ご冥福を心からお祈りします。
小林さんは、その闘病生活をブログなどですべてオープンにして、がん患者やその家族・関係者等を励ましてこられました。
しかし、その小林さんも診断当初は民間療法に通っていたのではなかったか? とも言われています。
川島なおみさんも、そのように聞きました。
これを聞いて、何とも言えない気になって、書いてみることにしました。
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民間療法とは 科学的なエビデンスがなく、保険非承認で病気を退治するアプローチ
民間療法とは、ガンの場合、樹状細胞療法・免疫療法(注:オプジーボやキイトルーダなど承認されているものもある)などが有名ですが、これらは臨床試験をパスして(つまり、人体実験の結果が良かったと公的に認められているか否か)いません。
こういった療法を提供しているクリニックなどのHPを見ると、治療実績というのは掲載されていますが、はっきり言って健康食品の効果を宣伝しているレベルと同じだと考えていい。
こういった療法は理論的には納得感がありますが、結果に乏しく、信頼性を担保できるものがありません。
そんなに優れた療法なら、なぜ保険承認を取らないのだ、ということになります。
民間療法は保険非承認のため、1コース受診するとがんの種類などによりますが、数百万円レベルの料金がかかります(保険が承認されると、1/3。さらに高額療養費制度を活用すれば、最大月間でも10万円程度で済むはず)。
ではなぜ、こういったアングラな治療が流行るのかと言えば、弱い人間心理を突いているからです。
抗がん剤治療は苦しいだけで効果がない、民間療法は副作用もなく、理論的に先鋭的だ、みたいな感じです(実際には副作用が出る人もいるようだ)。
「聞きたいこと」を聞きいれてしまう、人間の心理を突いています。
がんの民間療法を利用する人は大きく、①病院で医者に「あなたの症状は絶望的で、うちではこれ以上面倒見ることができません」と「がん難民化」してしまった場合、②医療不信に陥ってしまった場合(川島なおみさんが該当)が考えられます。
川島さんは、あの近藤医師(元慶応大医学部教授)の「抗がん剤は効かない」や「医者に殺されない47の心得」などのベストセラーを出版している方に相談したとも言われています。
近藤医師は非常にcontroversial な方で、元大学病院の先生が医療不信を暴露しているので、正しいのではないか、という人と、そんなに否定するなら文学の場ではなく医学学会など専門分野でやればいいだろう、彼の論理はおかしい、という現役の医師からの指摘など入り混じっています。
民間療法に走って、全く効果がなく、がんが進行して、さらにダメになる。もし、セオリー通りの治療を受けていれば、助かった・あるいはもっと長生きできたかもしれない、という点が問題になっている点です。
全く効果がない場合、民間療法の医療側でも、患者を見捨てるらしいです。
医療不信に陥るのは、医者のコミュニケーション能力によるところが大きいです。
私は、リンパ腫の治療中(現在寛解、経過観察中)に他の患者さんと話を聞く機会がありましたが、患者の意向を正面からくみ取って、一緒に治療にあたってくれる恩人のような先生もいらっしゃることも耳にします。
ちなみに私の主治医は「コミュニケーション下手」な人ですが、相手の性格を理解できているので、最近はまあ、なんでも相談するようにしています。最初のうちは、もめた時期もあり、先生も私を「うるさ型」な患者と認識しているような感じです(笑)。
医療を信頼できるか否かは、目の前の医者次第。これでは、生きるか死ぬかのがん治療がくじ引きのようになってしまいます。
がんを宣告されると、私は目の前がパニックになりました(最初は半信半疑「え?なんでオレが?ウソだろ?」から、一気に落ち込みます。その後家族はどうするとか、「仕事はクビになるのか」とか、「治る可能性があるのか」とか、「お金大丈夫か」とか、「会社や妻になんて説明しようか」とか、そういった心配事が一気に噴き出し、頭を整理するのが大変でした)。多分、普通はこんな感じでしょう。
その状況で、医者からつっけんどんな対応で、治療方法がないとか言われると、お気持ち察します。
しかし、民間療法は上記のようなものであることを十分理解してほしい。
取るべきアプローチは、
まず、自分の知識をしっかり持つべきです。
「先生にすべてお任せします」は今では通用しません。医者が治療方法を「提案」し、患者がそれを決める、というのが少なくとも建前上のルールになっています。
