2023年1月15日日曜日

2023年新春楽天セミナー

1月の午前6時過ぎの朝焼けです。まだ日の出前。この季節は乾燥して空が澄んでいて朝空がきれいです。2月後半から3月にかけるとこの時間帯が日の出になります

毎年恒例となった楽天セミナーレポート。コロナということで引き続きオンライン開催だが、楽天が連結ベースで資金繰り難が言われており、コストセーブのためにオンラインだった可能性も否定できない(と勘繰る)。

個人的なカード決済は楽天カード利用率が9割以上なので、サッサと携帯事業から足を洗ってほしいと思いますが。


それはさておき、楽天セミナーはだんだん登壇者や内容が充実しており、最近ではA会場、B会場とまるでレコードのA面、B面(この意味が分かる読者がどれくらいいるか不安だが)、のようにテーマや出演者が分かれており、B面も充実しつつある、というのが感想です。本来A面で登壇していいようなゲストもB面だったりしました。ただし田村淳はB面にしてほしかった


私が聴講したのは

  • 竹中平蔵氏のオープニング
  • 窪田真之氏の日本株投資戦略
  • 今中能夫氏の半導体動向(これが「B面」でした)
  • 堀古・岡崎・加藤各氏の対談(日米中の動向)
  • 堀古氏の米国株相場

です。

最近は毎日のようにいろんなYouTuberの解説を聞いているので、正直新鮮味、という意味では低かった。上記の各氏もYouTubeで自説を日ごろしゃべっていますし、そこから大幅に乖離することはあり得ないし。

以下雑感


竹中氏

一応、政府の審議員(デジタル田園都市だった)か何かで岸田政権に関与しているので、ある程度政権を擁護する発言もありますね。

基本論調は、官僚主導の昭和型政権運営で、先延ばし政策が今後ツケを払わされる、と警告はしていましたが。

世界的に、大きなTransitionの中にいて、それに気づかず「Policy Mistakes」が多発し、今後10年単位でその変化に対応してく過渡期に入った、的な時代の大きな流れの中にある、といっていました。

米:FEDのインフレ対応のミステイク

米欧:ロシアのウクライナ対策を甘く見ていたミステイク

中国:コロナ対策の失敗

日本:世界的なウイズコロナ対策から取り残された

など

(ウクライナ対策はアメリカの民主党/ネオコンを抑えきれなかった米国民のせいだと個人的には思う)


窪田氏

年末に日経平均3万円前後を予想していました。

前半は下がる局面があるものの、年央から年後半は上昇局面と。

根拠は、中国のコロナ一巡と米国経済でインフレ一服、2024年景気回復期待、大統領選挙アノマリーなど。

引き続きバリュー系高配当株がよいと言っていました(いつものMUFG、三菱商事など引き続き)

→ 年後半だと円高の影響を株式相場が受けるような気がしているのですが、為替と日経平均の分析は発言がなかった。撮影がまだ130円台だったからか?


今中氏

この方はずっとテクノロジー分野の分析を楽天でやっておられるアナリスト。最近は当然GAFAMやTSCM、なぜかテスラなどをカバー。

これも業界一般的な見方ですが、半導体需給は年後半には在庫が一巡して回復に向かうだろう、というもの。

この流れに沿って、半導体メーカー(設計者)、データセンター向けチップ、サーバーなどの供給者、半導体製造装置などの銘柄を言及。

半導体って、要するにマンションに例えると、デベロッパーとゼネコンにイメージが近いと思う。

例えば、新築マンションの販売主が三井不動産とか野村不動産で、実際建築するのが長谷工だったり前田建設などゼネコンだったりします。

半導体の場合、半導体の設計をNVIDIAやQUALOMがやっていて、製造をTSMCがやっている、というイメージ。インテルは設計から製造まで一貫製造。

また、用途がメモリー、ロジックに別れます。メモリーに強いのがサムソンなどの韓国勢、ロジックはインテルやGPUのNVIDIA。

さらに、自動車用途にはインフィニオン(独)など半導体市場が広がるにつれ、各社戦略を絞っていく傾向があります。

半導体業界は巨額の設備投資が必要で、景気の波によって業績が大きく左右されるので、今の調整局面は機会と考えられる、というのが私もそう思います。

バフェットがTSMCに投資したこともあって、またびっくりですね。


堀古氏

さて恒例。相変わらず強気でしたね。

彼の今回の持論は、「今の相場は弱気すぎる。実体経済は絶好調だ」というモノでした。


前回の彼の言動を思い起こすと

楽天セミナー 2022年7月9

「米経済は今が底」「インフレはいずれ落ち着く」「インフレだと名目EPSも成長する」「株価は底値圏」という感じのことを言っていました。


  • S&P500の現状などを鑑みると、今のところS&P500の底値圏は22年の9月頃(ジャクソンホールから9月末ごろまで)でした。
  • インフレ率は上昇率ベースでピークアウト感が強いです。
  • 米GDPは2022年2Q▲0.6%から3Qに+3.2%と急回復しています。

今回は概ねあたっていますね。

さて、今期と来期の米企業の収益(EPS)、これはこの週からの決算で企業からどのようなコメントが発せられるかに注目が集まりますね。


彼のロジックで疑問に思った点を

彼は、たとえリセッションでEPSが落ちても、金利が下がれば、理論株価はかえって上がるので、投資の好機、といっていた点。数式で簡潔に言っていました。


モデル式はその通りだと思います。

    はある企業の正常時の理論株価です。EPS10の企業で、金利(一般的には10年国債金利)と株式リスクプレミアム(リスクがゼロの国債よりも株式を買う場合、これぐらいリターンがあれば株を買ってもいいだろう、というプレミアム。一般的には5%から6%といわれている)にその企業の成長率を控除したものを割り算します。この場合は4%となります。

    不況に陥って、この企業の業績(利益)が20%ダウンしたとします(8)。不況時なので、金利も2%に低下します。そうすると、利益がダウンしても金利もダウンしたので、理論株価は250から267に逆にアップします。

    しかし、筆者は、不況に陥った場合、企業の成長率も下方修正バイアスが発生すると思い、3%に下がると予想します。すると株価は200に急落します。

 

企業の成長率4%が絶対だ(つまり不況を超えても従来と同じ成長率が維持できる)、と思えるビジネスモデルの場合は堀古氏の言う通りでしょう(最もDCFでもなんでもターミナルレートなど一定時期以降は永遠に同じ割引率になるので)。

しかし、アマゾンやグーグルなどコロナで成長を先取りした感もあり、成長率が鈍化といわれていて、従来と同様の成長率で試算するのはやや早計かと思いました。

もっとも、それ以上に金利が下がれば、株価が上がる、とみる向きもありますが。

 

日々の相場は③を懸念しながら、底打ち感が出てくれば、①・②に移行するのでしょう(銘柄の経営内容や競争環境によりさまざまでしょうが)。

 

いずれにせよ、堀古氏は、「まだ」リセッションを意識するのは早い。リセッション前が、一番相場を取れる時だとチキンレースで逃げ遅れない自信があるようでした。

 

私は、チキンレースが崩壊してからソロリと買いたいなあ。


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