱり謄本とかも)もあって、まるで出張するかのようにスーツケースをゴロゴロ引きずりながら銀行に行きました。
銀行員との面談といっても20年ほど前は自分もやっていたことなので、意外感はなかったです。
S銀行さんの今日の書類審査の徹底ぶり(不動産会社からも、建築確認申請のこれは何を意味しますか? とか、かなり細かいことを毎日と言っていいぐらい質問された、と言っていました。施工業者が仲介会社を兼ねていたので助かった)は、相当反省の念が込められているという印象を受けました。
S銀行がずさんと言われる融資を連発したのは、行員の話によると、ゆうちょ銀行と不動産投資ローンの提携をやって、S銀行の主力部隊がそちらに出向になってしまい、S銀行には(従来から中途採用をしていた)元不動産会社の人々が「暴走」した、とのこと(ホンマかいな?)。
そのように言っていましたが、はっきり言って地方銀行より、できる不動産営業マンの方が給与はいいと思うので、銀行に中途入社するインセンティブって何だったんだろうとも思いました(銀行でもインセンティブがあったのかもしれませんね)。
あとは提出した書類をなめるようにチェックするらしく、審査作業の一つ一つを厳格にやっている、という感じは受けました。
ただし、8000万円程度の融資で(金利は2.4%なので初年度年間2百万円、それ以降金利が変わらなければ減るだけ)ここまでやるのは採算が合うのか?とも感じました。
その行員さんは、個人投資家から直接の問い合わせだけで1日40件近くあると言っていました。不動産会社からの問い合わせを含めると、100を超えることでしょう(2月、3月という季節性もあるかもしれませんが)。
したがって、少ない金額はやる気が出ないのは仕方ないでしょう。取り扱いボリュームでは、7000万円~1.5億円レベルが最も多い様でした。
30百万円程度の少額だと、面倒くさいと思うのでは?
したがって、95%出る、と言ってもそれなりの自己資金と金融資産背景や安定収入が一定以上なければ容易ではないようです。
以上、実際にS銀行から融資を受けたものの感想でした。