2022年7月10日日曜日

楽天セミナー 2022年7月9日

恒例の楽天セミナーレポ。

今回も、竹中平蔵氏、窪田真之氏、堀古英司氏の3人の内容をサマって、私見を交えようと思います。

                           

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竹中平蔵氏

まず、安倍さんの件に触れ、経済が低迷する国は政治も低迷するといい、日本経済が低迷しているのも安部事件の要因ではないかと示唆。

ソ連が崩壊後、経済成長が低迷しているワースト3が、ロシア、ベラルーシ、そしてウクライナであると。

大きな論点は、今回のようなパラダイムというか体制の転換(ウクライナのEU加盟可能性やフィンランドのNATO加盟という西欧と旧ソの緩衝地帯が撤廃されてしまう)は10年程度のトランジッション期間を得ないと落ち着かないだろうと。長期的に不安定な世界政治を予想させるそうです。

一方、こういった政治の混乱期にはテクノロジーも転換するケースが多いとのこと。

  • 第二次大戦後は飛行機がプロペラからジェット・ロケットに以降し、ロケットが宇宙開発を可能にした。
  • 90年代のソ連崩壊後はインターネット革命をもたらした
  • 今は、さらにビッグデータ、人工知能が実用化される

こうした混乱期は不安定だけど、大化けする企業も現れやすいのでピンチの陰にチャンスがある(私見:旨いこと言うねえ。戦後の混乱期に松下幸之助や本田宗一郎、ソニーが生まれたとか)。

足元世界経済は、インフレ抑圧のために米欧の中央銀行の利上げにより、ダウントレンドにある。

一方、日本の岸田政権は「骨太の方針」を掲げたけど何をやるのか?どのようにやるのか?は何も決まっていない。成長も分配も総論賛成だが、各論は議論が難しい。

GDPギャップを埋める20兆円から30兆円の緊急予算を組むべき。

(私見:と一般的な岸田評でしたが、「新しい資本主義」に関しては、ややポジティブな見方をしていて、「配慮」があるように聞こえました。「新自由主義」のこれまでの貢献に一定の評価をしていること、いつの時代も現在の経済政策に改良を加えるような動きを世界は行っており、現実対応型の経済政策を言及しているだけだ、と言ってました)

 

私見:マクロ的には厳しい先行きだろうと示唆。

 

窪田真之氏

窪田さんは最近、楽天証券のYouTube「日本株投資戦略」を毎週聞いている(見ている)ので、その内容とほとんど同じでした(そりゃ、そうでしょうね。主張が2つも3つもあると信ぴょう性を疑うし)。

日本株は割安で、依然買い場だけど、米景気先行きが不透明なため、時間分散で長期投資、かつ、日本版でダウの負け犬投資法をお勧めする、というのが内容。

日本経済自体は、「リオープン」や円安でよい傾向にあるけど、米経済がそろそろリセッションかもしれないので、その影響次第だが、米株式相場は概ね底を打った(が、しばらく底這いかもしれない)可能性もあるので、日経平均は下値24,500円程度(直近最高値の▲30%程度)だろうと。

具体的な日本株投資戦略は、TOPIXコア30銘柄の中で「ダウの負け犬」銘柄をチョイス。

(前年度の株価パフォーマンスが悪く、配当利回りが高い銘柄から買っていく)

個人株主向けに、単位株あたりの買い値や業種分散の観点から以下の4銘柄を推奨。

  • 武田薬品工業:シャイアー買収後、CFの改善で財務体質改善傾向
  • 住友商事:確か物産の方が利回り高かったが、4銘柄で150万円程度にするためにこっちにしたはず
  • 三菱UFJグループ:相変わらず、窪田氏のイチオシ銘柄。海外基盤拡充や利益の安定化など
  • 本田技研工業:4輪の不振を2輪で補う。今や2輪が稼ぎ頭。2輪は東南アジアで圧倒的

(私見:窪田氏のイチオシ銘柄であるMUFGの株を妻名義で3月頃に583円で買い、今726円になっています。配当もそこそこいいので、自分でも買ってみようか、と考えています)

 

堀古英司氏

1月に株は割安だ、と言っていたけど(参考2022楽天証券セミナー 米国株式は割高か割安か 堀古英司さん 、大きく外した中での今回のセミナー。

コロナが例外とか、言っていましたね(私見:言い訳に聞こえた)。

しかし、将来に関しては依然強気な見方でした。

米景気リセッションに関しては、第一四半期がすでに実質GDPがマイナス成長(確か▲1.2%ぐらい?)で、第二四半期もアトランタ連銀のGDP超速報ベースだと実質マイナス成長となっているので、すでにリセッションになっている。

但し、リセッション(注:米国ではGDP成長率が2四半期;つまり6か月 連続してマイナス成長だと景気後退と見なされる)といっても、名目6%、インフレ率8%、差し引き▲2%のような感じだと(かつ、失業率が歴史的低水準)、「実感がない」(私見:おいおい、デジタル分析の堀古氏が印象論か?)。

コモディティを始め、相場はピークアウトしているようで、インフレも落ち着くはず。

また、企業業績は「名目値」なので、名目で6%~8%も成長していれば、EPS成長も可能。

したがって、株価はそろそろ底値圏ではないか?

 

(私見:言っていることは間違っていないけど、インフレによる価格転嫁がまだ不十分で、利益率が圧迫されるのではないか。したがってEPS成長率は鈍化するので、今の市場予想を下方修正する可能性が高く、その分株価の下落余地はあると思うし、PERも低下する可能性が十分あると思う)

 

あとは、住宅セクターが割安と言っていました。曰く、人口増加による世帯数増加に住宅供給が追いついておらず、PERひとけた台は割安だ(私見:但し、前半の損を取り返したい人向けのややリスク高目な投資対象という風に聞こえました。また、ウオルマートやアマゾンが過剰在庫を処分する必要性があるとも言っていたけど、これもマージン圧迫要因ですね)。

 

私見:「今が底」という意見と「もう少し下がる」という意見。両にらみですね。これまでは、「今回のリセッションはこの程度」という楽観論がのちに、『予想外のショック』で、さらに値崩れする、という体験があるので、時間分散で、少しずつ、下げ相場で優良銘柄を落ち葉拾いしていくようにしたいなあ、と考えています(いつもと同じですね。()

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