2012年10月14日日曜日

ポートフォリオ概況 第4位 Dow Chemical (DOW)


現在第4位のDOW です。1位以下はフィリップモリス、IBM、アルトリアとシーゲル系統の銘柄でしたが、まったく違います。ケミカル銀行(現JMモルガンチェース銀行)はかつて分社したそうです。

石油化学では独BASFに次ぐ規模を持っています。ダウ工業30種のデュポン(DD)は、もっと機能性化学に強く、DOWはベーシックな基礎化学のイメージが強いです。

なぜ、こんな銘柄が4位かと言えば、2008年春ごろ、DOWはローム&ハース(R&H)という半導体・電子部品系の化学溶液に強い競合の買収を決め、独禁法当局の許認可を経て、12月ごろ合併許可が下りたことから端を発しています。

買収資金は確か1兆数千億円を要するため、資金調達として、借入金と優先株の発行(バークシャーも引き受け)、さらにダウの強い基礎化学部門を売却することでねん出するということを考えていました。この基礎化学部門の買収相手はカタール投資庁でした(SWFですね)。

カタール政府と折半で作るJVに資産を売却し(基礎化学部門の持ち分半分を売却)、その売却代金を株式買収資金に充当する、という算段でした。

そこで、まさかのリーマンショックが2008年秋に発生します。金融市場は崩壊し、皆臆病になりました。しかし、R&Hの株主は、リーマンショック前のTOB株価で、キチンと決済しろ、と、DOW経営陣に迫りました。

さらに、泣きっ面に蜂で、カタール投資庁は議会での予算承認を否決されてしまい、JVの契約を一方的に破棄して、DOWは急きょ2008年の12月に追加の借入金を必要とする羽目になってしまいました(これは2012年に国際司法裁判所でDOWが勝訴し、違約金約2000億円相当の勝訴になる模様です)。

株式市場は一斉にDOW株を売り浴びせました(個別材料がなくても株価はどん底でした)。

しかし、(当時は)コモディティ中心の基礎化学から、電子部品系化学への「変身戦略」は理に適っていたこと、調達金利はべらぼうに高かったが(FRBがゼロ金利を打ち出しているのに、7%ぐらいの金利だったと思う)、資金繰りはいけるというCFOのコメントがあったこと、R&Hから買収した部門は台湾・中国のファウンドリに強く、将来性があったこと、などより、売られすぎだ、と私は判断しました。

そこで、必死に買い下がって、残高を積み上げるうちに、2009年3月、ついにM&Aの資金決済が出来たこと、リストラの効果が出始めたこと、景気が底打ち反転の様相を見せ始めたこと、株式相場も反転し始めたこと、などから株価が急騰し、私の持ち株価値も一気に倍増して、今に至っています(それからはパッとしませんけど)。

今ではあまり買おうとは思いませんが、当時は優良企業のターンアラウンドも投資テーマにしていました(しかし、ヒューレット・パッカードには注目している)。

     
項目
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会社名(ティッカー)
Dow Chemical (DOW)
本社所在地
米 ミシガン州
何をやっている会社?
①  プラスティック、ビニル等の基礎化学製品
②  ポリエチレンと関連材料
③  トウモロコシをはじめとする遺伝子組み換え種子や農薬
④  リチウムイオン等の電極材料
⑤  各種機能性化学材料
⑥  電子部品、建築、自動車等へのコーティング材料
 
などを製造しています。かなり幅広い取扱製品です
投資時期、平均購入価格
2009年1月~6月、14ドル
現在の株価、バリュエーション
以下、Yahoo! Finance USAより
通貨は米ドルベースです()はドル=80円とした場合
 
