2012年3月3日土曜日

2月の投資状況

雇用統計は来週末の様ですが、区切りが良いので32日締めです。

着実に株価が上昇し、おまけに円安に振れたこともあり、今月は好調な「既存店ベース」(ニューマネーなしのたとえ)の総資産の増加率となりました。ドル円は昨年同時期と同じレベルですね。

S&P500の上昇率+ドルの上昇率≒TOPIX上昇率となっていますね(YTDで見た場合、TOPIX15.0%はS&P500;8.9%+ドル/円上昇率6.3%=15.2)。

今月はニューマネーの投入がなかったので、グロスもネットも同じ増加率です。Yield on CostYTDの上昇率は0.43%です。先月の集計は間違っていたようです。訂正いたします。

昨年の第4四半期が少し過剰でこの1月・2月は反動減がある、と言われていた米国経済、小売売上高はそんな感じでしたが、新規失業保険申請者数の減少や自動車は強かったですね。第4四半期のGDP成長率は3%成長に上方修正。これが暖冬効果なのか本物か、う~ん、まだ微妙。

ただし、中期的には確実に改善の兆しがあるとすこしずつ手ごたえを感じています。
それは、1:製造業の好調さ、2:住宅市場底入れ、3:銀行貸し出しの伸びといったところにフォローの風が吹き始めています。リーマンの破綻により「フィナンシャル・アルマゲドン」と呼ばれた一連の金融崩壊劇の後、金融に絡むこの3つ落ち込みが大きかったので、回復しだすとそれなりに効き目が大きいのではないかと感じるところがあります。

まず、製造業ですが、これは自動車と航空機というすそ野の広い主幹産業が好調なことが挙げられます。自動車は巡航速度で新車販売台数が年間1600万台と仮定しても、今まだ1,4001,500万台程度にしか回復していません。

さらに、ペントアップデマンドと呼ばれる潜在需要の顕在化が始まりつつあるのでは、と考えています。ペントアップデマンドとは、「景気が良くなさそうだし、様子を見てみよう」と言って、購入を一時的に控えていたものの、景気も回復しだしたし「もう買ってもいいかな」と心理改善して、購買行動に踏み切るような感じのことを指しています。つまり買い控え層がかい出すことを指します。

また、自動車の平均保有年数が過去最長になっているというデータもありますので、この点を裏付けているものと思います。さらにダメ押しで言えば、アメリカでも燃費規制が本格化してくる点やスマートグリッドなどの再生エネルギーがらみでも電気自動車の出番は期待されていますので、買換え需要を促進する可能性があります。ガソリン代も高騰しています。

失業してクルマを買うお金がない人もいますので、定量的な線引きは難しいのですが、アメリカの新車販売の巡航速度需要が1600万台と仮定すれば、2011年の実績約1280万台との差320万台と今年の100200万台相当の合計約400500万台がペントアップデマンド候補台数となって、このうちのいくらかの台数はどこかで巡航速度に上ぶれするものと想定しています(2010年の販売実績約1100万台との差額も入れた場合、さらに膨らむ可能性もありますが、これは置いておきます)。

尚、アメリカは人口が増加していますので、巡航速度も1600万台以上になっている可能性がある点を指摘しておきます。つまり、201315年ごろに1600万台以上の販売台数になるのかな、と思っています。

航空機もボーイング社では、2012年以降、納入計画が毎期10%ずつ増加しているそうです。2012年の530機から2014年には760機まで増加する可能性があると見られています(MorningStar調査)。原油高により、先進国では低燃費飛行機の需要が高まっている点(全日空タイプ)、新興国での需要の高まりなどが背景だと言われています。自動車以上に裾野が広い産業ですね。

オバマさんの演説も、GEの航空機エンジン工場やGMやボーイングの組み立て工場だったりするシーンが多いように思いました。ドル安効果かなー。

住宅市場は今、戦後最悪の不況の底を打って反転の兆しが見えています。住宅バブル前の新築着工件数は年間150万件ぐらいのところ、今足元は年率換算で6570万件に過ぎません。住宅産業の雇用者数も増加傾向にあります。中古住宅の在庫も適正水準に近付いているようです(但し、今年に関しては暖冬効果の可能性も少し残っています)。