(私は提案された薬を一つ、拒否した。調べた結果、そんなに有効性を感じなかったから)
宣告パニックが一通り落ち着いたら、是非、勉強してください。その上で、医者に症状の説明を再度してもらうように臨みましょう。自分の状態をある程度知識で理解していれば、医者が言うことはかなり理解度が高まっているはずです。予習しておくことです。
おそらく、健康診断などで異常が発覚→CTなどで再検査→がん宣告(細胞を抜き取るなど生検の結果何がんか言われる)→精密検査(がんの広がり具合などを見る)→フェーズ1とか4とかがわかる→治療方法の提案 という流れになり、最後までたどり着くには、最低でも1週間以上はかかるのではないかと思います(体にキツイ検査が重なるので連日行えないと思う)。
したがって、「予習」する時間はあるはずです。予習により、自分の症状に仮説が立てられます。
仮に、医者の説明がおかしければ、場合によっては反論できますし、患者の会の人などに相談すれば、もう少し前向きな情報が得られる可能性も高まります。自分で自分が理解できていれば。
最終的に、然るべき病院・医者にたどり着けば、かなりの程度で、「まともな治療」を受けるチャンスが広がります。
皆保険制度なので、だれもあなたを特別扱いしてくれません。自分で探し出すよりほかありません。
日本人の2人に一人はがんになり、がん患者の2人に一人は死ぬといわれています。このブログの読者の方はまだまだお若いので、そんな心配は無用かもしれませんが、そういう世界になっています。
但し、初期のがんを発見するのはなかなか難しく、見つかったとしてもすぐ治療すべきものか否か意見も分かれるケースがある(小林さんはこのパターンだった可能性)。
逆に異常を自覚している場合、がんと分かっても、遅い、というケースが多い。
がん治療は、まるでスマホアプリのように、走りながら不備をアップデートしていくような現在進行形で治療が決まっています。私たちも後世のがん患者候補者の人体実験の一人です。言い方が乱暴ですが、それを受け入れざるを得ないのが現実です。
個人的には、人生100年計画なんて、想像つきません。
しかし、私も「もうだめ」と言われたら、このように冷静に対処できたか、正直自信はありません(というか民間療法という実態を入院中にネットサーフィンで初めて知った)。
民間療法とは、ガンの場合、樹状細胞療法・免疫療法(注:オプジーボやキイトルーダなど承認されているものもある)などが有名ですが、これらは臨床試験をパスして(つまり、人体実験の結果が良かったと公的に認められているか否か)いません。
こういった療法を提供しているクリニックなどのHPを見ると、治療実績というのは掲載されていますが、はっきり言って健康食品の効果を宣伝しているレベルと同じだと考えていい。
こういった療法は理論的には納得感がありますが、結果に乏しく、信頼性を担保できるものがありません。
そんなに優れた療法なら、なぜ保険承認を取らないのだ、ということになります。
民間療法は保険非承認のため、1コース受診するとがんの種類などによりますが、数百万円レベルの料金がかかります(保険が承認されると、1/3。さらに高額療養費制度を活用すれば、最大月間でも10万円程度で済むはず)。
ではなぜ、こういったアングラな治療が流行るのかと言えば、弱い人間心理を突いているからです。
抗がん剤治療は苦しいだけで効果がない、民間療法は副作用もなく、理論的に先鋭的だ、みたいな感じです(実際には副作用が出る人もいるようだ)。
「聞きたいこと」を聞きいれてしまう、人間の心理を突いています。
がんの民間療法を利用する人は大きく、①病院で医者に「あなたの症状は絶望的で、うちではこれ以上面倒見ることができません」と「がん難民化」してしまった場合、②医療不信に陥ってしまった場合(川島なおみさんが該当)が考えられます。
川島さんは、あの近藤医師(元慶応大医学部教授)の「抗がん剤は効かない」や「医者に殺されない47の心得」などのベストセラーを出版している方に相談したとも言われています。
近藤医師は非常にcontroversial な方で、元大学病院の先生が医療不信を暴露しているので、正しいのではないか、という人と、そんなに否定するなら文学の場ではなく医学学会など専門分野でやればいいだろう、彼の論理はおかしい、という現役の医師からの指摘など入り混じっています。
民間療法に走って、全く効果がなく、がんが進行して、さらにダメになる。もし、セオリー通りの治療を受けていれば、助かった・あるいはもっと長生きできたかもしれない、という点が問題になっている点です。