株価
28.08
2011年EPS
2.05
2012年予想EPS
1.92
予想EPS成長率
ちょっと予測不能
時価総額
336億ドル 約2兆6000億円
実績PER
13.7
予想PER
14.5x
DPS
1.28 (リーマンショック前は1.68)
配当利回り
4.50%
増配率
2011年66%、2012年28%
EV/EBITDA
7.54x
年初来暴落率
▲2.36% 
投資ストーリーは何か?
ターンアラウンド狙いで買いました。財務的にターンアラウンドしていますが、目標株価$50!!
経営陣のコミットメント
①   EPS$3.5~$5.5を2年ほど前にコミットしたので、そこまでくれば、目標株価は達成できると思う。
今後何を期待するのか?
目標株価を期待しています。
強みは何か?
①     バランスとれた事業ポートフォリオというべきか。リーマンショック直後でも、農薬、種子部門は良い成績を収めていた。
②     CEOのリーダーシップか。R&Hとの経営統合はかなり強引とも思えたが、すぐにシナジーを出してその剛腕ぶりを発揮。
③     ダウ・シリコーン社などJV等の資本提携などでも優秀な結果を残す。買収、資本提携など自由自在の経営戦略。三井物産とのブラジルでの合弁も楽しみですね。
弱みはあるのか?
①   石油化学系は従来弱みになると思われたが、「シェールガス革命」で強みに転嫁しつつある。
②   業界そのものが景気循環性が高いので、景気が底の時にいかに利益を残すかといった点
リスクは?
①     コモディティ系なので、コモディティの価格(石油)に左右されやすい業績
②     財務的にはR&H買収資金もかなり返済が進んだ。
③     中国景気減速と欧州景気減速。結構欧州向けのエクスポージャーが大きい。
④     インドでは2000年ごろに買収した石油化学会社(ユニオン・カーバイド)の公害をかどで裁判を起こされている。しかし、ユニオン・カーバイドはすでにインド工場をダウ買収前に売却しているので、ダウ側は損害賠償責任はないとしている。
成長機会
①     買収したR&Hで電子系の顧客窓口が広がった。特に東アジア。
②     シェールガス革命で天然ガスが安価に。従来石油化学で作られていた成分が、天然ガスから抽出できるようになる。したがって原材料コストが大幅に改善される機会が増えた。欧州や東アジアの化学産業より競争力が出てくる。
③     サウジアラビアでアラムコと合弁で作るエチレンプラントなど。
競合先
①     BASF、デュポン等の化学メーカー。
②     精油関係だと、エクソン(世界最大の製油会社)。
売るとすればどんな時?
①     株価が$50になるか、次の世界景気拡大期でしょうか。この銘柄はEXITを前提としています。
その他
①     株価は割安だと思う。
②     最初に投資した資金のうち、1/3は売却して、P&Gに投資しています。


株価チャート

平均買収価格が約$14ですので、ちょうど09年のV字回復の前後で買っていたことになります。この時初めて、ジム・クレイマーの言う、「メガ・ボトム」なるものを経験しました。

3月上旬ごろ、売りが集中して、日中の売買がストップしたのです。翌日から、急騰して、どうしていいかわからなかったのですが、とりあえず、最後の買いを入れました。

あとで分かったのですが、空売り主犯者は、サブプライムで大もうけした、ジョン・ポールソンだったようです。

2010年から2011年にかけては高値$42から安値$25ぐらいまで一気に下落したので、めげそうになりました。シクリカル銘柄は、コリゴリです。


業績推移

 

(クリックすると拡大します)

業績のほうは、05-06年のころの最高潮に及びません。原油価格の急騰や世界景気後退などから未だ脱し切れていません。


R&H買収に伴う増資により株数も増えていますので、自社株買い、さらなる利益機械の追及が待たれます。


辛抱強くホールドしていきたいと思いますが、4位はウエイトがやや高いので、何とかもう少し、ウエイトを減らしたいなあと思っています。ただし、購入価格の割に、配当がいいので(Yield On Cost 9.1%)、そのままホールドしても配当マシーンであることには変わりありません。両にらみでもイケそうですね。
 
 

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2012年10月8日月曜日

これから買いたい銘柄 と買うべき?銘柄






「買いたいのならさっさと買えばいいのに」というご意見はあるかと思いますが、自分はもともと第2.第3四半期の米企業収益はよくない、と想定していたので(決算を見ていると、おおむねそんな感じするでしょう)、今の金融緩和相場は『気持ち悪い』状態なのです。

企業収益が伸び悩んでいるのに、株価だけが上昇しているような感じなので、もう少し調整すれば買う、という感じで見ています(もちろん個別銘柄毎に買い時があるので、一概に言えませんが)。

 したがって、11月にかけて、①中国経済先行き不安感(これについてはもう、1年ぐらい前からリスク要因としてブログで言っているような気がする)、②大統領選挙と「財政の崖」議論、③ヘッジファンドや投資信託の決算前の利益確定や換金売り(45日ルールとかなんとかいうやつ。Thanks Giving Holiday前に例年恒例の、「プロの事情」ってやつ)、④米企業の決算伸び悩み、⑤毎度おなじみのユーロ問題、などが調整要因としてあると期待?しているところです。

