2016年7月19日火曜日

ソフトバンクのARM買収についての雑感

えーっって感じでした。世間をびっくりさせることがこの人のやることですから、と言ってしまえばそれまでですけど。


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ARMは以前から、スマホ・タブレット向けの半導体チップの会社として知っていました。
一時期、クアルコムやインテルを投資対象として考えていたので、これらの企業がARMにとってかわられる、という感じで評価されていたと思います。

インテルが買収に走るには、高いし、大きすぎるのかな? という目で見ていましたが、なんとソフトバンクが買収するのですか。

M&Aは大なり小なり、経営者の征服欲が入っているのだと思います。
ソフトバンクのM&Aは他の会社とは違って、オーナー経営者の征服欲を満たすという側面が、はっきりしすぎる点でしょうか?

その征服欲を満たすために、既存株主や債権者に過度なリスクを負わせるのは、やっぱりちょっと引いてしまいます(従業員にはなんとでも命令できますけれど)。

ちなみに社債はすでに投資不適格債になっています。私はアメリカの企業で投資不適格になった場合、経営者はいち早く投資適格に浮上させることを優先していたのを見ています。
ダウ・ケミカル(リーマンショック直後)、フォード、キンダーモルガン(注KMIは不適格を避けるために減配したが)等です。

不適格の格付けを無視して、新たに借金を背負う、というのは聞いたことがない。

ちなみに、KMIは一部ガスパイプライン資産を電力会社に売却し、売却代金は借入金の返済に回すかもしれない、と発表した瞬間、株価は暴騰しました(まだ上がっている)。投資家は過度な借金を嫌がっている。

社債権者も保有する社債の価値は格付けによって、決まるので、迷惑な話のはず。

ARMから配当を目いっぱい吸い取って、借金を返済するのか?(そんなことはなさそうだ)

借金をし続けて、資産を膨らまし続けるのは、かつてのダイエー中内商法を髣髴させます
もっとも膨らんだ資産がダイエー店舗より、CFを生み出す能力は総じて高そうですけど(スプリントを除いては)。

今日のSB株は暴落していますね(▲10.3%!!)。当然でしょ。マスコミさんは、あのCMに気を遣って、報道すべきことを報道していませんな。

地味でも、しっかり株主価値の向上のために取り組んでくれる経営陣に投資したいです。

人間、孫正義、はすごい人だと思いますけれど、経営者としてはちょっと。

投資判断はご自分で

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4 件のコメント:

  1. なんともすごいと思いますが、いいのか悪いのか私にはわかりません。ただ、孫さんのSB入社式のスピーチで語った過去のエピソードで、うちの会社は売り上げ(だったかな?)を豆腐のように1兆、2兆と数えるようになるんだ!と言ったという話を思い出しますね。

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    1. 彼はすごいという意味をはき違えているような気がします。
      借金できる能力(これも能力のうちには違いありませんが)で、必要以上に株主、債権者、従業員をリスクに追い込んでいるので、やややりすぎではないか、と思います。
      それが証拠に、資金調達コストは上がる一方のはず。

      原子力神話ではありませんが、絶対に失敗しない、という前提はありえないと思いませんか?

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  2. いつも楽しく拝見しております。
    釈迦に説法かと思いますが、実質的な有利子負債の負担は約5年です。
    ※非連結のアリババの公正価値7兆円、手元現金預金2.5兆円を加味したネット有利子負債は約2.5兆円。簡易CF1.9兆円(利益0.5兆円+減価償却1.4兆円)から設備投資額1.4兆円を控除したCFは0.5兆円。負債2.5兆円/CF0.5兆円=5年
    孫さんにしてみれば、スプリントの止血、テコ入れに自信があるので、「私、失敗しないので」と言えるのかもしれません。
    総じて、負債が大きすぎるのは多大なリスクですね。

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    1. コメントありがとうございます。
      経営者が、自社の債券をジャンクボンドと呼ばれているのに、放置していることが、私としては投資する気になれません。
      アリババの含み益の評価もなかなか難しいと思います。実際にこれ以上売る気はないでしょうし、株ですから評価も時価になってしまいます。

      総じて私の考え方は、「市場平均」だと思います、しょせん。

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