全く効果がない場合、民間療法の医療側でも、患者を見捨てるらしいです。
医療不信に陥るのは、医者のコミュニケーション能力によるところが大きいです。
私は、リンパ腫の治療中(現在寛解、経過観察中)に他の患者さんと話を聞く機会がありましたが、患者の意向を正面からくみ取って、一緒に治療にあたってくれる恩人のような先生もいらっしゃることも耳にします。
ちなみに私の主治医は「コミュニケーション下手」な人ですが、相手の性格を理解できているので、最近はまあ、なんでも相談するようにしています。最初のうちは、もめた時期もあり、先生も私を「うるさ型」な患者と認識しているような感じです(笑)。
医療を信頼できるか否かは、目の前の医者次第。これでは、生きるか死ぬかのがん治療がくじ引きのようになってしまいます。
がんを宣告されると、私は目の前がパニックになりました(最初は半信半疑「え?なんでオレが?ウソだろ?」から、一気に落ち込みます。その後家族はどうするとか、「仕事はクビになるのか」とか、「治る可能性があるのか」とか、「お金大丈夫か」とか、「会社や妻になんて説明しようか」とか、そういった心配事が一気に噴き出し、頭を整理するのが大変でした)。多分、普通はこんな感じでしょう。
その状況で、医者からつっけんどんな対応で、治療方法がないとか言われると、お気持ち察します。
しかし、民間療法は上記のようなものであることを十分理解してほしい。
取るべきアプローチは、
- 出来るだけ、自分の症状を客観的に理解すること。
- 「患者の会」のようなボランティア・NPO団体があれば、そこに顔を出してみること。コミュニケーション上手、あるいは治療熱心な病院や医者を教えてもらえることもある。熱心な医師が主催したりゲストとして招かれている座談会のようなものもある。診療より相談しやすいはずだ。
- 上手くその病院や先生にアプローチすること
まず、自分の知識をしっかり持つべきです。
「先生にすべてお任せします」は今では通用しません。医者が治療方法を「提案」し、患者がそれを決める、というのが少なくとも建前上のルールになっています。
(私は提案された薬を一つ、拒否した。調べた結果、そんなに有効性を感じなかったから)
宣告パニックが一通り落ち着いたら、是非、勉強してください。その上で、医者に症状の説明を再度してもらうように臨みましょう。自分の状態をある程度知識で理解していれば、医者が言うことはかなり理解度が高まっているはずです。予習しておくことです。
おそらく、健康診断などで異常が発覚→CTなどで再検査→がん宣告(細胞を抜き取るなど生検の結果何がんか言われる)→精密検査(がんの広がり具合などを見る)→フェーズ1とか4とかがわかる→治療方法の提案 という流れになり、最後までたどり着くには、最低でも1週間以上はかかるのではないかと思います(体にキツイ検査が重なるので連日行えないと思う)。
したがって、「予習」する時間はあるはずです。予習により、自分の症状に仮説が立てられます。
仮に、医者の説明がおかしければ、場合によっては反論できますし、患者の会の人などに相談すれば、もう少し前向きな情報が得られる可能性も高まります。自分で自分が理解できていれば。
最終的に、然るべき病院・医者にたどり着けば、かなりの程度で、「まともな治療」を受けるチャンスが広がります。
皆保険制度なので、だれもあなたを特別扱いしてくれません。自分で探し出すよりほかありません。
日本人の2人に一人はがんになり、がん患者の2人に一人は死ぬといわれています。このブログの読者の方はまだまだお若いので、そんな心配は無用かもしれませんが、そういう世界になっています。
但し、初期のがんを発見するのはなかなか難しく、見つかったとしてもすぐ治療すべきものか否か意見も分かれるケースがある(小林さんはこのパターンだった可能性)。
逆に異常を自覚している場合、がんと分かっても、遅い、というケースが多い。
がん治療は、まるでスマホアプリのように、走りながら不備をアップデートしていくような現在進行形で治療が決まっています。私たちも後世のがん患者候補者の人体実験の一人です。言い方が乱暴ですが、それを受け入れざるを得ないのが現実です。
個人的には、人生100年計画なんて、想像つきません。
しかし、私も「もうだめ」と言われたら、このように冷静に対処できたか、正直自信はありません(というか民間療法という実態を入院中にネットサーフィンで初めて知った)。
投資判断は、個人でお願いしますね。
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