 
ただし、基本的にBuy & Holdなので、今ある銘柄を売却して下落に備えるようなことはせず、今のポートフォリオは調整相場と心中する予定です。

 さて、本題ですが、買いたい銘柄はおおむねリストアップしており、毎日株価を眺めながら、買ってもよさそうだと思う株価になったら買うような感じです。日本株、米国株、欧州株、その他アングロサクソン国家株(豪・加など)で、買い増し候補、新規候補などいろいろありますが、ざっと50銘柄はありますが、今日は厳選して、5銘柄を紹介(投資責任は持ちません。当然ながら)

 
日本株





1:日本電信電話、つまり、NTTです。

役所のようなこの企業の買い理由は、やっとEPSを経営指標に持ってきたという点。これを6割アップさせるという(具体的方法は11月の決算で発表されるらしい)。9月半ばに早くも自社株買いを発表しています。この自社株買い以降、株価が上がってしまったので、手が出せずにいますが、3600円台で買い増しを検討中です。

狙いは、DPS(一株配当)の上昇、すなわち増配期待です。光対応もLTE対応もひと段落していますし、NTTデータの海外買収も、NTTドコモのクソM&A(なんで電話会社が野菜販売会社を買収するのだ???)ほど稚雑ではなさそうなので、利益横ばい、自社株買いと増配を期待し、そのうち携帯のARPUが底打ち、というのが甘い期待です。


2:ヤオコー

近所にも1か所あるスーパーです。20期連続増益にもかかわらず、PERは10倍、ROEは12.4%と割安な指標です。あんまり配当がよくないのですが(Payout Ratio16%程度、しかし小まめに増配はしている)、株主優待が100株で4,000円ついてきますので、これを合わせると、5,500+4,000=9,500/約300,000=3.16%となります。リーマンショック後とほとんど株価がレンジ内推移ですので、2800円ぐらいで参戦も考えています。

 
あとはセブン銀行とかIIJ(インターネットイニシアティブジャパン)とか、「あの時買っとけばよかったのに」という後悔銘柄は澤山あります。

 

米国株 これも後悔銘柄が澤山あります。

3:Enbridge(ENB) または Williams Companies(WMB)

どちらも、Energy & Infrastructure (天然ガス、オイルサンド等のパイプラインの敷設と運営および、それら資源の加工業。天然ガスやオイルサンドの不純物、不要物を抽出し、化学産業等の原材料として売却するなどのビジネス)です。

ENBはカナダのオイルサンドを米国にパイプラインで運搬することがメインのビジネスです。カナダのオイルサンドの半分以上の運搬を担っているようです。大半は米五大湖付近の工業地帯に運ばれます。これをヒューストンまで延長するプロジェクトが成長ドライバー。

 

WMBは米国内の天然ガスパイプラインの運営、と天然ガスの生産者から集ガス(Gatheringと言っています)加工(加工後、パイプラインで輸送される)、天然ガス液(NGL)を抽出して転売したり、カナダのオイルサンドのOffgas からOlefinsをとり、それをポリプレンやエチレンにして、石油化学業界に売るということを行っています。

ポイントとしては、シェールガスのおかげで米国内の天然ガス相場は暴落しましたが、暴落した故に、従来ガスを材料と考えていなかった業界が注目している点です。端的には電力業界、石油化学業界です。電力業界は石炭火力からガス火力へのシフトが始まりそうです。石油化学は安いシェールガスやシェールオイル(あるいはオイルサンド)からとれる成分で生産できるようになります。

WMBの配当利回りがもう少し上がれば(株価が下落すれば)、買う予定。

魅力は、ENBは2016年までEPS10~12%成長をコミット、WMBは2015年までDPSの年率+20%成長をコミットしている点です。Kinder Morgan IncはFirstradeでしか買えないが、上記2社は楽天証券でも買えます。

米国内エネルギー分野は、現在もっとも投資が盛んではないでしょうか?


