2018年4月7日土曜日

究極のM&A戦略 中国半導体産業のM&A戦略とは もしあなたが該当すればどうする?



中国は世界の工場と言われて久しく、各国企業の生産拠点となっています。当然、電子関連の製品の工場も多く、半導体の消費もものすごい数になっています。

世界の約45%の半導体を中国で使用しているようです。しかし、半導体そのものの生産量は中国では15%程度しかないそうで、大半が輸入品のようです。

半導体だけを取り出すと、「貿易赤字」になってしまいます。

一方、世界の工場で作った製品も中国人の人件費の高騰で競争力を失い、輸出競争力が落ちていることはご存知かと思います(日本企業も工場を中国からタイ・ベトナム他東南アジアにシフトしていますね。服もかつては中国製でしたが、今はバングラディッシュとか書いてあります)。

そこで、中国国内で使用する半導体の量に見合った半導体を国産化しよう、という政策のようです。つまりメードインチャイナの半導体を15%→45%にしよう、と。


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しかし、単に量を増やせばいいわけでもなく、質もアップさせたうえで増やさないとAIや電気自動車など中国でも肝いりの政策に使えません。

そのため、中国では半導体製造に向けた「補助金」1500億ドル(約16兆円)を向こう10年間で出すらしいです!!!

[FT]米、中国半導体に激しく抵抗 「市場ゆがめる」(日本経済新聞電子版)

半導体工場は巨額の投資が必要ですが、十分すぎる額かもしれません。かつ、補助金が出る、とくれば、皆が群がる図式は日本でも中国でも同じ(鉄鋼とかはこれで過剰生産になって、今ダンピングと言って、トランプ大統領に叩かれていますよね)。

ただし、カネはあっても技術や人は足りていません。そこでM&Aというわけですが、
アメリカは中国企業の米企業買収に「ノー」を突き付けてしまいました。

これはオバマ政権時代の2015年、中国紫光集団がマイクロンテクノロジーにTOBをかけたのですが、米議会が反対(議会は共和党でしたが)。軍の機密などが漏れる、のが理由。

日本の東芝メモリの件でも経産省は中国や韓国は嫌だ、という姿勢でした。

カネはあっても、M&Aが出来ないのです。

そこでどうしているかと言えば、

優秀な技術者をヘッドハンティングする、という行動に出たそうです。ねらい目は①台湾、②韓国、③日本人や欧米人、だそうです。言葉が通じる台湾人が1位はわかる。

条件がスゴイ!!! 例えばサムスンで働く30代半ばのエンジニアに、今の年棒の3倍を5年間保証する(日本円に換算しても、5年合計で約5億円だそうです!!! 億リ人ですよ!)。プラス、子供の学費を払う、とからしい。

(ゴールドマンサックスかモルガンスタンレーなど外資系証券会社のMDクラスかと思ったよ)

しかし、会社をM&Aする、と言っても、究極的にはそこで働く「優秀な人」の獲得が目的になります。

「優秀な人」には技術・顧客・ノウハウ等がもれなくついてきます。

株主に余計なプレミアムを払うのなら、究極的な人にプレミアムを払っても最終的な金額は同じか割安かもしれませんね。

M&Aの場合:株主にプレミアムを+30%程度支払う。その後人材をつなぎとめるコスト?

スクラッチで立ち上げる場合:建設コスト、人材コスト、立ち上げコスト(うまく稼働するまでの時間)

もちろん、これら中国の国産半導体企業がサムソンや東芝、あるいはインテル、ルネサス他の先を行っている半導体メーカーと互角に渡り合うには時間がかかるとは思いますが、中核技術者がそろっていれば、そのスピードは速くなりそうですね(ってか、技術者がそういった企業から移転することになる)。

もちろん、中国側も、それだけ払っているので、成果が出ないとヤバいことになるかもしれませんが、「5年で5億を保証」って言われたら、「やったるわい!」って私なら思いました

インデックスよりETFより米国株よりもリターンが高い自己投資になりますね。やっぱり数学・物理の勉強をしておくべきだった(苦手でしたね)。

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