住宅価格はそのうち反転するでしょう。なぜなら賃貸相場では家賃が上昇しているからです。日本では長期的に住宅価格も家賃も並行して下落していますが、あちらはそうではありません。つまり、収益還元法等CFで不動産を評価した場合、どこかで均衡点が取れるはずなので(既に割安だと思うが)、「家賃払うより、ローン払った方が得」と考える層が増加するでしょう。抜け目ないアメリカ人がこのバリュー状態をそんな長期間放置するわけがないと思いませんか?? 債務超過を解消すべき層も残っていますので、もう少し時間がかかる可能性は残りますが、いずれ上昇に転ずると見ています。

自動車・住宅も持ち直してきたおかげなのか、確かJPモルガン、バンクオブアメリカ等の第4四半期決算では貸出金が増加していたんじゃなかったか? 中小企業向け貸出金も底打ち傾向にありますので、経済の「血」は行きわたりつつあります。

雇用も中小零細企業での増加が大企業よりも多いので、アメリカ経済のダイナミズムが戻ってきたような印象を受けています。現在の零細スタートアップ企業のうち、数年後には確実に数社がFaceBookLinked inあるいはSales Force.Com のような企業になるんでしょうねえ。ベンチャーキャピタル等そういう仕組みが出来上がっていますからねえ。

最後に、もし、さらに景気が足踏みすると、QE3という切り札がありますので、万全のバックアップ体制が考えられます。

原油価格がリスクファクターとのことです。しかし、イランを「おとり」にして、シェールオイルの開発を促進しているんじゃないの~?(原油価格は高い方が開発インセンティブも上がる)雇用創出が「次の選挙」の鍵なのでしょ~?オバマさん!! やり過ぎると消費が失速して、選挙も失速、なんてことにならないように!! 選挙前に外交で威張りたいという気持ちもわかるけどね。

さらに皮肉なのか、的を得ていると言うべきか、この原油高のおかげで、低燃費自動車や航空機に買い替えようという更新需要が顕在化しているというのもフォローですね。アメリカでハイブリッドが売れないというのはイニシャルコストが高いおかげでライフタイムバリュー(次回買い替えまでのトータルコスト)を計算しているのではないでしょうか(私もその口。それぐらい計算高いアメリカ人が今のような住宅市場をほうっておくとは思えません)

しかし、このまま一直線に景気・株価が上昇するとは、楽観過ぎるような気がします。
景気も株価も3歩進んで2歩下がる、そんな感じでしょうね。今は3歩進んだのか2歩目なのか、それはわからず。あちらでもtwo steps back, three steps forward,というような表現を半年ぐらい前はよく見かけました。人生も経済も株価もワンツーパンチですね。

売買
今月は売買なし。

予想受取配当金


2月は6社の増配発表がありました。
  1. JT:           +12.5% 98年連続
  2. Cisco Systems    +33.3%  過去1年で2回目
  3. Thomson Reuters +3.3%  19年連続
  4. TransCanada  +5.0%  12年連続
  5. Abbott Laboratories +6.25% 40年連続
  6. HSBC Holdings plc +13% 第4四半期分(増加率は過去4半期分を遡る)2年連続

ただし、REIT ETFNEXT FUNDMid REITの分配金が対前年比減で発表されました。

「待望」?の円安もありました。

これらの結果、前月比+4.7%、年初来+8.3%、指数は143.4となりました。Yield on Cost4.99%まで上昇しました(ちなみにYield on Costの私の目標は「10%」です。5%ではありません)。

5月頃までは増配発表ラッシュとなるでしょう。

3月に向けて
安くなったら買うだけです。GW明けまでは高原状態?? アメリカ経済の強さがどこまで本物か、為替とか中国やユーロなどの「雑音」もありますが、まあ、注目点はいつもと同じです(企業業績が現在は多少「踊り場」の可能性がありますが…)。

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