4:NIKE(NKE)

ご存じ、Just Do it! のスポーツシューズ&アパレルの大手です。先進国の健康トレンド、中国でのブランド確立、NBLやゴルフのみならず、サッカー等次々に競技領域を増加してゆくマーケティング力、結果として強力なブランド力を確立しています。

家族や周りの人に、「ミズノ、アディダス、ナイキでどれが一番好き?」と聞くと、みなさんナイキと答えていました。創業者のフィル・ナイト氏はナイキを創業前はアシックスの米国販売代理店を経営していたんだってさ!! 日本人としてああ、残念。

幸い??中国での受注残に異変が生じており、株価は軟調に推移しています。しばらく様子を見て、打診買いを行う予定です。

パイプライン会社は、ビジネスを買う、というより、アセットを買う、というイメージですが、NKEはビジネスを買う、という感じになるでしょう。


5:Pfizer (PFE)

今更、ファイザーです。元世界一売れた薬「リピトール」の特許が切れました。日本でも有名な「バイアグラ」も今年特許が切れるでしょう。今後の成長戦略を考える中で、ファイザーは選択と集中を進めています。これまで散々だった新薬開発が結果を伴うようになっており、新薬部門をコアとして、それ以外をノンコアとして本体から切り離す作業を継続中です。

具体的には乳幼児向け栄養補助食品部門をネスレに売却し、いま動物用薬品事業(アニマルヘルス事業)をZoetis(ゾーティス)として、2013年前半にも分離IPOさせる予定です。

私が注目しているのは、アニマルヘルス事業のZoetisです。価値を約110億ドルと見込んでおり、世界最大の動物薬企業となる見通しです。

さらに、Eli Lilly(LLY:イーライリリー)にも同様な事業がありますが、同社も主力製品の特許切れ問題がありますので、手放す可能性(つまり、Zoteisが買収する)があります。

動物薬事業の将来性については、人間様のペットへの傾倒ぶりを見ていると、疑問の余地がないのではないか、と思っています(要調査)。

Zotiesに投資するためには、同社のIPOに応募するか、現在想定されているのは、IPO以外の株はPFE株一株当たり、いくらか割り当てるというものです。したがってZoetisの入場券を手に入れるためファイザーを買う、ということになるでしょう。

 

これらの新規候補先と既存銘柄の魅力を天秤にかけて、数銘柄買いたいなあと妄想中です。


一方、買うべき銘柄? としてHewlett-Packard(HPQ)が想定されます。理由は、最も好きになれない会社だからですが…。世間の評価のみならず、自分の気持ち逆張りすることが、本当の逆張りではないか、最近そんな気がしてまいりました(ただし、HPQについては、再生可能性をよく見極めなければならない。これも分社する可能性がある)。

 

ここに挙げた銘柄は個人的な見立てですので、適当にご参考に。
 

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2012年9月30日日曜日

9月の投資状況




「QE3は9月に実施しない」と大見栄切ったものの、見事に外してしまいました。

おかげ?で、9月も総資産残高は続伸しました。

株価がもう一回り上昇するには、明確な経済及び企業業績のファンダメンタルズの改善又は上昇が必要だと思いますが、容易ではないような気がしています。


総資産 年初来 +13.8%
予想受取配当金増加率 年初来+15.0% 指数152.2
Yield       3.73% 
Yield on Cost 5.12%

 

今月の売買
売り;なし
買い;沖縄セルラー電話(買い増し)

 NTTを買い増しすることをずっと狙っていたんですけど、どうしても3,500円台で買うことにこだわったおかげで、自社株買い発表後の反発上昇についていけませんでした。おかげで配当期日前に買い増しはできませんでした。株数にして3%程度の自社株買いを発表しただけで8%ぐらい株価が上昇し、割に合わん。しかし、11月の決算発表までには腹をくくる必要性がある。

 



今月の増配発表
Philip Morris International +10.3%
増配率は概ね期待通りでした。PMもYield on Costが7.9%になり、「金のなる木」化してきました。

 予想受取配当金増加率
指数:152.2  配当金の増加率+15.0%
円高プレッシャーに晒されますね(一応、年初来では1.4%の円安ですけど)。

10月は第三四半期の決算発表(日本は中間決算ですね)があります。FEDEX、Caterpillarを始め、リーディングカンパニーで業績下方修正を出した企業があります。

 スポーツシューズ大手のNIKEの決算で、中国の個人消費の行方もやや怪しいものがありそうです。

日本企業も業績下方修正を出すところが出てきました。S&P500の過去12か月の実績ベースPERは16.8倍、予想ベース(予想が正しければ)で13.9倍となっています(WSJより)。

いくら決算が予想を上回っても、利益の絶対値が伸び悩んでいるにもかかわらず、株価が上昇してしまうと、手を出しにくいですねえ。
 
 
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2012年9月24日月曜日

ルネサステクノロジーに見る日本産業界の限界


日本経済新聞のこの記事


 
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(断っておきますが、記事の批判ではありません。いつもはそうですが…。)

赤字続きで誰も救済できなくなったルネサステクノロジー。そこに目を付けたのが、アメリカの投資ファンドKKR。
KKRといえば、かつて米レイノルズタバコの海外部門を、日本たばこ産業に当時のM&A最高額(約1兆円)で売却し、日本たばこ産業はその後グローバル企業として再出発を果たすきっかけを作りました(今、JTがキャメル、ウインストンを販売しているのは、このM&Aのおかげ)。

 投資ファンドのEXITは時折、こういったゲームチェンジを引き起こすことがあります。JTの例は日本にとって(結果として)良かったことですが、それを覚えている人は、今や少ない。

 そこに、この記事の様に大手自動車メーカーをはじめとする取引先となんと、またまた経済産業省がちょっかいを出すかもしれないという構図。

 

記事を読んで、「ダメだこりゃ」 と思ったのは、

  1. 外資ファンドが支配すれば、(大胆なリストラなどが発生し)自分たちに半導体の供給が支障をきたす可能性がある
  2. 半導体の値上げを要求される

 こういった供給不安を、「マイコンを外資に渡せば、国内製造業の競争力が落ちる」という大義名分???で支援するらしい(経産省は誰のために何を支援するのか、ボタンを掛け違えている)。

 
要するに、日本の製造業(いわゆる完成品メーカー、セットメーカーは下請け企業を「生かさず殺さず」としか見ていない、という暗黙の了解が、公然と世にさらされたということだろう。

 
「他社にはまねできない製造技術を持つオンリーワン企業」 であり、「今の数倍の価格で売れるはず」のポテンシャルを持つ企業が、相次ぐ赤字で、お荷物企業でいること自体が、異常な状態である。

 
そして、トヨタやパナソニック(こういった企業が連合を組んで、100%子会社化するのなら話は理解できるが)、あるいは経済産業省は、今の状況以上を望まない、という姿勢である。

 
ルネサスは、いろいろあったが、既成事実として上場企業である。

 
一般投資家は、トヨタやパナソニックのコストを背負わされ続けるのだろうか? こういった企業のために税金が投入され、ルネサスは「技術は一流だけど黒字赤字スレスレの企業」という下請け企業として甘んじるのだろうか?

 
本当に上場企業としてのルネサスを再生させるのなら、インテルとまではいかないが、技術にふさわしい企業として、認知されるべきで、国家としては、正しいものが正しく評価される仕組みを支援すべきでないだろうか?

 
ウィルバー・ロスというアメリカの投資家がいますが、彼は自動車部品メーカーを世界中で買収して、下請けと元請の関係を逆転させようともくろんでいます。ウィルバー・ロスは、かつて、米国他で破たんしそうになった鉄鋼メーカーを買収して、大きくして、最後に、インド人実業家ミタル氏に売却し、ミタルはその後アルセロールを買収して、アルセロール・ミタルが誕生しました。

アルセロール・ミタルが誕生してから、日本の鉄鋼メーカーは受け身のままです。

いつまでもこんなことをやっていて、またガラパゴス化して世界の潮流に取り残されるようなことがないように、してほしいものです。官さんは余計な口を挟まないでほしい(もう、インサイダー疑惑や不倫事件を忘れたわけではありません)。
 
 
最後はルネサスの経営陣の判断になりますが、自分の運命なので自分で決めてほしいと思います(再生したら自分で自分の運命を決められるような仕組みを目指してほしいと思いますが)。仮に今後も国内メーカーの下請けでよい、というなら非公開化してください。
 

株式投資において長期投資の投資対象企業として、「自分で自分の運命を決めることができる企業」というルールがあります。他人に運命をゆだねている企業が日本には多いような気がします。こういったガラパゴスな要因もPBR等の指標に表れているのだと思います。 

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